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2021年新作テレビドラマ放浪記

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2021年のテレビドラマの感想記録です。
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#推しの王子様

「推しの王子様(第11話)」着地点は、こちらが思っているところに。ドラマ全体の構成の悪さが辛すぎましたね

なかなか、最後のキスシーンは美しかった。まあ、年上女が王子様をからかっている感じを残しての愛の告白。こういう着地点は最初から多くの人が考えていたのではないか?そして、会社も元の鞘に戻るというこれも当然の結末。だから、ラスト前の2、3回はいらないという感じであったとしか言いようがない。 とにかく、世の中の常識を知らないが、デザインセンスはそれなりにある若者が、最終回で、やっとまともな恋愛対象になることが大事なのだと思う。それに合わせて、会社も売られて失敗する。その辺の企画自体

「推しの王子様(第10話)」大きなお金で楽しいことができないということ

大企業の傘下に入り、基本は重役が一人増えただけという話なのだが、言ってくる事は、スポンサーへの気遣いや、経費をどう取り返し、どのくらい儲けるということだけ。そう、仕事の本質が変わってしまうのだ。特に、新事業として参入する大企業は、金出して、人集めればどうにでもなると思っている。仕事の本質など知ろうともしない。ドラマでなくても、こういう現場は多いのだろう。所詮、ベンチャーと大企業が求めているものが違うということだ。 だから、大きな見晴らしのいいオフィスとか、食事代が只とかの向

「推しの王子様(第9話)」きっかけに戻って、会社を売る話にするつまらなさ。

まあ、ラストはどう持っていくのかはわからないが、こういうクリエイティブの話で、ベンチャー企業が、お金のために大手企業の傘下に入るという話は、普通に考えて、会社の製作物の質には繋がらないというのが本当のところだろう。特に、企画とストーリー性が面白いゲームを作りたいなら、大きな資本は、最初からマスの客を考えるということを思えば、コアなクリエイターのこだわりに応えるようなものはないはずだ。 特に、ベンチャー側から見たら、最初のゲームがなぜ当たったのかというところを振り返るなら、大

「推しの王子様(第8話)」8ヶ月後の童話的展開

先週の別れのシーンから8ヶ月後という展開。突然、渡邊が、会社を代表してテレビ出演である。ここまで一年たっていないわけで、何もできなかった清掃員が、ここまでになるとは、基本的にはありえない話であろう。男のシンデレラストーリーである。そして、それが周囲に促されてそうなったものだという展開もありえない。 確かに絵の素養があり、センスも持ち合わせていたのだろうが、ビジネスライクにそれができるには、まあこの時間では無理な感じがする。そして、脚本がおかしいとなって、自分で直しを入れる機

「推しの王子様(第7話)」告白、そして別れ、涙。お決まりの転換点。さあ、どのようにまとめるか?

今週は、渡邊圭佑の描いたキャラデザインがプレゼンを通ってしまう。もう、十分に独り立ちできるという描き方である。先週も書いたか、この成長の速度は理解できない。マンガでもこうはしないのではないか?何か、元のテイストを残しておかないと、渡邊らしさの演技も全くなくなってしまう感じ。 今回はプレゼンを前にして、なぜに彼がホームレスのような状態になっていたかという過去の話が描かれる。渡邊が学ランで出てくるのだが、これがまだ十分にイケるのがすごい。しかし、この親が失敗した話を聴いても、彼

「推しの王子様(第6話)」だんだん普通の恋物語になりつつあるのがもどかしい

先週、渡邊が、自分が比嘉とフジオカの賭けの道具にされていたことを知り、喧嘩状態。そして、時間が過ぎた結果、上の写真のように両方で頭を下げて解決という流れ。そんな時に、白石が倒れたという電話が来る。白石はビジネス上のミスをしてしまい参っていたところ。そこで、最後に白石を慰める渡邊。しかし、渡邊は優しすぎる。そこがゲームのヒーローのようにキュンとするところなのだろう。こういう優しさは色々恋の邪魔になることはわかっていてできている脚本のようだ。 ドラマは後半に入っているのだが、こ

「推しの王子様(第5話)」「好き」とは何かという原点に戻るラブコメ

ドラマは折り返し点。ということで、主演2人の恋心が動き出す流れ。なかなか面白かった。 まずは、ゲームの試作ができ、社長の比嘉が「何か違う」と言い出す。ゲームの分岐点での質問で、両方に魅力がないといけないというのは、脚本的に見ればとても重要なこと。視聴者が「どうせこうなるんだよ」というドラマはやはり面白くない。視聴者が、それなりにプランA、プランBを考えるようなドラマの中で、全く違うプランCが出てくるようなドラマが最高に思ったりもする。それでいて、内容はシンプルなのがいい。

「推しの王子様(第4話)」推しへの心情と、本当の恋心と…。

白石聖が、渡邊圭祐への恋心をはっきりとさせ、最後には、渡邊に告白する。そして、比嘉愛未も、それを白石に言われ、自分の恋心に少し気づいていく。ドラマを1/3経過したところで、恋愛ドラマとして昇華し始める感じ。ドラマ全体の塩梅としてはなかなか綺麗である。 そして、今回は徳永えりの推しの話から、渡邊が好きなものは何かを追いかける冒頭。芝居を見ても、クラッシックを聴いても寝てしまうという状況は普通にあることなので不思議ではない。まあ、その後に、渡辺に絵の造詣があったという話が出るな

「推しの王子様(第3話)」学ぶことの意味とコミュニケーションの意味と…。

ラスト、白石聖が、渡邊圭祐と比嘉愛未が戯れあっているとことを見つめている。三角関係という流れなのだろうが、白石が渡邊を好きになった部分がまだ詳細には語られていない。この辺り、結構、重要な感じがする。 物語は、やっと渡邊が会社に貢献する話になってきた。私的には、意外に早いなと思ったりもした。とにかく、ここまでまともな会話能力や語彙力がない人間というはいないだろうと思ったところが、意外に早くどうにかなっていくようだ。そうしないと話が進まない? でも、本を読むとすく眠くなるよう

「推しの王子様(第2話)」人はどうやって今の世界で生きられるようになったのかを問う怪作になりえるのか?

この渡邊圭祐演じる航のような人は、最近では日本に見ることのできない存在と言っていいだろう。まず、読み書きがまともにできない人間というのはいるのか?と問うと、不思議なところで引っかかる航のような人はなかなかいないだろうし、敬語のできない問題も、ここまでそれ自体を覚えられないということもないとは思う。しかし、考えれば、私たちをそれをどう学んできたのだろうか?とこのドラマは考えさせるわけだ。多分、このドラマの航というキャラを考えるのあたって「人間が、まだ生まれたての AIだったらど

「推しの王子様」渡邊圭祐がどこまでドラマを面白くするか?

比嘉愛未主演のゲーム会社を舞台にしたドラマ。オリジナル作品であることにまずは興味が湧く。最初は深田恭子主演予定だったようで、その代わりを比嘉がどう務めるのかという見方もあるが、かなり違うタイプの女優さんなので、ここは比嘉がこのゴールデンの主役というポジションをどうこなすかというところなのだろう。 そして、私の注目は渡邊圭祐だ。ここでも前に書いたが、映画「ブレイブ」での彼の演技はとてもキレが良かった。基本、どちらかというと線が細い役から入っている彼なので、あまり男性感よりも中