見出し画像

「推しの王子様(第8話)」8ヶ月後の童話的展開

先週の別れのシーンから8ヶ月後という展開。突然、渡邊が、会社を代表してテレビ出演である。ここまで一年たっていないわけで、何もできなかった清掃員が、ここまでになるとは、基本的にはありえない話であろう。男のシンデレラストーリーである。そして、それが周囲に促されてそうなったものだという展開もありえない。

確かに絵の素養があり、センスも持ち合わせていたのだろうが、ビジネスライクにそれができるには、まあこの時間では無理な感じがする。そして、脚本がおかしいとなって、自分で直しを入れる機転の速さもまあ、スーパーマンというか、人が入れ替わった感じだ。そう、2回前くらいから、無理があると書いてきたが、ここまでくると、まあ、逆に専門学校行って、基礎を学んで仕事ができないような人を批判するくらいにパワーが強すぎる。ドラマだからとかいう範疇内でない今のありよう。

そこに、いろんな恋を閉じ込めて、それを最後のドラマの見所にするのは、最初からわかっていたような気がするが、今回のところでは、渡邊と白石がとてもラブラブ状態。だけど、比嘉に対し未練がないわけではないというところ。ここも、中途半端。

そして、最後にフジオカが比嘉にプロポーズするところを見てしまう渡邊。過去を思い出し刹那さを存分に表す後ろ姿。まあ、この辺も、予想通りで面白みには欠ける感じだが…。

そして、会社の買収話。お金には困らなくなるが、条件が、大切なゲームのビジネスの終息。この辺りは、突然降ってきた感じ。やはり、前2回くらいで、船越英一郎の動きをちゃんと描いてないから、突然に見える。ドラマの構造の中途半端さが、ドラマの最終面をアバウトに見せてしまうということですね。

いわゆるタイトルの「王子様」のゲームがなくなれば、渡邊もいなくなるような展開なのかもしれないし、その逆でもあるのであろう。そして、この会社の危機を救うのも渡邊というところだろうか?あくまでも、このドラマは王子様ものとして成立させるようにできている気はする。やはり、逆シンデレラなんだよね。

そう考えると、最初の会社の人間からのいじめは、今風で軽いし、渡邊はなんなく、この業界でエリートコースに乗ってしまっている感じ。そう、ドラマの流れとともに、渡邊の芝居自体が凡庸になっているのも気になる。まあ、色々と最後に来てモヤモヤしまくる感じが最近のドラマらしくなってしまった。途中で新しいキャラが出てくることもない感じだし、ドラマ自体がつまらないゲーム状態という感じですね…。

この記事が参加している募集

#テレビドラマ感想文

21,075件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?