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2021年新作テレビドラマ放浪記

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2021年のテレビドラマの感想記録です。
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#綾野剛

「アバランチ(第10話)」日本の国民は、現状を良いとは思っていないということ

このドラマ、2回目を見たところで、ここに書くのをやめた。どうも、一回読み切りの話と大枠の話の絡みがいまいち分かりにくい感じだったからだ。とは言っても、最後の3回くらいは、なかなかどう結果が出るのかわからない状況が面白かった。 そう、アバランチがテロリストに仕立て上げられ、田中要次が死んで(しばらくは、後で生きているんじゃないかとさえ思った)、アバランチの裏工作員の山中崇もそれが渡部篤郎にバレて、窮地に追い込まれ、その上、死んだはずの駿河太郎が生きていたという流れは、エンタメ

「アバランチ(第2話)」いろんな人々の企みが見え隠れする面白さ

こういうドラマは週末に放送するのがいい気がする。世の中の偉そうな巨悪を大衆の面前に曝け出し懲らしめる話。そう、一週間のうさを晴らすような醍醐味がそこに存在するからだ。まあ、月曜日でも、快感のあることには変わりないが…。 2話目は、カンボジアへの支援金30億円をちょろまかした話。それを知って殺されたのが千葉雄大のお姉さんだったという仕込みはあってもなくてもよかった気はするが、千葉自身の正義感的なものを見せたかったのだろうか? そう、最初と最後に、このアバランチのグループが集

「アバランチ」ネットを使えば、主権は国民に還るという話?

綾野剛主演ということしか事前に知らずに見た。なかなか面白い切り口だとは思った。現代の「必殺」「ハングマン」というところだろうか?最初から、闇に落ちそうな事件を解決する「アバランチ」というグループが政府とつながっていることもバラしている。つまり、国の大掃除の話なのだと思う。そして、最後はただ加害者を殺めるのではなく、インターネットに犯人の姿を曝け出し、ネットリンチのような状況に追い込むということだ。そう日本の主権は国民にある。多くの国民がその闇を知り許さなければ、自然に国はよく

「恋はDeepに(第9話)」あまりサプライズがない最終回。そして3年後の再会編を作る蛇足感。

結局、最終回に至り、脚本から新しさみたいなものを感じることはなかった。先週の交通事故で、すぐに綾野剛が倒れるのかと思ったら、石原の送別会も終わった最後の最後で入院騒ぎ。石原がキスしも起きないのじゃ、この入院自体の意味もよくわからない。 石原の正体が何かよくわからなくても、その名前と論文の中身は一人歩きして世界中に反響が起こるという感じになっても、ドラマ自体はどうも盛り上がらない。考えたら、世界中に同じように魚が人間になって活動している者がいっぱいいるとか、そういう話ならまた

「恋はDeepに(第8話)」おかしな人魚伝説のドラマは、テレビドラマの現状の映し絵か?

ラスト2回は、石原さとみの正体がみんなにわかって?海に帰るまでという流れというのはわかるが、みんなが、このファンタジーを普通に受け止めるところで成立しているわけで、ドラマとしては面白みにかけるのは前から書いている通りだ。 渡邊圭祐が株を売り払い、兄たちの計画をおじゃんにさせたのに、結果、その土地がカジノに化けるという状況に陥るというのは、よくあるドラマ構成だが、それで、兄弟の仲が戻るような状況も少し安易である。 この兄弟の仲の悪さみたいなものも、このドラマの重要な構成要素

「恋はDeepに(第7話)」人魚伝説の話なら、そこから話を始めるべきだったのだろうね

ラスト、石原さとみの足がヒレになりかけ、鱗が溢れるというシーンが現れた。その前には、星が浜に人魚伝説があるということがわかる。今更だが、ここからドラマを始めればよかったのではないか?と思ったりする。 つまり、海に泳ぐ魚たちが、海に沈むペットボトルなどのゴミをみて困っている姿を見せる。それとともに、人間たちの環境破壊の姿を見せて、そんな陸地に人魚である石原さとみが上がってきて人間に化ける。このくらい、はっきりと嘘をつくところから始めれば、スッキリいく。 そして、そこに橋本じ

「恋はDeepに(第6話)」綾野剛がファンタジーを受け入れてしまうことで不思議な空気になっていく展開

最後に、YouTuberが、石原さとみを追いかけて「あなたは海女さん?」と訊ねる。これが普通の人の感覚である。ドラマとしては、そうでないとおかしいのだ。でも、このドラマでは、石原は魚だ。人魚ではなく魚だ。だから、彼女は塩水がないと生きられない。そして、海藻をドレッシングもかけずに食べる。それを、視聴者にそういうものだと、当然のように見せる。視聴者はファンタジーと理解はしているが、やはり違和感がある。石原が綺麗だから、まあいいか?というところである。これが、凡庸な女や、いかつい

「恋はDeepに(第5話)」ファンタジーを成立させるための俳優力

先週までは、石原さとみの魚疑惑に「なんなんだ?」と思って見てきたが、今週の回で、石原が持っていた指輪が、綾野剛の母親のものだとわかり、その話の流れで、石原は綾野に自分のことを語り出す。ただ、魚だとは言わないところがミソなのか? あくまでも、ファンタジーの世界である。こういう話を視聴者に納得させるのは結構難しい。もう、先週までで結構な数の視聴者は逃げているのではないか?なんで、夜の10時台に御伽噺を見せられなきゃいけないんだと思うところはある。こういう題材は、昔なら夜の8時台

「恋はDeepに(第4話)」無理な話を、ちゃんとレールに乗せていく興味

ラストで「私、人間じゃないんです」と言って、去っていく石原さとみ。次回の予告では「後2ヶ月くらいしかいられない」と言う。人魚姫的な話なのは完全に開示された感じだが、まだ、4回目である。ここで、ドラマの1/3が終わったと言うような状態。と言うことは、このドラマはここからが本番ということだろう。それはそれで、面白い気はするが、ここまでで、脱落した人のことを思うと、この仕掛け、2回目くらいで開示してもよかったのでは?とも思うわけです。前置きが長すぎる感じ…。 そして、橋本じゅんも

「恋はDeepに(第3話)」ヘンテコなライトノベル的な流れに視聴者はどうついていけばいいのか?

確かに、前回からそうなのか?とは思ったが、完全に石原さとみは人間ではないようだ。今回は、流れ的には視聴者にそれを、完全にわからせようとしていた。海藻しか食べない、家族はいない、健康診断は受けない、履歴はない。それを勘繰る研究員もいて、興味はまずそっちの方に流れる。と思ったら、「流れてくるものに、みんなで一緒に乗っていくのが好きです」と本人に吐露までさせてしまった。そして、次回予告では「私、人間じゃないの」とはっきり言わせたりしてますね。しかし、体温が低いというのは、今のパンデ

「恋はDeepに(第2話)」石原さとみの可愛さにドラマの中身がついていけない

ラストにYouTuberが、初回のラストに戻すというのは、ドラマの作りとしてはかなり変な感じがした。確かに初回の最後にビデオを撮るシーンはあったが、その話をここの最後につなげるのは流れとしては変だ。なんか、こういう辻褄合わせ的なものでくっついているシーンがいくつかあり、脚本がよく練られていないのが見え隠れする。こういうのが目立つと、ドラマのダイナミックさがなくなっていく感じである。まあ、スタッフは時間と格闘しているのかもしれないけどね。 そんな中で出来上がったドラマは、明ら

「恋はDeepに」石原さとみの魅力だけで展開しそうな海洋ラブコメ?

石原さとみは、モニターに映し出されるだけで視聴者を吸い込む感じがいい。結婚しても、安定した色香と演技。シリアスな方が好みではあるが、こういうコメディタッチもしっかりこなすのは、もうベテランの感じがする。それに対応するのは綾野剛。映画では、少し一般人とはかけ離れたような生き方をする役が多い印象。こういう金持ちというのは珍しい感じ。まあ、男前だから、なんでもこなせる。その二人の共演は初めて?新鮮さはある。 話のバックグラウンドには環境問題がある。ひたすらペットボトルを拾う石原さ