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「恋はDeepに(第2話)」石原さとみの可愛さにドラマの中身がついていけない

ラストにYouTuberが、初回のラストに戻すというのは、ドラマの作りとしてはかなり変な感じがした。確かに初回の最後にビデオを撮るシーンはあったが、その話をここの最後につなげるのは流れとしては変だ。なんか、こういう辻褄合わせ的なものでくっついているシーンがいくつかあり、脚本がよく練られていないのが見え隠れする。こういうのが目立つと、ドラマのダイナミックさがなくなっていく感じである。まあ、スタッフは時間と格闘しているのかもしれないけどね。

そんな中で出来上がったドラマは、明らかに石原さとみのワンマンショーに近い状態になっている。とにかく、彼女の喜怒哀楽が視聴者に迫るだけで周囲が振り回されているみたいで落ち着かない。

相手役の綾野剛は、ツンデレ的な性格なのだろうが、その辺りがうまく芝居できていない。特にキツい部分がうまくないので、石原とエレベーターの中で抱き合っているシーンばかりが心に残る。ドラマとしては、キツい綾野が、石原の影響されて変わっていくみたいな方が流れとしてはいいのだと思うが、このドラマ、初回から石原は綾野に人工呼吸のキスをしてしまっているし、早く、二人で海を護る方向にしたいということ。

今回はスポンサーのホテルマンの小手伸也をめぐり、海洋トンネルまでできることになってしまうという話。小手が石原を気にいって近づくことで、もう少し色々と色恋も含め話があると思ったが、何もなく最後に至る。小手を徹底的に金満な悪い人にできていないのも、このドラマの中途半端さだ。

全体の設定としては、最後に、石原さとみの履歴がわからず、正体が謎ということになってくる。これは、面白いが、ここで出てくるのは唐突な感じもする。この2回目までで、石原にも綾野にも、星が浜の海に強い思いがあることはわかって、その謎を明確にするために視聴者は次を見るだろう構造にはなっているが、どうも弱い。結局のところ、題名からして、これは恋愛ドラマなのだろうが、それもいまいち勢いがないし、環境問題を問う部分も道具でしかない気がする。ホテルの水槽の魚をみて、「魚がオーナーを怖がってる」というセリフを言わせるようなドラマでは、ちょっと辛いのだ。

まあ、石原さとみの悩み、走り、活躍する姿を見るだけでいいのだろうが、それを見ていて「シンゴジラ」を思い出した人も多いだろう。石原さとみが学者をやるとみんなこういう演技になるのかもしれない。私的には嫌いではないが、こんな海洋学者はいないと思う。

最後は、大谷亮平の行動に綾野が怒って終わるが、こういう兄弟の確執みたいなものも描き方が柔らかすぎる。今はドラマの中でも、パワハラ、セクハラみたいなものが大袈裟に描けないのかもしれないが、ドラマの抑揚はそういうものをデフォルメしていかないとダメだと思う。石原さとみの美しさだけで視聴率は稼げない時代である。

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