現代版・芭蕉の旅(115日目)

今日は、芭蕉が旅を始めて115日目である。

昨日までは金沢に9連泊していたが、今日は、小松市に移動した。そして、小松市でも3連泊しており、ゆっくりと過ごしたようだ。

この北陸道中で、芭蕉は4つの俳句を詠んでいる。芭蕉の時代でいえば、今日は、8月29日であり、初秋にあたる。

したがって、俳句には秋の季語が全部入っている。

(1)塚も動け 我が泣く声は 秋の風

【意味】会うのを楽しみにしていた門弟が、すでに亡くなっていたことを知り、その塚の前で慟哭した。その悲しみは、哀愁漂う秋風に重ねられる。

(2)秋涼し 手ごとにむけや 瓜(うり)茄子(なすび)

【意味】旅先でもてなされ、出された料理は秋らしさを感じる瓜や水ナス。皮を手で剥いている時点で、涼を感じる。

(3)あかあかと 日はつれなくも 秋の風

【意味】この時期にしてまだまだ照りつける夕日はつれない態度そのものだが、風はやはり秋らしい涼しさを感じる。

(4)しほらしき 名や小松ふく 萩すすき

【意味】「小松」という地名は、なんとかわいらしいことか。その地に吹く風が、萩やすすき(=秋の七草)を揺らしている。

以上である。

まだまだ厳しい暑さが続くが、芭蕉の俳句で、つかの間の涼を感じられただろう。



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