同期の男の子 摂食障害の私 体験記⑬
同期のTくんにデートに誘われて
ある日一緒に電車に乗っていたら
Tくんは私を見るなり
「何でこんなピッタリした服着てんの?」
と言ってきた。
私は顔から火が出そうな程恥ずかしくて、
穴があったら入りたかった。
電車の中で私達は、ぎこちない雰囲気になってしまった。
野球場近くの湖がある公園に行き
湖の周りを私達はただただ歩いていた。
Tくんは、なんだか不満げだった。
気持ちがTくんにない私は、ただ散歩しながら
「風が強いなあ」
「わっ!なんだか寒くなってきた」
「早く帰りた~い!」
と内心思ってた。
でもTくんは、私とデートらしい事をしたかったようだ。
Tくんに気持ちがあれば応えてあげたかったけど、
デリカシーのないTくんに、一回無理だと思った18歳の女子の気持ちは、頑なに動かなかった。
Tくんの気持ちが、伝われば伝わる程、私は逃げたくて仕方なかった。
じゃあデートの誘いも行かなきゃ良かったのかもしれない。
でも相手に対して申し訳ない気持ちと、
一緒に居たら少しは気持ちが変わるかな?
休日暇だからデート位付き合っても良いかな?
暇になるとまた過食して、気分が落ち込む事だけは避けたかったし、
だから、Tくんの誘いに出かけてしまった。
そういう考えが、若くて真面目なTくんみたいな男の人を勘違いさせてしまう。
でも私の事情なんてTくんに話せるわけがない。
私とTくんは少しの間だけ、手を繋いで歩いた。
あとは、私が帰りたいと言って帰ってきた。
最寄り駅に着いて、別れる時、
何も出来ずに不満そうだったTくんだが、
私は解放されてホッとしていた。
こんな私を好きになってくれて嬉しかった。
でも応えられなかった。
相手がもしも好きな人だったら、バグとかキスとかしたかったんだろうなあ。
つづく
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