折山るこ

「口福の相がある(生涯食べ物に困らない)」という占いを心の支えにして生きている主婦。

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自己紹介

 るこです。1990年生まれの30歳です。今は夫と保護猫カフェから来た二匹の猫と都内の小さな家で暮らしています。  幼少期を父親の学業や仕事の都合で、2歳から3歳をアメリカ、小学校のほとんどをラオス(インターナショナルスクール)とケニア(イギリス式私立校)で過ごしました。小学校6年生の夏に日本に帰国し、その後、中高大と湘南エリアで主に過ごしてきました。中高は女子校で、ほぼ6年間剣道部のマネージャーをしていましたが、人にわかってもらいたい、という気持ちが人一倍強く、英語のスピ

    • 原爆の日--We cannot prepare, we must prevent

      タイトルはニュージーランドのアーダーン首相が今日行ったスピーチの中に登場したフレーズです。2020年8月6日、広島の原爆から75年。核兵器根絶を訴えた彼女のビデオスピーチで、最もはっとさせられた一節です。 We cannot prepare, we must prevent. (核兵器に)備えることはできないのです。回避しなくてはならないのです。 毎年8月6日は、広島が映し出され、日本に住んでいる人は誰しも、過去の被害に目を向けようという動きの中に組み込まれるものではな

      • レバノン赤十字のアプリを用いた募金の仕方

        暑い夏模様だった今日、家でずっとごろごろしていたせいで、私はレバノンの首都ベイルートで起きた大爆発のニュースを知らずに一日を終えようとしていた。 インスタのストーリーに、マンチェスターの留学時代のレバノン出身のコースメイトが投稿しているのが目についたのは、偶然だった。彼は視座は高く優秀だったが、やや小生意気なキャラクターで、私とはさほど親しくなかった。オックスフォードの博士課程に在籍している彼が、インスタのストーリーをあげるのは、そんなに頻繁ではない。 彼は、彼が無事であ

        • 女の子時代の「かわいいの壁」が消えてきた話

          私の持っていた「かわいいへの壁」が、最近どんどん低くなっている気がする。 前提、何を「かわいい」と思うのかは人それぞれだ。誰が何をかわいいと言って、それを手元に置こうが、誰かにあげようが、それはその人の自由だ。しかし、今までの私は、どこかかわいらしいものを嫌う節があったと思う。 多くの同世代の同性が「かわいい!」と思うものを、かわいいと思えないこともあれば、同意することもあった。でも、かわいいと言われるそれらを、自分が選んだら、人はどんな顔をするだろうか。更に言うと、その

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        自己紹介

          百獣の王を110の王だと勘違いしていた話

          百獣の王、すなわちライオン。 10歳から12歳までをケニアで過ごしたため、サファリにでかける機会は幾度かあり、野生のライオンは2度ほど見たことがある。ドキュメンタリーなどでは探すところは省かれているのでぴんと来ない方もいるかもしれないが、野生のライオンはなかなか出会うことも難しい。何しろサバンナは広大で、ライオンはその中で生きている。移動だってするのだから、見やすいポイントはあっても、会えるかは運次第だ。 私の一度目の幸運は、サバンナのど真ん中で砂利道を車で走っていると、

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          小池さんに票をいれた人、選挙に行かなかった人の気持ちになってみる(その人たちの気持ちになるのは難しいことではない気がする)

          先週から不調ループに入ってしまったものの、都知事選は無事一票投じて参りました。 正直に言うと、人生で一番億劫で、責任を感じる選挙だった気がします。 候補者に不安を感じたから億劫だったのか、責任を感じるから億劫だったのか、はっきり言葉にできないけれど、そう感じたのは確かです。(ホリエモンの発言からのアベノマスクのブラジャー??みたいなポスターが生理的に不快すぎて、億劫になった説もあります。) コロナがきっかけで、貧困に苦しむ人、生活が立ち行かなくなった人をリアルに感じていた

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          それでも、スキンヘッドや大きなハゲができてしまった女性に、ヘナクラウンをしてみませんかとお誘いしたい気持ち

          「ヘナ」を使って描く「ヘナクラウン」をみなさんご存じですか?もしかしたら、メディアなどで取り上げられた写真を、ご覧になったことがある方もいるかもしれません。でも大多数の方が、実物を見たことは、ましてご自身が体験したことは、あまりないのではないでしょうか。 日本でのヘナクランの認知度が上がり、あわよくばヘナクラウン仲間が増えないかなという願いも込めて、この記事では全身脱毛症の私が、今月描いてもらったヘナクラウンの写真をアップして自慢しつつ笑、ヘナクラウンを紹介したいと思います

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          薔薇を喰う30女―-美しい飲み物を作ってやったぜ

          30歳の誕生日に、両親から薔薇の苗を贈られました。4月中旬の話です。 昔から、実家でさせられる草むしりが大嫌いでした。実家の庭はさほど広くないけれど、夏の草むしりは暑くて汗だくになるし、蚊に刺されます。私は独立したらマンションに暮らそう、そうでなくても、庭は一生涯いらない…そう密かに誓う程、実家暮らしの頃は庭仕事が嫌でたまりませんでした。 そんな私に、薔薇の苗を贈ってくれた両親は、善意と愛情120%で、私の30歳という節目の年を祝ってくれていました。初老の両親を悲しませる

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          自粛期間中に北海道・六花亭さんの虜になった話【前編】

          【はじまり】初めは軽い気持ちだったのです。送料無料の六花亭さんのおやつ屋さん(税込み3000円)の紹介記事が、おすすめとして私の携帯にあがってきたのは、4月頭の深夜1時。「なるほどねー」などと言いながら、しばらくそれを眺めていました。コンビニに行くのもちょっと憚られるような風潮の中、私は美味しいお菓子が食べたいな、と日々思っており、まぁ確かに、3000円で23個のお菓子が入っているのはお徳だな、と購入ボタンを押したのです。ちょっといつもより贅沢しちゃったかな、と堅実な妻っぽい

          自粛期間中に北海道・六花亭さんの虜になった話【前編】

          【思い出の授業】Show and Tell

          幼少期を海外で過ごす中で、思い出深い授業がいくつかある。その中のひとつが、Show and Tellという授業だ。 今思い返すとあれは道徳以外の何物でもない授業だったと思うのだが、当時はただただ楽しい授業だった。 Show and Tell―-見せて、語る、という言葉の通り、これは生徒が持ち回りで、自分の一番大切にしている物品を学校に持ってきて、それをクラスメイトたちに発表する、というものだ。(書きながら調べたところ、Show and Tellは一部地域ではオーソドックス

          【思い出の授業】Show and Tell

          私の頭のヘナ

           モロッコのシャフシャウエンという街をご存じでしょうか。「青の街」と呼ばれる、青い建物群が立ち並ぶ美しいで街です。モロッコの中でも観光地として有名で、ごはんは美味しく、治安も良く、人々はおおらかで優しい雰囲気が町全体に漂います。私がそこを訪れたのは、4年前の夏のことでした。  当時の私は、イギリスに留学している大学院生でした。そして、少し心が、塞がっている時期でもありました。幼い頃に一度経験した全身脱毛症が再発し、異国の地でバリカンを頭に当てられるという経験をしたばかりだっ

          私の頭のヘナ

          マンチェスター(英)のゲイビレッジ内にある美容室で私が頭をスキンヘッドにした話

           タイトル通りの内容です。  私は2016年から一年間、イギリスのマンチェスターに留学していました。大学院で私が選択したコースは思っているより自由度は高いものの、その自由さがなかなかの曲者で、他のコースメイト同様、「あああああ」と真夜中に叫びだしたいようなストレスを受ける日々が当時は続いていました。  それでふと気づくと、頭にハゲができてしまったんです。しかもどんどん大きくなる。  こりゃどうしたもんかな、と最初はヘアバンドで隠したり、現地の通販で、色とりどりのカツラの

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          かわいい女の子は私だって大好きだ。でも、アイドル賛美の経営者の一部をどうしても受け入れられない話

           ずっともやもやしてしまう。私はAKBや乃木坂のアイドルたちと同じ性別を有していようが、彼女たちのように容姿が優れているわけでも、芸を持っているわけでもない、アイドルとは無縁の世界で生きるおばさんである。それにも関わらず、時々、彼女たちのファンに厳しい目線を送ってしまうことがある。  こんなこと言うと、女の醜い嫉妬だと思われそうだが、前提、私は女子校育ちで、かわいい女の子が好きだ。美しい花に癒されるように、私はかわいい女の子、素敵な女性に癒されることが多々ある。一昨年、齢2

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          「ここはお前の国みたく空気汚くありませんからー!!」ってマスクしてる私に叫んでたマンチェスターの君へ

          ちょこっと喉がいがいがするなー、でも今日のライブは行きたいしなー。 そう思って私は久しぶりにマスクをすることにしたのだ。2017年、春先の英マンチェスターで。 日本から数枚持参していたマスクは、なかなか外でしにくいな、という感覚は確かにあった。台湾人のコースメイトが先日マスクをして登校し、興味津々のドイツ人の生徒に質問攻めされ、そんなに珍しい??と言っていたのも記憶に新しかった。期末の図書館混んでるし、マスクした方が絶対いいのにー、という彼女の感想は、日本人の私としては共

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          窓一枚隔てた世界

           「食べ物を残すのではありません。世界には食べたくても食べられない子供だっているのよ」とは、親が子にしつけをする際のお決まりのセリフではないだろうか。小さい頃、このテンプレートのようなセリフを母が言うと、もうなかった食欲がさらに失せた。私の母はそれに気づいていたか分からないが、さほど頻繁にこの言葉を口にすることはなかった。それでも、今でもこの言葉を思い出すと少し胸がうずく。  ナイロビにいた頃の私は、今の三分の一しか生きていない十歳の女の子だった。情勢としては安定していた時

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          私とサモサにまつわる小話集

           これは夫に「今夜はサモサにしようかな」と言ったところ、「サモサってなんだっけ」と返された、サモサ好きな私が彼のために書いた、私のサモサの思い出を語っているだけの文章です。いつかあなたの食べるサモサの前菜として、よろしければお読みください。 まえがき 盲腸の手術後サモサ@ナイロビ病院  10歳の頃、サモサは、学校帰りなんかに買い食いする大好きなおやつだった。その日はちょっと具合が悪くて病院に来ていたが、診察が終わったら絶対サモサをねだろうと決めていた。ところが、触診を終

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