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僕が外コンに自らの数年間を投資して得た、いくつかのリターンと逆に失ったもの

こんにちは。

流川(@rukawa_B)です。

日頃は某外資系コンサルティングファームに勤めております。

この仕事に就いて早数年が経過した、つまり私はこの数年という自分の時間をこの会社に投資してきたわけですが、この投資が私にもたらしたものは何だったでしょうか。

今回は、実際に中に入ってみないと分からないコンサルティングファームというものの実態を解剖しながら、この業界・会社に自分の時間を捧げることによって得られるもの/また逆に得られないものは何か徹底検証していこうと思います。

本noteを読むことによって、

・コンサル業界に入れば得られるもの・スキル(=リターン)

・入ることで得られなくなる機会・コンサル業界では経験できないこと(=ロスト)

がそれぞれ理解できるはずです。

私が体を張って(自身の数年間を捧げて)現場から吸い上げてきたリアルな情報をお伝えし、コンサル業界がどんなものか興味をお持ちの方の助けとなればと思い筆を走らせています。

 

 

さて、まずはコンサルティングファームで働くことによって得ることができるリターンから見ていきましょう。

リターン①:他の追随を許さないレベルの基礎ビジネススキル

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ここは同世代で他の業界に行った友人たちの話を聞いていても、圧倒的なのではないかと自負しています。

入社して2〜3ヶ月の研修は超基本的なExcelの触り方から、コンサルらしさ全開のロジカルシンキング研修まで、非常に幅広く充実したプログラムを享受することができます。

確かに正直他の業界のように、「研修中は毎日飲み会」的な雰囲気はほぼ無くなかなかハードな2-3ヶ月でしたが、その分研修の中で自分に身につくスキルレベルとそのスピード感は他の業界の追随を許さないと思います。

シンプルに最初の研修とその後に入る何個かのプロジェクトによって、基礎的なビジネススキルは満遍なく習得できると言っても良いでしょう。

新卒で入った会社であまりにもその会社でしか役に立たないスキルばかりがついて焦りを感じている方なんかには、社会人人生のやり直しを図ると言う目的でコンサルティング業界を転職先として選ぶという選択肢はだいぶアリではないかと思います。

ここで養った基礎的ビジネススキルの汎用性の高さは、卒業生たちの進路を見るに明らかです。

コンサルから独立起業する人が多いことにも納得がいきます。

また、若くしてこうした起業に踏み切る人が多いことから、圧倒的なスピード感(おそらく2ー3年やれば十分)でビジネススキルを身に付けらると言うのも、否定できない事実と言って良いでしょう。

リターン②:広範囲に渡る、業界・クライアント経験

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研修が終わり配属を受けるとやっと実感を得られるのですが、このコンサルティング業界が相手取る企業と言うのは基本的に大手のコンサルであればクライアントも業界最前線を駆け抜ける大手がほとんどですし、対峙できる業界の幅も広いです。

クライアントからの期待・プレッシャー共に高く、毎日が刺激的です。

私は最初の1年目で5業界4社をクライアントとして経験しました。

その中には客先に常駐して毎日クライアントとディスカッションした経験も含まれますが、1年目でこんなに多くの業界を肌で味わうことのできる仕事と言うのは、他にそんなに無いのではないでしょうか。

大学の頃なんかは遊んでばかりいて全くの世間知らずだった私も、コンサルティング業界の1年間を通して、十分に世の中のことが分かった気持ちになれました。

ちょっと大げさではありますが、このクライアントに対するコンサルティングワークというものを何社か経験することで、日本の経済がどのように回っているかだいぶ実感できると思います。

個人的にこの”分かってる感”というのがかなり重要だと思っていて、これがあるかないかによって、同じ社会人2ー3年目の若手でも醸し出すオーラのようなものが全く変わってきます。

また、幅広い業界の仕事を短い期間で経験できるという環境は、まだ自分の興味のある範囲が曖昧な方にとっては非常に恵まれた環境であるとも言えます。

コンサルは、入社後しばらくは自身の専門領域を絞り込まなくても良いのである意味モラトリアム感がありますが、やりたいことが明確になっていない方なんかはこの期間を使って自分が真に興味のあることは何か考える機会とするのもオススメです。

いくつかの業界・領域のプロジェクトを横断しながらその中で自分の興味や適性を検証していくことができ、私自身もある程度自分の極めたい領域と言うものが絞れるようになりました。

リターン③:経歴としての信頼性・キャリアの選択肢の広がり

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これは人による・今だけかもしれず何とも言えないところではありますが、少なくとも今現在世の中的にコンサルバブルが来ていて、コンサル人材は引く手数多になりがちです。

もちろんコンサルの中でも上の方のファームに属しているに越したことはありませんが、どのファームであれやはりまだまだ市場では評価されているコンサルを一度経験しておくと、行きたい企業に今すぐ応募するよりも受かりやすくなるかもしれません。

私のケースでいうと、転職する気はなくとも登録だけはしているビズリーチにはしばしば大手企業からのスカウトが届きます。

もちろん自分の経歴がそこまで大したモノでは無いことも自覚していますが、”これからの会社を担う若手人材”として、全く関係ない業界の大手起業の経営戦略室なんかからお声がかかるチャンスを多く得られています。

もちろん、自分にはまだまだ実力が足りていないという意識があるため実際の転職には至っていませんが、今の会社で積み上げた経歴を上手く活用したキャリアアップを狙っていますし、スカウト先企業やエージェントとのコミュニケーションの感触から、なんとなくこれが上手くいくようなイメージを持てています。

もちろん、お声がけいただく企業のレベルとしては一部上場大手から零細ベンチャーまで様々ですが、ゆくゆくはこういった企業の”経営”寄りの上層ポジションを狙う方にとっては非常に活用的なのがコンサルという仕事なのです。

また経営的ポジションに限らず、コンサルに入るとその中での過ごし方にも寄りますが往々にしてキャリアの選択肢がすさまじく広がります

というのも、否が応でも様々なタイプの仕事を任され、曲がりなりにもいろいろなことができるようになってくるためです。

大学生の間、ビジネスなどとは程遠い場所にいた自分にとっては自分のする仕事の全てが新鮮でした。

例えば私が今関わるマーケティングや、テクノロジー、人事組織改革などなど、、、

社内での自分の能動的な動きによっていかようにでもキャリアを積み上げられるのがコンサル業界。

リターン②では、積みたい専門分野が決まっていない方がモラトリアムを味わえると言いましたが、逆に既に特定の積みたい経験と言うのを持っている方にとってはコンサルは目まぐるしいスピードでこれを積みまくれる最高の環境でもあるのです。

 

 

さてここまで、良い面ばかりを書いてきましたが、ここから先の有料スペースにて、私が自分の時間をコンサルに投資した結果失ったモノ(=ロスト)についても言及していきましょう。

(ここからが本番です。)


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