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読んだ小説を褒めながら紹介するnote 〜『きみって私のこと好きなんでしょ?』篇〜

 どもです、御子柴です。

 先日、こんな記事をアップしておりました。

 6冊ほど通販で本を買ったのよ、という記事でしたが。

 その中で1冊読了いたしました、という報告記事になります。

 ……はぁ。

 変則的両想い、尊い。

 

 綺麗に一本、線が通った瞬間。

 きっとこの恋路は。

 ――――いや、まっすぐにはならねえな、たぶんw

 

 

 

 

『きみって私のこと好きなんでしょ? とりあえずお試しで付き合ってみる?』

 記事タイトルのとおり、本日はこちら!

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『きみって私のこと好きなんでしょ? 
とりあえずお試しで付き合ってみる?


 いやっはぁ、挑戦的なおタイトルですことっ!!

 書かれたご本人、本作の著者・望 公太先生が表紙の陰で『深い業が詰まった作品ですぅ……』と言っておられるのが、また趣深いですね!
 これは新感覚・もののあはれ。(なにいってだ)

 そいでもって、このカバーガール。
 まさしくこのタイトル兼セリフにぴったりなお顔(と、おムネ)なおにゃのこは、日向あずり先生の描くヒロイン。白森霞先輩。
 こんな顔して言われてみ?
 ずぎゅうううんっ、ですわ。

 


こんなお話

 望公太先生と言えば、同じタイミングで買った『娘じゃなくて私(ママ)が好きなの!?』とか、他にも『ちょっぴり年上でも彼女にしてくれますか?』とか、キュートな年上の女性を描かせたらピカイチだ、と個人的に思ったりするわけですが。

 今作のヒロインはひとつ年上の、同じ部活の先輩。お名前は前述の通り、白森霞《しらもり・かすみ》。
 おっと。意外に主人公と年齢が近いぞ? おやおやぁ?

 

 主人公・黒矢総吉《くろや・そうきち》は文学好きな陰キャ男子高校生。
 文学部――というか、部員数が少なくて文学同好会になっているけれど――に所属する、ちょっと恋愛をこじらせてしまった系男子。

 曰く、「恋愛はゲーム」だと。
 曰く、「フラれたら負け、付き合えたら勝ち」だと。

 そんな彼が想いを寄せているのは、同じく文芸部所属の、たったひとりの先輩であり、もうひとりの部活仲間である、白森霞。
 彼らが通う学校・緑羽高校における『美少女四天王』の一角。黒矢くん曰く「大変頭のよろしくない名称」。うん、まったくもってその通りだ。しかしわかりやすい。

 その中で、白森先輩は『人妻』という称号を与えられている。
 ――人妻、て。
 身も蓋もねえな。
 JKつかまえて、人妻、ってかw

 まぁ、そう名付けられた理由は、大人っぽくかつ色っぽい顔つきに、背は高いし、その……アレよ。バスト的なアレよ。っていうか、基本的にそこやろ、と言いたい。どうなんだ、最初に『人妻』って言った輩よ。
(っていうか、他の3人はもう少し出番ないですか? 続き、出ますか? っていうか、出てください。もだえさせてください)

 ――ゲフンゲフン。

 で、まぁ。

 黒矢くんが入部して以来、ずっとふたりきり。
 そのまま1年が経過。
 進級しても、特段宣伝もしていないので、概ねふたりきり。

 部活棟の片隅、小さな部室で、ふたりきり。
 ――リバーシに興じ、黒矢くんが先輩に勝ったタイミングで。

 白森先輩は言うわけですよ。

 

「下剋上のご褒美、何が欲しい?」

 

 別に初めて勝ったわけでもないし、そもそも最近の勝率は黒矢くんの方が高いわけで、何を今更――。
 そう思う黒矢くんを余所に、何だか妙に圧しが強い先輩。
 怪訝そうな態度を崩さない黒矢くんに対して、先輩はさらに言いました。もちろん、めっちゃめちゃに楽しそうな顔で。

 

「きみって私のこと好きなんでしょ?」

 

 爆弾投下!
 エマージェンシー!

 一目惚れレベルで先輩のことが好きな黒矢くん。
 陰キャには辛い強烈アタックに、黒矢くん、こんなことを言っちゃいました。

 

「……な、なんでわかったんですか?」

 

 墓穴!
 圧倒的墓穴ぅ!

 ほら、先輩がさらに楽しそうに、「へぇー、やっぱりそうなんだ」とか言っちゃったし。

 

「とりあえずお試しで付き合ってみる?」

 

 にわかに信じられないコトを言う先輩だが、「かわいい後輩に『好きです』って言われたら、まぁ当然、ちょっと嬉しくなっちゃうし?」的なことを言ってくれたことで、黒矢くんはちょっとだけ安心してしまうわけです。
 ――好意をはねのけられなかったことに対して。
 片想いすら許されないのでは、と内心思っていた彼は、そこで安心してしまったわけです。

 そんなわけで、圧倒的敗北状態から始まってしまった、黒矢くんの超贅沢デーティングタイム(あれよね、海外ではお試し期間ってあるんだもんね)。

 事あるごとにゆさぶりをかけてくる――というか、盛大にからかってくる白森先輩に、黒矢くんは完全に悶絶状態。
 いつもの部室も、何となく違って見えたり。
 手をつないでみちゃったり。
 デートなんてのもしてみちゃったり(しかも本屋さんデートです)。
 この人、刺激が強いよ。さすが『人妻』。
 

 周りから見ても、まさかこのふたりが付き合っているとは思われず。
 同じ部活だからいっしょにいるんだ、この先輩は面倒見がいいんだなぁ、って思われているような関係にも見えたりするわけですが。

 

 ――違うんだわぁ、この話。

 

 最初に書いたっしょ?

 変則的両想いだ、って。

 

 いやね、ごめんね。
 私、実は、わりと疑ってたのよ。

 これ、まだ、片想いなんじゃね? って。
 あらすじでウソは無いと思うけど、でも……って。
(陰キャ思考やん、これ)


 でも、安心してください。
 あらすじ、ウソ吐いてない。
 しっかり両想いですから。

 

 彼が陰キャをこじらせてしまった原因とか。
 ただカワイイから好きになったってことじゃないんだよ、って話とか。
 尊いポイントは数知れず。

 逆に、先輩は何で構ってくるのか、っていうあたりもまた尊いわけで。

 

 

総評 ~それは愛のダダ流し~

 なので。

 ぜひ、黒矢くんといっしょに、白森先輩の「本音」を探ってみてください
 白黒、ハッキリさせてみましょう?

 

 

 

 私はハッキリ言います。

 まだまだこの子たちで悶えさせてください!!




 


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