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【バリ島旅行記⑤】内容盛沢山!地域密着型のサイクリングツアー(Part 1)

ウブドでしようと思っていたことの一つに『サイクリング』がありました。何かの拍子にP氏にその事を言ったら、「自分もやりたい!!」と言い、いつの間にか Countryside Cycling Tour(カントリーサイド・サイクリング・ツアー)というエコツアーを予約したとのこと。毎度のことながら、フットワーク軽すぎなお方です(笑)

というわけで、二人でそのサイクリングツアーに参加したのですが、これがまた予想以上に有益な時間で楽しかったため、今回はその体験談を紹介しようと思います!

尚、施行は Happy Bike Tour Bali(ハッピー・バイク・ツアー・バリ)というローカルのツアーオペレーターさんです。オーナー兼ガイドのマデさん(←今回の旅で3人目のマデさん!)は、ホテルやクルーズシップなどのツーリズム業界で経験を積み上げて来たベテランさんです。よって、英語も堪能。ご自身のビジネスは2008年に立ち上げたそうです。

この日の参加者は私達だけだったので、マデさんやもう一人のガイドさんとも沢山話をすることができました。ガイドさん曰く、「ローカルの人々の日常を垣間見ることで、より沢山の人々にバリニーズの文化や生活を知って欲しい」、また「バリ島の人々(特に子供たち)にも世界に触れるチャンスを持って欲しい」という思いから、この地域密着型のエコツアーを企画運営しているのだそうです。このツアーへの参加を通して、彼らの理念をしっかり感じることが出来ましたので、本文で感じ取っていただけると嬉しいです。

ツアー参加後、マデさんに「SNS等でこのツアーの体験談を紹介しても良いか」と伺ったら、むしろ「是非書いて欲しい」とのことだったので、画像も出来る限り出して行きたいと思います!


ホテルピックアップ&出発

午前8時15分頃、オーナーであるマデさんとスタッフさんがヴィラまで迎えに来て下さいました。挨拶を終えて道路へ出ると、自転車が4~5台ほど積み込まれた車が停まっています。エアコンの効いた車に乗り込んだ私たちは、ウブドの北(ティルタエンプル寺院がある方角)に向けて出発しました。

最初に書きましたが、こちらのツアーはP氏が見つけて予約をしました。普段の私なら事前の詳細確認を怠らないのですが、何故か今回は、自分でツアーの内容を調べないままに当日を迎えてしまいまして…。そのため、「どんな場所に立ち寄るのか」「どこをサイクリングするのか」はたまた「何時間走るのか」など、もう完全なノーインフォ状態での出発でした。もちろん、これが「地域密着型のツアー」であることも、ツアーが始まってから知り得ることになります(笑)

そんなわけで、私達の乗る車はサイクリングのスタート地点を目指しているものだと勝手に思い込んでいました。がしかし、最初に到着したのは全くもって別の場所!ここから良い意味でのサプライズツアーが始まります。

2024年1月時点での料金表とピックアップタイム
ウブド以外のエリアに滞在している場合は、
ピックアップの時間や料金が変わりますので、ご注意下さいね。

コーヒー・プランテーション(コーヒー農園) 

40分ほど車を走らせた頃でしょうか。到着したのは Coffee Plantation(コーヒー・プランテーション)でした。

インドネシアはコーヒーの原産地としても有名で、バリ島にも多くの Coffee Plantation(コーヒー・プランテーション)が存在します。ただ、観光客用に開放されているところの多くは『観光農園』といった感じで、園内の一部をガイドさんの説明を受けながら散策したり、ウブドの絶景を楽しみながらコーヒーやティーを試飲するような施設となっています。現地ツアーなどに参加すると、ツアー内に組み込まれていることが非常に多いです。

正直なところ、P氏も私もこの類のプランテーションには前に行ったことがありましたし、気持ちはサイクリングの方に寄っていたので、最初はあまり乗り気ではありませんでした。がしかし、今回は我らがガイドさんの説明力のおかげか、私のコミュニケーション力が18年前より向上したためか(←多分両方)、教養として得ることが多く、結果とても楽しめました!

プランテーション内の植物

まるでジャングルのような緑溢れるプランテーションを歩きながら、私達のガイドさんが一つ一つ植物の説明をして下さいました。あれから時間が経ち、私の記憶も薄れてきたので全てをお伝えすることはできませんが、画像と共に一部を紹介いたしますね!

シナモンの木
シナモンの木は人生で初めて見たように思います。
あのクルクルと巻かれたシナモンスティックは木の樹皮から作られているんですね。
ガイドさんが皮を少し剥いで、香りを嗅がせて下さいました!
ジャックフルーツの木
ジャックフルーツは、ウブド滞在中、至る所で沢山見かけました。
実は滞在したヴィラの庭にもありまして、たまたま落ちてきたので、
おやつとして振舞って下さいました(笑)
味は結構「癖」があるので好き嫌いは別れるかと思いますが、慣れると甘くて美味しいです。
私は好きだったので一人で全部食べてしまいました。
写真じゃ分かりづらいですが、ジャックフルーツの実はかなり巨大ですよ!
コーヒーの実
これはまだ若い状態で、熟れると赤く変化します。
熟れて真っ赤な状態になった実のことを、
その見た目から「コーヒーチェリー」と呼んだりするのだそうです。
バリ島で採れるコーヒーは主に「ロブスタ種」と「アラビカ種」の2種類とのことですが、
病気に強いとされるロブスタ種の生産量の方がはるかに多いらしいです。
まるでジャングルのような農園
ターメリック
カカオの実
こちらもまだ若い状態ですね。熟れると黄色になるそうです。
Bongkot(ボンコ)と呼ばれる植物
トムヤムスープ等の材料として使われる植物だそうです。
レモングラスとジンジャーを合わせたような香りがするとのこと。
Bongkot(ボンコ)
匂いを嗅がせてもらうと、レモングラスどころかトムヤムスープそのものの香りがして、
皆で爆笑してしまいました(笑)
Salak(サラック)
表面はざらざらと蛇の皮みたいな触り心地だということで、
Snake Skin Fruit(スネイクスキンフルーツ)とも呼ばれているそうです。
「リンゴ」と「パイナップル」を合わせたような味だそうですが、
水分は少なくドライなフルーツとのこと。
そういえば、ヴィラに置いてあったフルーツバスケットの中に入っていたかも!
あ~、食べ損ねました~!(涙)
Terong belanda(テロン・ブランダ)
直訳すると「オランダのナス」だそうです。英語名だとTamarillo(タマリロ)。
熟れるとトマトのように赤くなります。酸味のあるフルーツらしいです。
御馴染みのバナナ
日本で売られているバナナは全て黄色いですが、
バリ島には緑色のまま食べるバナナがあるのだそうですよ!
Pundanus(パンダナス)の葉
こちらの植物、なんとバニラの香りがするハーブです。
『東洋のバニラ』とも呼ばれているそう。
話の種になるなと思い、お土産として購入しちゃいました!

ルワックコーヒー&ジャコウネコの保護柵

プランテーションの中を進む途中で、ケージを発見しました。ガイドさんに伺うと、そのケージは傷ついたり弱ったりしているジャコウネコを保護するための柵なのだそうです。私たちが訪問した時は、現在保護されているジャコウネコはいないとのことで柵の中は空っぽでしたが、ガイドさんが色々と説明をして下さいました。

と、その前に。まずは Luwak Coffee(ルワック・コーヒー)と Luwak(
ジャコウネコの意)について説明をしなければいけませんね。

簡単に言うと、ルワック・コーヒーとは、ルワック(ジャコウネコ)の糞から採取したコーヒー豆の事を言います。野生のジャコウネコは完熟したコーヒーの実を餌として食べる習性があるそうですが(しかも最高の実しか食べないらしい)、実の中の種子(コーヒー豆)までは消化されないため、そのまま糞として排出されます。その糞を採取し、よく洗浄してから精製したものがルワック・コーヒーです。ジャコウネコの腸内で発酵されるため、独特の風味を持っているそうですよ。

そして、先ほどのケージについてなのですが、こちらのプランテーションでは、傷ついたり弱ったりした野生のジャコウネコを保護し、野生に戻れるくらいに復活したら、また自然界に戻すということをしているそうです。これが本当なのであれば、とても好ましいことです。

中には、ジャコウネコを柵の中で飼育してルワック・コーヒーを作っているところもあるようですが、動物福祉の視点から見ると、それは好ましい方法ではないですよね。また、野生でのびのびと生活しているジャコウネコはストレスが少ないですし、完熟した良い実を選んで食す習慣がありますから、その分、コーヒーの味も良くなります。

地道にジャコウネコの糞を探すのは大変な手間ですし、採取量にも限界があるでしょうから、希少価値はとても高いコーヒーです。それ故、値段も非常にお高いです。逆に、安いルワック・コーヒーにはそれなりの理由があるかと思いますので、注意が必要かもしれません。

個人的に、そこまでルワック・コーヒーを試したい気持ちが無かったので、当日試飲はしませんでしたが、そのコーヒーが生まれた歴史的背景には興味が湧きましたね。後日検索してみたら、やはり戦争や強制栽培制度などに関係しているようですが、書くと長くなるので、ここでは割愛します。検索すると直ぐに出てきますので、気になる方は調べてみて下さい。

ジャコウネコを保護するケージ
私たちが訪れた際は、保護が必要なジャコウネコはおらず、ケージ内は空っぽでした。
ジャコウネコの糞とともに採れたコーヒー豆
個人的には、採取が一番骨の折れる作業のような気がします。
コーヒー豆
真ん中にあるのは、洗浄された後のルアックのコーヒー豆。
右端にあるのは、木から直接収穫した通常のコーヒー豆だそうです。

コーヒー&ティー・テイスティング

プランテーションの見学が終わると、とても景色の良い屋外カフェのような場所へと通されました。ここでは、コーヒーとティーのテイスティングをさせてもらえます。私たちのテーブルでは、若いスタッフさんが13種類のコーヒーやティーを準備して待ってくれていました。

これらの味比べはとても楽しかったです。担当してくれたスタッフさんはまだ10代とのことでしたが、英語が堪能で、少しはにかみながらもお話が上手。それぞれの特徴をしっかりと説明して下さいました。また、彼女自身のバックグラウンドや将来の夢など私的な話も聞けて、とても有意義な時間を過ごさせてもらいました。

テイスティングですが、個人的に好きだなと思ったのは Avocado Coffee(アボカド・コーヒー)ですね。口当たりが滑らかで適度に甘かったです。Coconut Coffee(ココナッツ・コーヒー)も似たようなテクスチャーでしたが、ほんの少しだけ、アボカドの方がバランスが良く飲みやすかったように感じました。面白かったのは Pundanus Tea(パンダナス・ティー)です。先ほどお見せした『東洋のバニラ』と呼ばれているパンダナスという植物から作ったティーですね。本当にバニラの香りが強くて驚きました。あとは、Bali Cocoa(バリ・ココア)がめちゃくちゃ濃くて衝撃的でした!

テイスティングの準備をしてくれるスタッフさん
テイスティングボード(?)
それぞれ名前の横にグラスを置いて下さるので、分かりやすくて良いですよね!

ただ、上記画像で何となく想像できるかもしれませんが、基本的に甘いテイストのものが多い印象でしたね。バリ島は昔オランダの植民地で、良いコーヒーは全て輸出に回され、地元の人々は美味しいコーヒーを飲むことが出来なかったそうです。彼らの手元に残ったのは不良の美味しくない豆のみだったため、その味を少しでも良くするために時間をかけて焙煎し、砂糖を沢山入れて飲むのが習慣化されたと言われています。これはあくまで私の想像であって、こちらのプランテーションでそのように説明されたわけではないのですが、そういった歴史的背景に伴った習慣や価値観が、今でもこういった飲み方のアレンジに影響を与えているのかなと思ってしまいました。(←あくまで想像です)

さて、眺めの良い場所でのテイスティングは居心地が良く、何だか長居してしまいそうになりましたが、本来の目的であるサイクリングがまだ始まっていません!P氏に促されつつ、プランテーションを後にしました。

ウブドの絶景を眺めながらのテイスティング

ローカルの小学校訪問

再び車に乗り込み、走ること約10分。普通の道端に到着。「よし、ここからサイクリングが始まるんだな!」と気合を入れて降車したのも束の間。

ガイドさん:「ここはローカルの小学校です。さあ、中に入りましょう!」
P氏と私: 「・・・えっ?!(サイクリングはどうした?っていうか、
      勝手に入っちゃって大丈夫なの~っ?!!!)」

なんと、小学校の中にどんどん入って行ってしまったのです。日本の感覚からすると、「勝手に小学校に入るなんて、不審者に思われたらどうするの~?」としか思えないわけですが、実はこれもれっきとした訪問先の一部でした(私達がツアーの中身をちゃんと確認せずに申し込んだだけ)。

最後にもらったツアーのパンフレット
学校訪問とちゃんと書いてあります(笑)
内容を確認しなかった私も私ですが、予約したP氏も知らなかったってどういうこと?
予想外の展開でしたが、現地の子供たちとの触れ合いはとっても素敵な体験でした!
地域貢献出来たような気持ちにもなり、私にとってはツアーのハイライトの一つでしたね!

ガイドさんによると、主に二つの理由で小学校訪問をツアーの中に組み込んでいるそうです。一つ目の理由は、”旅行者に”、バリ島で暮らす人々の「実際の生活」を見せることで、現地の習慣や文化を知ってもらいたいから。もう一つの理由は、”バリ島の子供達に”、英語などの外国語に触れる機会を持ってもらいたいから。そして、早くから様々な文化圏の人々と触れ合うことで、特定の価値観だけに固執せず、より広い範囲での社会性を育んでもらいたいから、だそうです。

私達が校門に足を踏み入れると、外で遊んでいた1年生軍団が早速「ハロー!」と言って駆け寄ってきました。そして、ハイ・ファイブ(ハイタッチの意)の嵐に(笑) 最初こそ恥ずかしがる子もいましたが、根はとてもフレンドリー。どの子もとにかく素朴で可愛いんです!簡単な英語で話しかけると、我先にと返答してくれました。また、廊下ですれ違った男の子(恐らく5~6年生くらい)は遠慮がちでしたが、どうやらアニメが好きなんだそうで、日本語で挨拶してくれましたよ。

こういった所謂『国際交流/異文化交流』を、余計な偏見を持たない若いうちからさせてあげたいという気持ちがあり、地域と協力してツアーを運営していらっしゃるそうです。この意図には強く共感したので、私も沢山話しかけさせてもらいました。それと同時に、彼らの明るい笑顔からは、沢山の元気を分けてもらいました!

教室に吊るされていた可愛いボード
一番上のカードには、「時間通りに到着しましょう」と書いているらしいです。
他にもルールが書かれたボードがつるされていましたよ。
どこの国の学校も一緒ですね!
学校の廊下

教室の見学を終え帰ろうとすると、また子供たちが元気に近寄ってきました。P氏が記念写真を撮っても良いかとガイドさんに確認すると、「是非!」とのことだったので、数名の生徒たちと写真を撮ることに。すると、遠くで見ていた子達も写真に写りこもうと、猛ダッシュで駆けてきたのには笑ってしまいましたね(笑) とっても素敵な記念写真が撮れたので、本当はお見せしたいのですが、やはりネット上では控えさせていただきますね。

さて、元気な子供達に見送られ学校を出ると、外にはクロスバイクが3台用意されていました。そう!やっとサイクリングの旅が始まります!

と、この時点で記事が結構長くなってしまったので、一旦区切りたいと思います。続きは次の回で紹介しますね!

ツアーで使った私の愛車!

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