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妄想話

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【妄想話】太郎・14話

【妄想話】太郎・14話



「太郎・第14話」

「2つって…。お願い事って普通は1つじゃないのか?欲張りなおばあさんだの。」
「お前さんが言うな!お願いを聞かないならカレー作らんぞ。」
「わかった。わかった。願い事を2つ言ってみろ。」
赤鬼はその場に座り込みました。
「1つ目は…お前たち、もう悪さはするのはやめんしゃい。」
「それはできぬ。」
赤鬼は目を閉じて首を横にふりました。
「じゃ、バーモントカレーを作るのやめじ

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【妄想話】太郎・13話

【妄想話】太郎・13話



「太郎・第13話」

赤鬼から受け取った食べ物をおばあさんはシゲシゲと見つめます。
「これは吉田さん家の干物じゃの。」
そしてひとくち食べました。
「どれどれ。…。うわぁ。塩辛い!ペッペッ。
あんたら、よくこんな不味いモノ食べれるな。」
「そ、そうか。」
赤鬼は振り帰り、他の食べ物をおばあさんに渡します。
「このリンゴでも食べておけ。うまいぞー。」
おばあさんはリンゴを受け取ります。
「これは

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【妄想話】太郎・12話

【妄想話】太郎・12話



「太郎・第12話」

いっぽう、鬼ヶ島では鬼たちが村人から奪った宝物を眺めて、これも村人から奪った食べ物で飲み食いしてました。
「ガハハ。お前たち好きなだけ食べて呑んでくれよ。無くなったらまた村から取ればいいしの…
んっ?その金のネックレスよく見えん。ポテリッチみたいに立たせてくれ。」
「アニキ、それは無理ですぜ。」
「じゃ、貸せ。つけるから。…どうだ?」
「アニキ似合います!世界一似合ってま

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【妄想話】太郎・11話

【妄想話】太郎・11話



「太郎・第11話」

「大丈夫。大丈夫。おばあちゃんなら行けるって!…知らんけど。」
「龍太郎、適当に言ってるじゃろ。」
「大丈夫やって。なっ。なっ?そうや!」
「なんじゃ?」
龍太郎はポケットから10万円を取り出し、指を一度舐めてからお札を数えた。
「1…2…3…4…5。おばあちゃん5万あげるから、代わりに行ってきて。なっ。」
龍太郎はおばあさんの手を握った。
その手には5万円が入っている。

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【妄想話】太郎・10話

【妄想話】太郎・10話



太郎・第10話」

「おばあちゃんドコ行ってたん?」
「ドコって。龍太郎の服を買いにじゃ。そこのしまむらで。ついでにスーパーでお菓子も買ってきたんじゃ。」
「なに?」
「麩菓子。」
「いらん。…てか麩菓子好きやの。」
「じゃ、これはおじいさんにあげようかのぉ。
他のお菓子も買ったぞ。」
「なに?チョコレートか?」
「チョコレート止めてクッキーにした。森永のマリー。期間限定のミルクココア味じゃ。

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【妄想話】太郎・8話

【妄想話】太郎・8話



「太郎・第8話」

「鬼退治に行くねんで。じいさん、500円はないって。」
「じゃ、いくら欲しいんじゃ?」
「そうやな…」
龍太郎は天井を見上げた。
少し考え、両手の手の平をおじいさんに向けた。
「10万。」
「じゅ、じゅ、10万円!」
おじいさんは柿の種を食べて思ったより辛いなぁという苦渋の顔をした。
「嫌やったらいいねんで。家に帰るし。」
「わ、わかったわい。コンビニのATMに行ってくるか

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