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【妄想話】太郎・14話

「太郎・第14話」

「2つって…。お願い事って普通は1つじゃないのか?欲張りなおばあさんだの。」
「お前さんが言うな!お願いを聞かないならカレー作らんぞ。」
「わかった。わかった。願い事を2つ言ってみろ。」
赤鬼はその場に座り込みました。
「1つ目は…お前たち、もう悪さはするのはやめんしゃい。」
「それはできぬ。」
赤鬼は目を閉じて首を横にふりました。
「じゃ、バーモントカレーを作るのやめじゃ。」
おばあさんは振り向き帰ろうとします。
それを見て赤鬼は立ち上がりました。
「わ、わかった。もう悪さはせん。」
「じゃ、今すぐ家に帰れ。親が心配しておるぞ。」
「…。ではワシを除いた4人は帰らそう。ワシはカレー食べたいしのぉ。…よし。お前ら。今日は帰れ。」
「いいのですか?兄貴?」
青鬼は心配そうに尋ねます。
そこにおばあさんが割って入ってきます。
「よし、あんたら手ぶらで帰らすのはアレやから、1万円ずつやろう。これでシャトレーゼでケーキでも買いんしゃい。」
おばあさんは鬼たちに1万円ずつ配ります。
「貰えるものは貰って帰れ。ケーキ買ってな。」
鬼たちは1万円札を持ち、帰っていきます。
鬼たちを見届け、赤鬼はおばあさんに目を合わせます。
「もう1つの願い事はなんだ?」
「2つ目は…カレー作るからイオンに行って、バーモントカレー買ってきんしゃい。買うのは…」
「…買うのはなんだ?」
おばあさんと鬼の距離が近くなっていきます。
2人の間にはこれぐらいしか空いてません。
「中辛だぞ。緑色の箱じゃ。カレーはバーモントカレーの中辛が鉄板じゃ。緑色でも間違ってジャワカレー買いなさんなよ。ちょっと辛いからのぉ。」
「バーモントカレーの中辛やな。」
「赤色でもなく青色でもなく緑色の中辛じゃ。」
「だからバーモントカレーの中辛やろ!」
「あと、箱の裏にカレーの材料書いてあるから、それも買ってきてくれ。」


つづく

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