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妄想話

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2021年6月の記事一覧

【妄想話】太郎・6話

【妄想話】太郎・6話

「太郎・第6話」

「ハックション。なんか着るもんない?」
「そうじゃ。龍太郎はスッポンポンじゃったのぉ。ばあさんや。ワシの服貸してやれ。」
「うるさい!自分で取ってこい。」
「はいっ。」
おじいさんはタンスから部屋着を取り、それを龍太郎に渡す。
「これは?」
龍太郎は着てみた。
「それか。それはワシのユニクロのフリースじゃ。もう何年も着ているからペラペラじゃがのぉ。」
「これ大きすぎ。しかも人の

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【妄想話】太郎・5話

【妄想話】太郎・5話



「太郎・第5話」

「えーと。どこまで話した?」
「川でケンちゃんと遊んでたら、大きな桃がドンブラコドンブラコと流れてきたんじゃろ?」
「そうだそうだ。で、その桃を川から取ってん。」
「それで、それで。」
おじいさんは身を乗り出し話を聞いた。
「で、大きな桃を川へまた思いっきり投げ込んでん。」
「なんでじゃ。」
「冗談やろ。冗談。その前にお腹空いたわ。」
「ばあさんや。そこの棚にポテチあったじ

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【妄想話】太郎・4話

【妄想話】太郎・4話



「太郎・第4話」

「いつまでグダグダ話してるねん!桃の汁で痒くなるわ!」
大きな桃から大きな男の子が裸で出てきました。
おじいさんとおばあさんは床にしゃがみこみながら、男の子をマジマジ見ます。
裸の男の子をマジマジ見ます。
特におばあさんはマジマジ見ました。
絵本かなにかで見たときには、桃の中には小さい男の子が入ってるのが一般的ですが、けっこう大きい男の子が出てきました。
おじいさんはその男

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【妄想話】太郎・3話

【妄想話】太郎・3話



「太郎・第3話」

なんやかんやで、おじいさんとおばあさんは大きな桃をテーブルに乗せました。
おばあさんは包丁を握りしめています。
その包丁をおじいさんに向けています。
「じいさんや。死んでおくれ。」
「えっ?」
「存在が邪魔なんじゃ。」
「えっ?」
「冗談じゃ。冗談。」
「その割には顔が真剣だったぞ。」
「桃食べるじゃろ。今剥いてやるからな。」
「ちょっと待て。」
おばあさんは桃の皮を剥こう

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【妄想話】太郎・2話

【妄想話】太郎・2話



「太郎・第2話」

大きな桃を家に持って帰ってきてました。
「じいさん。この桃をテーブルに乗せよう。
一緒に持ち上げくれ。」
「わかった。わかった。」
おじいさんとおばあさんは大きな桃をリアカーから持ち上げてテーブルに置こうとしています。
「じゃ、いくぞ。」
「ばあさん。いつでもいいぞ。」
「せ〜の!…っと言ったら持ち上げてくれ。」
「ちょ。1人でずっと持ち上げてたぞ。ギックリになるわ。」

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