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ふらり、神戸

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神戸を旅した記録。 子供の頃からなぜか神戸という街に惹かれていました。初めて訪れたのは20歳の頃だったと思います。いつもの風景なのに、新しい感動がある。不思議な街です。 旅行記で…
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2024年1月の記事一覧

鎮魂の灯火

鎮魂の灯火

所用があり、姫路へ行った。
そのまま姫路市内に泊まってもよかったんだけれど、姫路城を見たらあとは特に興味のあるものはなし(失礼)、しばらく訪れていなかった神戸に宿泊することにした。その「所用」に合わせただけで、全くの偶然だったのだけれど、初めてルミナリエなるものを見物することができた。例年12月だったものが、今回から阪神大震災が起こった1月に変更になったのだそう。しかもコロナで開催が見送られ、実に

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神戸のセレブなサンドイッチ

神戸のセレブなサンドイッチ

トアロード・デリカテッセン。
ハルキストの皆様は当然ご存知だろう。
神戸にある老舗。ハムやソーセージを販売し喫茶店も併設している。

小説「ダンス・ダンス・ダンス」。
主人公がお昼の準備をしようとしている時、かかってきた電話の相手に、これから作るサンドイッチの話をする。
そこに出てくるのが「神戸のデリカテッセン」。
微妙に名前が違うけれど、トアロード・デリカテッセンのことで間違いないよう。

店名

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老祥記と老祥紀

老祥記と老祥紀

神戸・南京町の大行列といえば、豚饅頭の「老祥記」。
食べてみたいけれど、毎回長い列を見て諦める。
私は並ぶのが嫌いだ(好きな人はいないと思うけど)。
旅先となれば尚更。たかだか饅頭のために、ただでさえ短い休暇時間を使いたくない。

さて、家で待っている亭主への土産は何にしようかな。考えながら、元町商店街をふらふらしていると、ひときわ鮮やかな赤い暖簾が目に止まった。
看板には「元祖豚饅頭 老祥記」

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そして、神戸。その先

そして、神戸。その先

🎶 神戸~
泣いてどうなるのかぁ~
(ワワワワー)🎶

前川清さんの、水底のように深く低い声でお馴染みの歌。
あ、昭和世代にしかわからないか。

ともあれ。

「こうべ」って、どんなところだろう。

昭和ロマン満ち溢れるこの歌に、幼い心をときめかせ、神戸は、私にとって「大人になったら絶対行きたい場所」となった。

そして、二十歳になった私。
失った恋と、うまくいかない新しい恋の狭間でもがき、人

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マリーナで朝食を

マリーナで朝食を

真っ赤なワンピースに身を包んだおばあちゃんが、笑顔でお客さんを見送っている。そんな場面にちょうど出くわした私。
「入れますか?」
「もちろん。どうぞ」
神戸で迎えた最初の朝は、喫茶 マリーナで一呼吸。
店名は港町神戸の何らかの由来だろうか。
腰の曲がったおばあちゃん。その背中に、秘められたロマンスがありそうな。

テーブル3つとカウンターだけの小さなお店。
サラダとバタートーストとゆで卵。コーヒー

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