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"キレる子ども"というレッテル

一昔前から、『キレる子ども』という言葉を聞くようになりました。「最近の子供はすぐキレる」とか、「甘やかされて育って我慢を知らない」といったセリフです。
はじめは、そうなのかもなと思っていたのですが、今は疑っています。懐疑的になったのは、『モンスターハンター』をしてからです。

『モンスターハンター』がとても流行っていた頃、そんなに面白いのかと、やってみました。スーパーファミコンで育った自分からすると、非常に面倒くさいゲームです。2番目に出てくる猪みたいなモンスターに、立ち上がっては突撃され、立ち上がっては突撃され。全く倒せず。武器を強化しようにも、なかなかお金がたまらず。イライラが限界を超え、数日後に売ってしまいました。

そこで、ふと、こんなに忍耐を強いるゲームを子どもたちはやっているのかと感心しました。「キレる」とか、「我慢を知らない」という言われ方に違和感を覚えたのは、その時です。自分の方がよっぽど忍耐力がないのではないかとさえ思えます。

もちろん、すぐキレると言われる子どもには、もともと、衝動性が高い子どももいます。しかし、そんな子も、外から理解されづらいだけで、意味もなく突然カッとなることはないです。本人の中では、そうならざるを得ない理由があるのです。

それが理解できると、本人も落ち着きやすいし、周囲も安心して関われます。しかし、「キレる子ども」というレッテルを貼ってしまうと、心理的な距離ができます。理解しようとする姿勢が薄れるのです。結果、かえって対応がかけ離れていくこともあります。

怒りを向けられると、嫌な気分になります。レッテルを貼り、心理的距離を取りたくなるのも自然です。しかし、理解しようとする姿勢を示すと、お互い楽になるので、オススメです。抵抗があるという方は、ぜひモンスターハンターをやるところから始めてみてください。


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