何をやっても無駄、、、学習性無力感①
仕事や勉強に対して、どうしてもやる気が出ない、意欲がわかない、やろうとすると体が重い、ということはありませんか?
原因は色々考えられますが、もしかすると学習性無力感に陥っている可能性があります。
学習性無力感とは
学習性無力感は、平たく言うと「何をやっても無駄だと感じ、無気力になった状態」です。本当は、工夫したら状況を変えられる場合でも、これまでに上手くいかないことを学んだため、意欲をなくして行動しなくなります。
成り立ち
これは、1967年に心理学者のマーティン・セリグマンが提唱した理論です。ちなみにセリグマンは、ポジティブ心理学を作った人です。
今だと倫理的な問題がありそうですが、犬に微弱な電気ショックを与える実験から明らかにされました。まず、犬たちを3つのグループに分けました。
試行錯誤すれば電気ショックを止められるグループ
何をしても絶対に電気ショックが止まらないグループ
何もしないグループ
自分の工夫で状況を変えられることを学習させた犬と、どうしても変えられないことを学習させた犬を作ったということです。
その後、簡単に乗り越えられる低い仕切りを用意して、再度電気ショックを与えます。すると、1のグループにいた犬はすぐ逃げるのに対し、2のグループにいた犬はあきらめて座り込んでしまいました。3の何も学習させていない犬でさえ簡単に逃げてしまう状況でも、動こうとしなくなったのです。
何をやっても無駄の学習
つまり、あきらめて座り込んだ犬は「何をやっても無駄」と学習したのです。これが「学習性無力感」です。
もちろん、これは犬に限った話ではなく、人間にも同じことが起こります。どんなに勉強しても成績が上がらない。どんなに工夫しても仕事で成果を上げられず、否定・叱責され続ける状況になると、問題解決への意欲を失います。
受け取り方も影響
これは分かりやすい例ですが、他人から見て上手くやれている場合でも、学習性無力感に陥る場合もあります。本人が自分に求める水準が高く、それに引き換え今の状態は全くダメと思い続ければ、やはり学習性無力感の原因になり得ます。
学習性無力感は、うつ病の原因の一つとも言われています。場合によっては、意欲を失うだけでなく、うつ状態となってしまうのです。
次回以降、学習性無力感に陥らないための工夫、学習性無力感から抜け出す方法について書いていこうと思います。