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医療事務・病院事務職にキャリア形成支援が必要な3つの理由と対策

 現役病院事務長とフリーランスでキャリア形成支援を行なっている鶴喰(つるばみ)です。

今回は医療事務・病院事務職にキャリア形成支援が必要な理由とその対応策を簡単に書きたいと思います。




【キャリアとは】

まず初めにキャリアの意味から触れたいと思います。
多くの人は「キャリア」=「仕事」のイメージではないでしょうか。
まさにその通りですが、それは狭義のキャリアを意味しています。
より広い広義の意味での「キャリア」とは「その人自身の人生そのもの」のことを表します。
 つまり「仕事」「家庭」「地域・コミュニティー」「趣味」等の人生におけるあらゆるイベントや人間関係等の役割を総称したものをキャリアと考えます。
今回は後者の「広義のキャリア」(下記イメージ図参照)について触れていきたいと思います。

(※狭義と広義のキャリアイメージ)

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【医療事務・病院事務職になぜキャリア形成が必要なのか】

 ここから述べるキャリアについては前述した狭義の意味でのキャリア形成ではありません。
例えば
「医事部を経験した後に経営企画部へ異動し、将来は事務部長になる」というような仕事のみに焦点を当てたキャリア形成ではないということです。


キャリア形成支援が必要な理由①

 ではなぜ医療事務や病院事務に広義のキャリア形成支援が必要なのか。

まず一つめです。
医療事務や病院事務職の職員は女性が非常に多いです。
特に医療事務(医事課)となると職種のイメージなどの影響もあり、
ほぼ大多数が女性職員です。
ちなみに以前の私の勤め先は医事部職員約30名ほどの中で私1人だけ男性でした…
女性職員が多いということは男性よりもライフイベントの影響を受ける可能性が高くなります
結婚・出産・子育て・介護等様々ありますが、特に出産や子育ては女性の人生においてとても大きなイベントなのではないでしょうか。
以前に比べて女性の社会への推進が進んではきているものの、
未だに子育ての多くは女性が主体的に行なっているのが現状だと思います。
 そしてライフイベントが多いという事は、休職をしたりまたは退職をする可能性も増えます。結婚を機に退職をしたり、子育てや介護において休職をするなど、組織においても人材の新たな確保や調整が発生しますが、職員本人のキャリアも中断を余儀なくされます。
 また医療事務は職種の性質上、レセプト請求業務など比較的残業の多い職種とも言えます。
その中で仕事や家庭・子育てを両立する為には職場環境の整備も勿論大切ですが、自身の将来のキャリアプランの設計が特に重要とも言えます。

 多くのライフイベントを予測する事は容易ではありません。
しかしプランを先に考えておく事で人生の軸が定まり影響を最小限に抑えることにも繋がります。これは女性のみではなく男性も同様です。
 以上の理由から医療事務や病院事務職は仕事のみのキャリアを考えるのではなく、仕事・家庭・子育て等を含めた”人生トータルのキャリアプラン”を考えるキャリア形成が大切だと思います。

 キャリア理論を学んだ中でサニーハンセンという有名な理論家がいます。
まさにこの理論が現代の医療事務に必要だと感じています。(以下参照)
人生には4つの役割があると述べられています。
その役割とは4つの頭文字を取って【4L】と呼ばれています。
仕事以外の役割に対しても広く視野に入れつつ人生をトータルで考えることを提唱しています。
その4つの役割を結びつけたものを「キルト」として表現されています。

【4L】
「仕事~Labor」「愛~Love」
「学習~Learning」「余暇~Leisure」

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キャリア形成支援が必要な理由②

次に2つめです。
私自身、今まで約50名以上の部下やクライアントと関わらせて頂きました。
多くの人材との関わりによる経験や外部の医療事務職等のクライアントへのキャリア形成支援を行う中で特に感じたことは、

「仕事に充実感を感じていない人は仕事以外のプライベートもイキイキしていない」

人が多いということです。
(※勿論全ての人が該当するわけではありません)


1日の多くの時間を占める仕事において充実感を得ていなければやりがいのない退屈な日々を繰り返す事にもなりかねません。

 また、最近ではキャリア形成の一貫として目標管理制度や1on1面談等を導入している医療機関も見受けられますが、未だにクリニックや中小規模の医療機関では中々そこまでを網羅できていないのではないでしょうか。
クリニックや中小規模の医療機関は人材が少人数な分、職員間の距離も近く「お互いの事を十分理解している」という錯覚にも陥りやすいとも言えます。
 これは私の自論ですが「人を完全に理解することはできない」と思っています。家族であれ、親友であれ、親しみがあり信頼関係が築けている仲間だとしても”完全な理解”は難しいと思います。
近い存在である事はとても良いことですが、近すぎるが故に盲点となり見えなくなる部分も生まれてしまうことも事実です。 
 よって仕事に充実感を感じているだろうと思える身近な職員も意外と様々な葛藤に悩んでいることも考えられます。
そのような事も含めて内部ではなく、定期的に外部のキャリア支援者にキャリア形成支援等を依頼し定期的な自己の振り返りや仕事の振り返りも大切だと思います。

 今以上に日々を充実させる為にもまずは仕事における自身のキャリアを棚卸しする時間を設け、今後のキャリアプランを明確に立てる事がとても大切と言えます。

キャリア形成支援が必要な理由③

次に3つめです。
キャリア形成支援が必要な理由②を述べた後なので少し矛盾しますが、
人生は仕事だけでなくトータルに満足がいかなければ幸福感を感じにくいという事です。

 例えば、家庭をあまり顧みずに仕事に熱意を持って取り組んできた人材がいたとします。
仕事では管理職になり、給与も上がり一定の地位を得ることができ満足かもしれません。しかし家庭を顧みずにいた結果、妻や夫、子供との距離ができてしまい家庭では孤独感を抱いていると人生をトータルで見た場合に心の底から幸せとは言えない可能性もあります。
また、そのような家庭環境から仕事にも影響が出ることも考えられます。

その他にも
・プライベートで彼氏とケンカをしてしまった
・自身の健康面に問題が発生した
・親の介護をしなければならない等
これらは全て仕事に少なくとも影響を与えます。
上記はあくまで一部ですがこのような職員を多く目の当たりにしてきました。

だからこそ
キャリアを考える上では「仕事」のみに焦点を当てるのではなく、
「人生=トータル」で考えプランニングすることがとても大切
になります。


【キャリアを考える為の一つの対策(方法)】

 では、キャリアを「人生=トータル」で考えるにはどのようにしたら良いのでしょうか。

まずは人生におけるそれぞれの領域で自身が望むもの(今後どのようになりたいか)を設定することが大切です。
例えば以下8つの領域。

・仕事  ・人間関係  ・家族  
・趣味  ・社会貢献  ・知性、学び  
・健康  ・お金


 それぞれの領域で複数の自身が望むもの(目標や在りたい姿等)を設定し、人生をトータルでバランスよく考えるようにします。
そして心の底から「~したい」と思えることを設定する事が重要です。

例えば3年後の未来を想像し、その時の自分自身はどのようになりたいか在りたい姿を上記8つの領域で設定します。

(例〜3年後の未来〜)
○仕事
人材育成に注力し、社内環境整備と職員満足度向上の上昇に邁進

○人間関係
思いやりに溢れた人材と共に関係性を築く

○家族
互いに好きなことに向かい応援しあえる関係

○趣味
全国の温泉や神社めぐり

○社会貢献
後世の為に学校教育に力を入れる

○知性、学び
人事制度や法律、組織マネジメントに関する知見を得る

○健康
週2回筋トレを行い体力をつける

○お金
年収1000万円を達成する

特に制限はなく、全ての領域を埋めることができなくても構いません。
可能であれば自らが望むものを各領域ごとに”複数”設定すると良いと思います。
そして、各領域の自身が望むものを設定した後に各領域全てを”包括して包み込むような大きな目標”を設定することが大切です。
上記例で言うと、

「人との繋がりを大切にし、成長し合える社会にする」

などです。一言で表現するのなら「調和・共創」のようなイメージです。
 あくまで一つのキャリア設定方法ですが1人では中々考えが出ないのも事実です。そのような時に外部の支援者からのコーチングやキャリアコンサルティングが効果的になります。

【最後に】

 私自身、キャリア理論やコーチング等を学ぶ前までは明確に先を見据えてキャリアを歩んできたわけではありません。

目の前のことに向き合い、改善を繰り返し今があります。
勿論、それなりに努力もしてきたつもりです。

しかし、多くの人はどんなに素晴らしいキャリアを歩んできたとしても
過去を振り返った時に少なからず後悔の念を抱きます。

そしてその多くは”やりたいことができなかった。しなかった後悔”なのではないでしょうか。

過去は書き換えることはできませんが、未来は自分で作ることができます。

勿論、キャリアを計画せずに人生を歩むことも良いことだと思います。
しかし、自身が心の底から望むキャリアを一歩ずつ歩み、達成していくプロセスもまた楽しいのではないでしょうか。
RPGゲームの主人公のような気持ちで様々なイベントを乗り越えた暁には
レベルアップした自分や周りの環境の変化を味わうことができ「良い人生だった」と心の底から思える日が来るかもしれません。

 そしてそのような主人公を側で支え、一番の味方としてサポートするキャリア支援(キャリアコンサルティング・コーチング)を私はこれからも続けていきたいと思います。


「これから医療事務・病院事務職としてどのような未来を創り上げていきたいですか?」

「あなたは今、最高の人生を歩めていますか?」


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