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医療機関の人件費は「経費」かそれとも「投資」か


 医療機関は「労働集約型の業種」と言われている。
人の労働力による業務の割合が大きい業種ということである。

医師や看護師等の医療従事者をイメージすると分かりやすいのではないだろうか。
人から人へのサービスを行う為、人としての労働力が多いのは必然と言える。また、人と人とのサービスを行うという事はそれだけ人件費がかかるのも当然だ。
 一般的に医療機関の医業費用に対する対人件費率は約50%を超えている施設がほとんどのようだ。
それだけ人材にかかる費用(給与・賞与・委託費等)が多いということ。
 
 医療機関には施設基準として、特定の算定項目を満たす為に常勤医師の配置を〇〇人以上、看護師の配置を〇〇人以上等の職員数に対する制限が設けられている。
「施設基準を満たす」と言う意味では最低人数をクリアさえすれば良い。
しかしながら労働集約型の業種であり多くの人手を必要とする人としてのサービスを行う業種であれば、必ずしもその基準を満たす事のみが最適な選択とは言い難い。
確かに事務部門やメディカルスタッフ等も含めて人件費の無駄な部分があれば見直す必要性は多いにある。
また中小病院等であれば採用をするほどの資力がない医療機関もあるだろう。
しかし、現状の組織体制が人材育成や教育も全くなく若手の採用も定期的にできていない医療機関であれば先を見据えた対応は重要視すべきだと思う。

ここで必要な一つの視点は、

  人件費を「経費」と捉えるか、それとも、将来の「投資」と捉えるか

上記視点もなく「今さえ良ければよい」「自分さえ良ければ良い」と考えている組織は衰退の一途を辿る事は必然と言える。

 昨今、医療機関では明確なキャリアパス・ラダーを構築する医療機関も増えつつある。しかしまだまだ有効活用できていない医療機関の方が多いのではないだろうか。
勿論、院内のキャリア構築の体制を整備する事はとても望ましい。
しかし、どんなに整備されたキャリアパス・ラダーがあったとしても人材が入職して来なければ活用すらできないのも事実である。
個人的な意見だが、人材を受け入れた後の体制整備は勿論大事ではあるが採用活動に力を入れると共に「まずは若手人材を採用してみる」というスタンスも時には必要だと感じる。

これからの時代、
「少子高齢化」「副業の常態化」「ICTによるグローバル化」等の更なる後押しを受け、今まで以上に若手の採用や人材育成を推進しなければ手遅れになる事は間違いない。

 組織が育つには若手の力が欠かせない。
若い芽を摘むような組織では革新は起きず、生み出されるのは組織に対する将来への疑念と大切にされていないという不満である。
加えてそのような組織ではまともな人材が退職していき、更に院内に若手がいなくなるという悪循環を生み出す事となる。
医療機関は労働集約型の業種である以上、「人材」が重要な資産である事は言うまでもない。

  「若手人材への育成と投資が、未来への地域や患者への貢献に繋がる」


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