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僕の幸せは君を幸せにすることだから、
って言うと君は言ったんだ
じゃあもう幸せだね、って

英
3年前

素揚げしたお野菜のシャキシャキ具合に感動する春風の心地いい夜 いつもは飲まない度数の高いお酒を嗜みつつ 二十歳を実感 昨日振った君のことも 自分から言ったくせに い…

英
3年前

あなたに褒められたナチュラルなネイル
もう褒められることなんてないのに
また同じ色にしたの
ほんとは真っ赤なのが好きなんだよ

英
3年前

朝が好き

無色の街が少しずつ色めく
無人の静けさを保った街が少しずつ賑わう

バスに揺られ
最初から勝つつもりのない眠気につられ
うとうとするこの時間も
朝だから許せる

結局朝が好き、の話

英
3年前

コトバノキロク3

一足先に満開を迎えた河津桜は 今年もまた私に春の訪れを教える この一年のうちに起こったことを まるで全て周知しているかのように その佇まいは凛と、悠々とし 一瞬にし…

英
3年前

コトバノキロク2

迫り来る年の瀬に慌てふためき始める人々 まるでこの一年何かを強要され それができていなかった何者でもない自分を 12月という季節だけが 彼らをそのドラマの主人公にする…

英
3年前

コトバノキロク1

心のどこかで、まだ自分のことを好きなのではないかと思ってしまっている 相手のことを別れた後も気にかけてしまう時点で、 未練があるのは自分であるのに そのことには綺…

英
3年前

10年後今と同じ化粧をして
変わらない価値観を持っているより
誰よりも素敵な言葉に出会って
その言葉を他の誰かに伝えられる人になっていたい

英
3年前

頬を通り過ぎる風の冷たさに驚きつつ
聳えたつ木々に所々ある葉っぱは

選ばれたのか

置いてけぼりにされたのか

誰もが前者であることを望むこの世界で
篩にかけられることなく
目的を失った者たちの生き場は

一体どこにあるのだろうか

英
3年前

僕の幸せは君を幸せにすることだから、
って言うと君は言ったんだ
じゃあもう幸せだね、って

春

素揚げしたお野菜のシャキシャキ具合に感動する春風の心地いい夜
いつもは飲まない度数の高いお酒を嗜みつつ
二十歳を実感

昨日振った君のことも
自分から言ったくせに
いつもちょっとだけ後悔しちゃうことも

全部、このお酒のせい
全部、このシャキシャキのお野菜のせい

全部全部、春のせい

あなたに褒められたナチュラルなネイル
もう褒められることなんてないのに
また同じ色にしたの
ほんとは真っ赤なのが好きなんだよ

朝が好き

無色の街が少しずつ色めく
無人の静けさを保った街が少しずつ賑わう

バスに揺られ
最初から勝つつもりのない眠気につられ
うとうとするこの時間も
朝だから許せる

結局朝が好き、の話

コトバノキロク3

コトバノキロク3

一足先に満開を迎えた河津桜は
今年もまた私に春の訪れを教える
この一年のうちに起こったことを
まるで全て周知しているかのように
その佇まいは凛と、悠々とし

一瞬にして尽きるその短き生命を
淡々と、
そして私たち見るものの心に
色濃く焼きつく

来年もまた会おう、と伝えんとするように

コトバノキロク2

コトバノキロク2

迫り来る年の瀬に慌てふためき始める人々
まるでこの一年何かを強要され
それができていなかった何者でもない自分を
12月という季節だけが
彼らをそのドラマの主人公にする

私もまたその不特定多数の1人

今年も何もできなかった、と
捨て台詞を吐き
そうしているうちに一瞬にして
塵の如く消えてしまうこの季節

そして何事もなかったかのように
始まる新たな1年のドラマに溶け込み
抱負という名のこうなる予

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コトバノキロク1

コトバノキロク1

心のどこかで、まだ自分のことを好きなのではないかと思ってしまっている
相手のことを別れた後も気にかけてしまう時点で、
未練があるのは自分であるのに
そのことには綺麗に蓋をして
私を振ってきた男を後悔させる自分、を生きる
こうやって今もその自分のことを
何かの小説にでも書かれているような文章で表現する私は、自分という素敵な物語の中の主人公になれるおめでたい奴

10年後今と同じ化粧をして
変わらない価値観を持っているより
誰よりも素敵な言葉に出会って
その言葉を他の誰かに伝えられる人になっていたい

頬を通り過ぎる風の冷たさに驚きつつ
聳えたつ木々に所々ある葉っぱは

選ばれたのか

置いてけぼりにされたのか

誰もが前者であることを望むこの世界で
篩にかけられることなく
目的を失った者たちの生き場は

一体どこにあるのだろうか