『破局』について考察。
芥川龍之介賞受賞作品、遠野遙『破局』についての個人的な考察。
『破局』は作品の節々に、主人公が固定概念や社会常識に常に囚われた考え方の人間だということがよくわかるように綿密に書かれている。
そして、法を遵守するべき警察官の逮捕の報道が作品の中に何度も出てきて、主人公の行く末を暗示している。まるで、主人公と逮捕される警察官を重ねているように。主人公は公務員試験に向けて日々懸命に勉強して、自ら筋トレなどの体づくりのためのトレーニングを自分に課し、父からの言いつけを守りながら社