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自由律

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#自由律俳句

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●みんな一緒は絶対嫌 でもみんなで助かりたい 単純なことだ 望んで良いか?

●始めるのは億劫 終わらせるのは愉快

●呼吸が上手じゃない 夏休み 畳の匂い 泣き方すら奪われ

●恣意的 安いぞ僕ら 質の悪いアルコールのようだ

●目を背ける 寝言 どうしてここに来て、ふりかざす?

●繰り返される戦争 全然終わっていない だってどこかに必ず潜んでいる

●夏よ 安心して眠らせてくれ 雨の振り方だ

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嘘の光は吐瀉物に紛れるように

あの子が憎いと泣く6歳の私よ

手書きの文字が好き声滲むから

どこにいても精霊と遊べる子らよ

垣根を越える力があれば自由

叱られても塀の上を駆け抜けていく猫のように

一瞬透けてまた戻る春の宵闇

泣き出してしまうのは強いからと言い聞かすペンだこが痛む

何もわからなくてもいいのにと心から思う

咲いて最低 花弁凍らす さあ反撃の始まり

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すべて失くせたら楽なのにと空を

君の強さ 恥じれど本音 揺らぐことなく

おかえりと鳥よさえずる啓蟄の朝

生きている花さえあればなんとでも

泣き声を聞きたくないとテレビ壊す

ひりひりと痛む存在属さない

何故いつも誰かに許しを請いている?

青葉吹けどこまでも自由と笑い声

どんなに憎くても避けられないから深夜を舐める

自由律のそれ

自由律のそれ

死にたいと観念がのたまう春の宵

巧妙に果てぬ雲海覚えなく

かじかむ手まだ君のものにならない

嘘つきのカッターナイフ隠す教室

遠吠えに浸ってしまい朝憎む

西陽射す無機質な廊下に足すくむ