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読書感想ぶんぶん

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読書記録
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読書記録 月ぬ走いや、馬ぬ走い

尹雄大さんがTwitterで紹介していて興味を持った「月ぬ走いや、馬ぬ走い」を一気読みした。自分の傷は自分のものだけれどそれは一面に過ぎない。個人的な傷や痛み。それに加え、生きづらい社会の根本的な要因に過去の戦争があると思う。戦争は一世代でうまく消化することなどできない。暴力、トラウマ、断絶が何世代にも渡り(というか永続的に)続く。沖縄のことは簡単に語れないけれど戦争の傷は生々しく、いまだに現存し

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読書記録 山上徹也と日本の「失われた30年」

山上徹也と日本の「失われた30年」
五野井郁夫・池田香代子


ロスジェネではないけれどその後の就職難世代だった自分にとっては重く響いた。最終章で五野井さんが述べていることがすべてだと思う。「自己責任」という言葉にいつの間にか絡め取られている自分に気づく。今後、この事件がどのように報道されるかを注意深く見ていこうと思う。共感する人がたくさん出てしまうという理由で、隠蔽されることがないように。

読書記録「伴走者は落ち着けない」

「伴走者は落ち着けない」
インベカヲリ★

表紙がめちゃかわ。
私は「変わっている」とか「浮いている」と言われることがあったので「自分は普通じゃないのか」と焦り、普通に普通に目立たないで生きていこうと自分なりに努力したのだけれどやっぱり普通が無理というか、メジャー路線にはどう足掻いてもいけなくて、それがコンプレックスだった。認めたくなかったし今はもう諦めている。
同時に「でもみんなだってどうせ変だ

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読書記録「場末の文体論」

「場末の文体論」
小田嶋隆


飛び散らかしたように読んだ本の題名を忘れる。まあそれはいいんです。どうせ覚えられないし。この本はおそらく絶版。最初は図書館で借りた。「談志中坊に宿る」の最後で思わず涙腺がゆるみ(※小田嶋さんは読者を泣かせようとかそんなことは一切考えていないと思うが)いつか手に入れたいとタイトルをメモしていた。
小田嶋さんの文章は①リズム感があるので落語を聴いているみたい②飾らない

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