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#88 年賀状はやめるべき?続けるべき?

この番組では、様々な切り口から、これからの紙の価値を考えたり、紙にまつわる情報、たまに紙に全く関係ない情報を発信しています。
この番組は、清水紙工(株)の清水聡がお送りします。

デジタル化によって進んだ、紙の年賀状の廃止

もう2020年も年の瀬ですね。
皆さんも、年越しの準備で忙しい日々を送られていることと思います。
この年越しの準備の中でもひと際ウエイトが重いのが、そう、「年賀状」ですよね。
デザインを決めて、去年の年賀状を引っ張り出してきて、送らなくちゃいけない人をリストアップして、ハガキと筆ペン、何ならプリンターも買ってきて、印刷して、宛名書いて、投函!
・・・できることなら逃げ出したいですよね(笑)
でも、今は逃げ出せるんです!というか、皆さんの中でも紙の年賀状を書くのをやめたという方もいらっしゃるかと思います。
うちの会社にもこんな葉書が続々と届いております。
「近年のデジタル環境への移行、自然環境意識の高まりも鑑みつつ、年賀状を控えさせていただくことになりましたことをご案内申し上げます。」
そう、個人間の年賀状はとっくの昔に激減しておりますが、企業間の年賀状は、なかなかやめられない、そんな風習がありました。
それは、以前は、ビジネスにおいて「デジタル化」が、まだ今ほど進んでいなかったからです。メールかLINEで済ませるって、個人間は良いけど、企業間だとなんだか「マナーとしてどうなの?」みたいな謎の無言のプレッシャーがありましたよね(笑)
でも今はどうでしょう?
お客さんとLINEとかslackでやりとりをしたり、会議や打合せもオンラインで済ませたり、それが以前のような負のイメージじゃなくて、普通、もしくはプラスに捉えられたりしていますよね。
そうなんです。コロナで移動が制限されたことで、デジタル化が急激に進んだ。よって以前はためらわれていた年賀状の廃止も進んだ。
「風が吹けば桶屋が儲かる」じゃないけど、「コロナが来れば年賀状が廃止される」。そんな流れと言えます。

環境意識の高まりも背景に

理由はデジタル化だけじゃありません。冒頭で年賀状廃止の文面をご紹介しましたが、デジタル化に加えて、「環境意識の高まり」も大きな理由として挙げられています。
デジタル化と環境問題みたいな今の時代を先頭で走っている2台巨頭に攻め込まれたら、紙の年賀状の勝ち目はほぼゼロです。
「デジタル化&環境意識の高まりvs紙の年賀状」に、カタールW杯決勝の「アルゼンチンvsフランス」のような好ゲームは期待できるはずもありません(笑)
因みに補足しておくと、環境問題の背景としては、紙という資源を消費していること、それから、紙を輸送する際にCO2を排出していること、この2点が主に主張されているように感じます。

年賀状はやめるべき?続けるべき?

最後に、年賀状は今後やめた方が良いのか?それとも続けた方が良いのか?について、珍しく僕の意見を述べたいと思います。
この番組では、基本的に歴史・統計・ニュースなどの事実だけを述べて、僕の意見を言うことはあまりないようにしているつもりです。
それは、紙の未来を予測するのに、僕の個人的な意見が入ることは、完全なるノイズだからです。
お正月に入った高級料亭で流れる「恋人がサンタクロース / 松任谷由実」くらいにノイズです(笑)
「恋人がサンタクロース / 松任谷由実」をディスっているわけではありませんよ。
お正月に入った高級料亭ではノイズというだけで、クリスマスに聴きたい曲としてはNo.1ですからね!

はい、という訳で個人的な意見を述べさせていただくと、やめたい人はやめればいいと思うし、続けたい人は続ければいいと思っています。(中途半端!(笑))
良く議論されている、本を紙で読むかkindleで読むかの話とほぼ同じだと思っています。
デジタル化とか環境意識から年賀状を廃止する人がいてもいいし、やっぱり紙で想いを伝えたいと思う人がいてもいいと思います。
要するに、年の初めのご挨拶の文化の一つなので、それがどんな手段であってもいいという理由です。
一番いいのは、「直接顔を合わせて、挨拶する。」これです。これに勝るものは有りませんよね。
歴史をたどると、これを簡略化して普及してきたのが、「年賀状」です。
という訳で、次回は年賀状の歴史についてみていきたいと思います。

短期的視点でもなくて、二元論じゃなくて、ちゃんと歴史を知って、物事の本質を理解する。そうすると自分なりの答えが出てくるはずです。

という訳で、今回はこの辺で失礼いたします。
最後までご視聴いただき、ありがとうございました。

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「紙の価値を再定義する」をミッションに、現代の紙の価値を問い直す、RETHINK PAPER PROJECT!
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