見出し画像

全ての芸術家の方へ捧げる曲。POETRY ORGANISM 全詩(楽曲URL付き)

芸術に携わるすべての方々へ捧げるレクイエムであり讃美歌です。
およそ6分の途切れることのない怒涛の朗読と荘厳なオルガンメインのトラックを以て、凄絶な魂を描き切りました。

(歌詞は楽曲プレイヤーの下にあります)

youtube

spotify


POETRY ORGANISM

見よ、
我が魂は懐に、
烈日に撃たれ影を落とすのみ
掌に食い込む指を以て千切りとられた光源は
純白から黒に変貌する
抉り取るがいい
黒を 魂の黒を
烈日の白
魂の黒
そうして詩を描くのだ

魂の、詩を知っているか

暗礁に乗り上げた巨船が空を仰ぐように
針の穴に残された糸屑たちの悲しみを
そうあらざるを得なかった針の哀歌よ見届けるか

泡立つ雨に生白い喉を捧ぐ黒い花のように
針先の潜る皮膚の打ち震える喜びを
そうあらざるを得なかった心の唄よ知っているか

今際の際 伸ばした手を踏みにじられた時のように
何物にもぶつけられぬ行き場のない怒りを
そうあらざるを得なかった焼け尽きた芯のくすぶりよ聞こえるか

ついに分かり合えた時のように
日々から逸脱した壮絶なほどの嬉しさを
そうあらざるを得なかった生きているお前よ 忘れてはいないか

全ては詩に帰結する
そう、お前の腹を食い破ろうとする詩だ
臓物と血にまみれた美しさを纏う詩だ
お前が歌わないで誰が歌うのか
お前以外の誰が詩を現前させるのか
お前は歌わずにはいられない定め
お前は詩から逃れることはできない

お前を鳥籠に閉じ込めることもできる
歌わせるためだけに存在させることだってできる
お前の存在価値は詩だけにある
お前の文字通りの全てを詩に捧げる覚悟はあるか
お前とは魂
魂とは詩
全ては詩に帰結する
受け入れよ その生を
何度となく死に何度となく生きるその生を

よどみなき大海を進む船は空想であったか
大いに勇み帆を張って大海を進む船は
温かな雨に揺れる花は空想であったか
春の到来とともに歓喜しながら空を見上げる花は
最期に伸ばした手が 柔らかなもう一つの手にくるまれるのは幻か
あれほど待ち望んだ人が お前と手を取り合うのは

…歓喜とは生に備わる刹那の響き
我が魂に備わる甘き旋律
全ての表現を用いることのできる詩人になって
魂を筆に巨大な詩を描くのだ
そう、烈日の撃った影を見よ
その黒を奏でることは出来るか?
お前に、その黒を奏でることが出来るのか?

砂になるまで
何度も何度も人は死を繰り返す
それは繰り返される生を意味し
死の裏に生がある
生の中心に死が在る

死と生は我らのことを語らう
死と生は手をたたいて笑う
死と生は楽しげに伏した目を交わす
人は砂になるまで その哄笑と愛情をきく

見届けるか 脳髄を焦がしたものを
知っているか 心臓を刺し貫いたものを
聞こえるか 感情をかき乱したものを
忘れてはいないか 心を奪ったものを

全ては時と共に消えてしまうあらゆる命であるが
魂とは刹那にして不滅
魂とは詩
詩の描く刹那は不滅
詩を書け 

いつか
いつか
虫達が血管をねぐらとし
亡者となるまで
我が魂は震ええずく

ああ


私を救いかつ殺し続ける光
全身を包んでいる
あまりにも光はまばゆく…。
この光は何処から差しているの
私の目前? 背後?
未来? 過去?
いやどちらからもだ
私は全身を光に照らされ
ここに立っている
光はただそこにあるばかり
冷厳にまた温情に満ちて
あなたの愛しい横顔を私も掴みたい
共に笑いあえたであろう昼を
共に泣きあえたであろう夜を

だが我が本懐は其処にあらず

即ち影だ
影を穿て
光とは影のためにこそある
全身を以て太陽を穿て
地に足裏をつけ 臆することなく立っていろ
お前の両脚は決して折れぬ巨木
大樹の放つ影は絶唱
讃え続ける詩を
讃え続ける詩を
讃え続ける詩を

そして、光
光を撃て
全てを焦がす光を全身を以て
地に足裏をつけ 臆することなく立っていろ
その純白の酷薄さから目を逸らすな
受け止めよ、何よりも絶大な白を
全身を照らされて
お前の懐に 魂に!

詩だ
詩を書け!
全身全霊で詩を描くのだ
臆することなく 魂の全てを用いて
永遠に残る魂の爪痕を
永遠に抉ることを止めぬ爪痕を
永遠に飽くことを知らぬ魂を描き出せ
詩こそ我々の存在の証明
あらゆる宿命を詩の為とし
生きていくのだ

その爪痕を残せ
お前の持つ両手で
その爪痕は永久
消えることのない悠久の魂

その魂を見よ
お前の持つ両目で
お前の芯にあるその魂は
詩とともに永遠に生きる

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?