【地元の爺ちゃんと温泉】ひとりで屋久島に行ってきた。 その7
先日テレビで出川哲朗の充電させてもらえませんか見てたら、舞台が屋久島で。電気バイクで島を1周グルっと回るという企画なんだけど、それオレがやったのと同じじゃんというか、まあもちろん電気バイクじゃなく普通の軽自動車だったけど。
ということで、「ああ、ここ通ったなあ」とか「あ、この路地も知ってるぞ」とか、見てて懐かしくなったというか、どちらかというと「なんだよ、そんなの俺だって知ってるよ」っていう勝手な反抗心みたいなもんだけど、そろそろ続きを書こうかなあなんて。
前回は穴場の素敵レストラン「キヨコンネガイ」から迫力抜群「大川の滝」まで書きました。今日はその続きです。
⑩尾之間温泉
屋久島にはいろんな場所に温泉があるんだと、昨晩行ったスナック「ルージュ」で聞いていた。とはいえ全部は回れないので、どうしようかなと思っているところに、先日書いたキヨコンネガイの馬場さんが、「一番ローカルな感じを味わえるのは尾之間(おのあいだ)温泉かな。オススメです」と教えてくれたので、よしそこにしようと。
場所的にはこのあたり。
島のちょうど南、ちょい東側って感じ。
ご覧の通り大川の滝からは結構離れていて、だから実際には、「よし、このまままっすぐ尾之間温泉に行くぞ!」という感じではなく、その前に良さげな場所を見つけたら適当に寄ってみようと思ってた。
ただ、大川の滝を出てから一気に天候が崩れてきて、結構な雨になってたんだよね。「月に35日雨が降る」と言われる屋久島。急に天気が変わろうが別に驚くことではないし、個人的にも「雨の屋久島」のドライブは楽しかった。
これは縄文杉トレッキングのときにも書いたけど、雨に濡れた森は、青空の下で見るよりもずっと素敵に見える。緑の色が深くなって、滴る水滴がキラキラして、なんというか植物たちが妙に“色っぽく”見えるんだな。
一方で、雨風に晒されながらのドライブは、どうしても腰が重くなる。いや、実際に移動してくれるのは自動車なんで俺の腰の重さなんて関係ないんだけどさ、なんというか、「なんだろあそこ。ま、よくわかんないけど行ってみっか!」みたいな気持ちが萎んでしまうのだ。
島の真西に近い大川の滝から真南の尾之間温泉まで、ほとんどどこにも寄らずに移動してしまったのはそういうわけだ。
それでも、うまくできてるよね、尾之間温泉に近づく頃には雨は小ぶりになり、青空も出てきた。ナビに従って国道から内陸に入っていき、「ここ?」と驚くようなローカルな道を上っていくと……あった!
尾之間温泉、到着。
ちなみに尾之間で「おのあいだ」と読みます。尾之間温泉は、「おのあいだおんせん」ね。馬場さんの言う通り、ローカルなにおいがプンプンする。駐車場に車を停めて出てくるころには、雨も完全に上がった。いいね。
どうよこの雰囲気。たまんない。猫ちゃんもかわいい。
で、入ってきたんですが、お風呂もなかなかのインパクトでした。当然写真は撮れないので興味ある人は行ってみてほしいんですが、まず脱衣所があって、そこから数段の階段を降りると、右手が洗い場、そして左側に縦に長い長方形の浴槽。
で、これが熱いんだ。めっっちゃ熱い。一人だったんだけど「熱っ」って言っちゃったからね。その湯に肩までどっぷり浸かって目を閉じていた御大が、チラッと目を開けて、微かに笑った。「まだまだだな、このヒヨッコが」そう言われた気がして、くそう、見てろ、そう思ってエイヤ、と湯に浸かった。
熱い。熱い。熱い……んだけど、あれ? なんか気持ちがいい。じんわりと包まれるような感覚。普通、熱い湯ってもっとトゲトゲしているというか、肌をチクチク刺してくるようなイメージだったけど、ここの湯はなんか変だ。柔らかいというか、暴力的じゃないというか。
気づけば俺も肩まで湯に浸かったまま目を閉じていた。耳に入るのは、洗面器を床に置く音、シャワーの音、そして、地元民らしい爺ちゃんたちの話し声。
ああ、なるほどなあ。
今思えば何が「なるほど」なのかよくわからない。でも、その時の俺はそう感じた。なるほどなあ。最高だなあ。
……ということで、出まして。
オロナミンC飲んで、退散です。
⑪HONU
温泉を出た後、同じく馬場さんにオススメしてもらっていたアクセサリーショップ「HONU」に向かう。
旅も三日目。明日には千葉に戻らないといけないわけで、奥さんや娘に(空港で買ったようなどうでもいいお菓子とかじゃない)お土産を買ってあげなきゃなと。
HONUは国道沿いの森の中(まあ屋久島はどこでもだいたい森の中だが)にあって、手作りっぽいかわいい建物。駐車場に車を入れて店に入ると、サーファーっぽい雰囲気のお兄さんが「いらっしゃい」と感じよく迎えてくれる。
ハワイアンアクセサリーというのか、海亀とかそういうものがモチーフになったネックレスやピアス、小物入れなんかがずらっと並ぶ素敵なお店だったんですが、ごめん土産選びに夢中で写真撮り忘れた!
※画像はHONUブログより
詳しくはブログ↓があるのでそちらでチェックしてください。
お客さんが自分一人になると、お兄さんが「一人旅ですか?」なんて気さくに声をかけてくれる。キヨコンネガイでオススメされて、というようなことを言うと「ああ、彼女とは昨日も会ってましたよ」と笑う。やっぱ島、人間関係は狭いらしい。
このお兄さん、聞けばもともとは本州出身で、サーフィンが好きでいろんな場所に住んだ挙げ句、こうして屋久島にたどり着いた人らしい。千葉に住んだこともあるとかで、いろいろ盛り上がりました。
なんというか、商品も素敵だけど、このお兄さんも素敵です。話しててラクというか、リラックスできるというか。
ということで、屋久島に行った際にはぜひ。あ、ちなみにお土産もバッチリゲットできました。
⑫けい水産
さて、お土産を買った後は、自分用に欲しかったものを。あれです、キヨコンネガイのパスタにも使われていた「サバ節」。それを販売するオススメの水産会社を「ルージュ」のお姉さんに教えてもらっていたので、寄ってみた。
けい水産。ここも結構な場所にあります。細い坂をグイグイ上った先。お店と言うよりは加工工場で、その脇に小さな販売所が併設されている感じ。
中に入ると、工場で作業していたらしいお兄さんがやってきて、「いらっしゃい」と。売り場を見せてくれたんだけど、サバ節以外にもいろいろある。何にしようか迷っていると、「とりあえずいろいろ食べてもらいましょうか」と、試食セットを用意してくれた。
魚も製法も違うそれぞれを、お兄さんが一つ一つ丁寧に説明してくれる。どれも優しいというか、素材本来の味を大事にしてる感じで、美味しかったな。この中のいくつかを購入して、店を出る。
⑬安房〜空港
けい水産を出た後は、明日、島を出る帰りのフェリー乗り場でもある安房という街を過ぎ、驚くほど小さな屋久島空港にチラッと寄ったりしながら、今日のスタート地点でまたゴール地点でもある宮之浦に到着。
ということで、長々書いてきました「屋久島レンタカーぐるりの旅」はここで終了。次回は屋久島最後の夜、さんざん飲んだくれた挙げ句、某マスターから教えてもらった、一般人が知らない屋久島の歴史について書こうと思います。
それにしても、空港がマジで小さくてビビった。
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