見出し画像

定年後再雇用問題について

本記事は無料公開となっております。youtubeでの情報発信もおこなっておりますので、よろしければチャンネル登録よろしくお願いします。

「同じ仕事なのに年収が800万減ったのは違法」日本IBMの60代男性2人が提訴した件が以前話題になったが、定年後の再雇用問題については今の日本社会では企業ごとに状況が異なっているのが現状である。年金受給が65歳が標準となっている兼ね合いからも企業側に定年を65歳と引き延ばすよう要請はされているが、以前のまま60歳定年のままが多いし、今回のように1度退職扱いとし、再雇用という形式に変わる場合もある。現状では日本社会は終身雇用も年功序列型の賃金も崩壊しつつあるとはいえ、都合のよい部分は残し続けている為、色々と歪みが出てきている。雇用を継続し続ければ人件費は増え続けるし、人員構成も年収が高い人の割合が高くなり若い世代を雇う際にしわ寄せが出てしまう。

近年は人件費を抑える為に一定の年齢層に対して早期退職を促す企業も増えてきているように企業側も良くも悪くも策を打ってきている。例えば40歳前後で賃金の多さをリセットするような形で早期退職という名目でクビを切る。これを多くの企業が行う事で賃金上昇をリセットでき、その労働者を流動化させる事がトータルで人件費を抑えられるという狙いが透けてみえている。いわゆる愛社精神だとか企業に人生を捧げるような考え方、若いうちは賃金が低く抑えられていても年月を重ねて頑張ればトータルではそれなりに貰えるという考え方が今の時代は成り立たないという現実と向き合わなければいけないだろう。

話を戻すが、再雇用時に賃金が下がる部分について納得ができない部分は気持ちはわからなくはない。ただ、再雇用の契約は本人の選択でありそれを選択した以上はその後におかしいっていうのは正直難しい部分があるだろう。自分の能力に給与が見合ってないという自負というか自信があるならばそもそも再雇用ではない選択肢を選ぶ事や契約をする前に金額の交渉をする事もできたのではないか。それが認められる否かはなんともいえないが、雇われの身である以上はこれしか方法がないのも事実。再雇用の契約時に条件を提示をされなかったや予定とされていた条件の仕事内容とは全く違ったならば話は別であるが、そうでない場合は難しいだろう。

また、日本IBMに関しては別の問題もあり、AIによる人事評価 情報開示求め、日本IBM労組が申し立てが行われた件も話題になった。これには確かにブラックボックス感がある。AIが完全かといえばまだ難しいだろう。ビッグデータありきであるし、どのようなデータが採用するのかされるのかも明確ではない。もちろん、項目や数値が目に見える形であれば精度は高まるかもしれない。ただ、現状の多くの企業は人による感情的な人事評価制度が主なもの。それに比べたらやり方、使い方によってはある意味公平性はあるかもしれないが、あまりにもブラックボックス感があるのも事実。最初からこの評価制度ありきならば納得せざる得ないが、途中からこの評価制度となり、中身がみえない状況で賃金が上下する形となれば納得はしにくい部分はあるだろう。もちろん、全ての方が納得する形は定年制度においても賃金においても無理だろう。ただ、そこで働く以上は納得できるようなモノが提示されている、みえている必要はあるのではないか。我々は人間であり、ロボットではないからこそである。


サポートいただきありがとうございます。サポートのおかげで今後の活動につなげていきますので、今後ともよろしくお願いいたします。