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#推薦図書 NO31 「生のみ生のままで」

「生のみ生のままで」綿矢りさ (著)

「私たちは、友達じゃない」25歳、夏。恋人と出かけたリゾートで、逢衣(あい)は彼の幼なじみと、その彼女・彩夏(さいか)に出逢う。芸能活動をしているという彩夏は、美しい顔に不遜な態度で、不躾な視線を寄越すばかりだったが、四人で行動するうちに打ち解けてゆく。東京へ帰った後、逢衣は彩夏と急速に親しくなった。やがて恋人との間に結婚の話が出始めるが、ある日とつぜん彩夏から唇を奪われ、「最初からずっと好きだった」と告白される。彼女の肌が、吐息が、唇が、舌が、強烈な引力をもって私を誘う――。綿矢りさ堂々の新境地! 女性同士の鮮烈なる恋愛小説。
感想:愛に性別は関係ない。言葉にするのは簡単かもしれない。でも、それが一体何を表してるのか。いわゆる当事者でなければわからないし、理解がちゃんとできてるかといえば難しい問題。物語としては女の子2人同士の恋愛。ただ、その感情は誰でもいいわけではなく、この人だから!というものなのでは?と個人的には思う。出会いとしてはお互いに彼氏がいたが、「好きな人ができた」と別れを告げる。ここのリアルさは何ともいえない感覚。自分はやはり男側に感情移入してしまう部分が少なからずあった。ただ、読み進めていくうちに違う感情が芽生えてくる。愛に性別も年齢も世間体も関係ない。必要なのは当事者間の気持ち、本心。それだけで十分。
「どんな場所も、あなたといれば日向だ」互いに男の恋人がいるのに、止めようもなく惹かれあう逢衣(あい)と彩夏(さいか)。女性同士、心と身体のおもむくままに求め合い、二人は一緒に暮らし始めた。芸能活動をしていた彩夏の人気に火が付き、仕事も恋も順調に回り始めた矢先、思わぬ試練が彼女たちを襲う。切ない決断を迫られ、二人が選んだ道は……。今まで裸でいても、私は全然裸じゃなかった。常識も世間体も意識から鮮やかに取り払い、一糸纏わぬ姿で抱き合えば、こんなにも身体が軽い――。女性同士のひたむきで情熱的な恋を描いた、綿矢りさの衝撃作!

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