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激務部署の思い出

誰も助けてはくれない

あの頃、毎日毎日遅くまで働いて心も身体もボロボロだった。常に身体のどこかしらの調子が悪く、風邪のひき始めのような症状が出続けていた。夢の中でも仕事に追われ、冷や汗とともに目覚めることはザラだった。めったにない休日は泥のように寝て終わった。逃げたいと思った。周囲のメンバーに負担がかかることを思ったら逃げられなかった。誰しもがギリギリの状態だったから。

働き者の集団

チームのメンバーは皆良い人達だった。余裕がなくなってキレていることはあったが、仲間に理不尽に怒りをぶつけることはなかった。ひどい労働環境の中、忍耐強く働き続ける彼らの姿を見て、どうかしているんじゃないのかと思った。上の人達はいつも体調を気遣ってくれたが、仕事を楽にしてくれることはなかった。優しいのは口だけで、具体的には何もしてくれなかった。

どこまでいっても

組織の中にいる限り私達は組織の一員でしかない。事業の管理執行が組織の最大の目的で、それ以外のあらゆるものは犠牲にされる。一兵士が壊れたら補充するだけだ。あの時あの場にいた全ての人が、こんな働き方は間違っていると知っていたはずだった。でも誰も何もしなかった。私達は苦しんでいたが、体制を変えようとはしなかった。異動してしまえば関係がなくなるからだ。私達は共犯者だった。

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