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厳粛なTwitter小説解説No.1「宇宙女囚たち」

 みなさま、いかがお過ごしですか。僕は家に籠もってNETFLIX観てます。卒研発表会を目前に、生活は堕落の一途です。卒業さえできれば、他にこだわりはありません。進学するわけでもないのです。

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 出典:https://mainichi.doda.jp/article/2018/09/10/61.html

 いちおう、解説としてますが、バキバキの解説をするつもりはありません。それをするならもはや、Twitter小説自体を書いた方がコスパが良さそうです。だからこの文章は、ゆるくだらっと、思いついたことや、身近な出来事を率直に書きました。
 こういう書き方は簡単だと思ってましたが、意外と難しいですね。

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出典:https://pochipochi.net/2019/06/02/yorkshire-terrier/

 Twitter小説のポイントは、二次創作だということです。おかげでいろんな嬉しいことがあります。まず、自分の知らなかった過去の作品に触れることができることです。触れるどころか、胸を借りて、自由に書くことができます。九鬼周造が「伝統と進取」で「私はひたすら伝統の匂いを嗅ぐ者である」と言っていますが、可能であれば僕も嗅ぎたいです(?)。というのも、今度Twitter小説に、九鬼周造に登場していただこうかと考えていたところなのです。
 一次創作はほとんど行き場がありません。
 以前、織田作之助青春賞に応募した作品は残念ながら予選を通過していませんでした。日本語が書けていれば予選は通過するという情報をネットで拾って安心していましたが、僕が日本語だと思っていたものは日本語ではなかったのかもしれません。ページ数的に他の公募に回すのも難しそうなので、いずれnoteで公開しようと思ってます。

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出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%9B%BC%E8%8D%BC%E7%BE%85

 最近中目黒のWALTZというお店でカセットテープを買いました。Mac Blackout の LOVE PROFESS がいい感じだった気がします。カセットテープは聴く度にテープ自体が劣化することで、毎回違った音がするそうです。すべてが一回性、というのはアナログの面白いところですね。professとは、主張する、とか信仰する、と言う意味があるそうです。面白いですね。

 愛つながりで、数年前に観た、園子温監督の「愛のむき出し」という映画が面白かったことを思い出しました。同監督の作品をいろいろ観ました。なぜあんなに家族とか食卓にこだわるのだろう、と不思議な感じがします。
 (僕の目に触れるくらい有名な)韓国映画や韓国ドラマは割と家族の話が多い気がします。「パラサイト」「梨泰院クラス」「スウィートホーム」「新感染」、最近のものばかりですが。それとも、ただの要素でしかない「家族」に僕が過剰に反応してるだけなのでしょうか。
 愛について扱った韓国映画だと「お嬢さん」が抜群に面白かったです。謎のユーモアがありますね。一人でいると、古い記憶をよく思い出します。

 家とか家族はすでに色んな意味や思想的立場を示す用語になっていると思うので、作品に盛り込みやすいんですかね。左派的な使用と右派的な使用の、どちらにも耐えうるという。概念としては使いやすくても(多義的ということは曖昧ということでもあります)、言葉としては使いにくい感じに仕上がってます。

 音のいいプレーヤーが欲しいです。
 Spotifyでも聴けますが、便利という理由に偏り続けると、おいしいからチョコばっかり食べる、みたいな感じに肌荒れすると思います。
 SUISAIの酵素洗顔というのを試しました。毛穴の汚れが取れるという口コミに、偽りはありませんでした。今の時期は乾燥しやすいと言いますが、湿り気は分かっても、乾燥はなんか実感がなくてよくわからないです。梅雨が好きです。ぬるくて不思議な季節です。

 Mac Blackoutという人は、音楽だけでなく絵も描くようです。WEBサイトがありました。いい意味で変な人だと思います。

「宇宙女囚たち」は、海野十三の「宇宙女囚第一号」を下敷きにしてます。元がよくできた小説なので後を続けるというかたちで二次創作にしてみました。
 漫然と書いても意味がないので、とにかく興味を持ってもらえるような書き方を心がけました。

 たとえば文体は、マネしようと思えばマネできるものです。2000字ならより簡単でしょう。でも、その先がありません。色んな作家の文体を猿まねできたところで、それではただの芸人です(小説を書くお笑い芸人のことではありません)。
 オリジナルからどの部分を引き受けるのか、その選択が「トリビュート」の面白みだと思います。

 逆に言えば、構成的な美しさや一般的な意味での描写の細やかさはあまり考慮していません。だから、ぼくが捨てた部分に小説の面白みを見出している方にとっては、ぼくの小説は味のしない味噌汁、しょっぱいだけのチーズ、粘土みたいなエビ、カチカチのアボガド、だと思います。でも、世の中にはすでにたくさんのおいしい小説があります。そういうものに飽きてきたら、ぼくの書いたものを読んでみてください。

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出典:https://plaza.rakuten.co.jp/greatest29/diary/201302100000/

 昔何かの動画で、スラヴォイ・ジジェクが面白い話をしていたのを思い出しました。これは、昔別の記事でも書いた気がします。
 夫婦がいました。あるとき、夫の職場に病院から電話がかかってきて、あなたの奥さんが交通事故に遭って、うちの病院のICUに運び込まれました。すぐに来てください。夫は会社を飛び出して病院に着き、ICUの前で手術が終わるのを待ちます。やがて医者が出てきて「手術は無事に終わりました」夫は安堵のため息をつきます。しかし、と医師は続けます。「しかし事故の後遺症が残ります。回復しても歩くことはできないでしょう。それどころか、意識が戻る保証はありません。手術台と入院費、血液を循環させる装置や肺を動かす機器のための設備費が必要です。保険対象外のものばかりです。また、顔はぐちゃぐちゃに潰れてしまっていて、面影もありません。整形手術も必要ですか?」夫は一転して青ざめます。そんな悲痛な表情の夫の肩に医師は手を置いて「安心してください、冗談です。全部嘘です」と言います。
「全部嘘です。あなたの奥さんはすでに亡くなりました」

 政府が国民に与える朗報は、こういうたぐいのものに過ぎない、と話は締めくくられます。

↑後で確認したら、ぜんぜん違う話でした。どうやらぼくの記憶は改ざんされているみたいです。

 ジジェクと言えば、昔、彼が絶賛していた「トゥモロー・ワールド」という映画は面白かったです。特に終盤の市街戦はちょっとすごすぎました。冒頭からすさまじく、中盤のワンカットシーンもぞっとするものがあります。監督は「ハリーポッターとアズカバンの囚人」や「ゼロ・グラビティ」も撮ってます。アズカバンの囚人は、いろいろ詰め込まれていて、ハリーポッターシリーズでは一番すきでした。ハリーポッターは全体の出来はともかく、完結したこと自体がすごいですよね。「ナルニア国物語」とか「ライラの冒険」ってどうなったんですかね。ライラの冒険とか、子供ながら、すごい大規模に宣伝してるなあって思っていましたが、制作中止ですかね?

 女囚、というのはなんか言葉として強いですよね、色んな意味で。

 Twitter小説、やっていていろいろ発見もあって興味深いので、しばらく続けるつもりです。スキ、いいね、リツイートなどの反応があるとぼくの無感動な暮らしに活気がでて自己肯定感が上昇しポジティブでフレンドリーかつフランクな愛される性格になれるので、是非ご協力お願いします。(感想もお待ちしてます……。)


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