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【うるま市×N高②】オンライン授業における協働の鍵は!?

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こんにちは。平良でございます。写真はうるま市平敷屋漁港と津堅島を結ぶ「フェリーくがに」。通称キャロットアイランドの津堅島らしく、まさに「これから協働するぞ!」とにんじんキッズが仲良く手を取り合っております。今年度は週に1回フェリー通勤。学校帰りに海を眺め、夕陽に照らされながら乗るフェリーはとても清々しいものでした。

さて、前回の記事に引き続き今日もうるま市にある島しょ地域における ICT活用島しょ地域 児童生徒交流実証事業の実践から「オンライン授業における協働の大事なポイント」について紹介していきます!!

オンライン授業を実施する際にどうしても教師の一方通行になってしまいがち...グループでの活動が難しい...!と言った声も少なくありません。オンラインでの協働って難しいですよね。この記事では、オンライン授業で難しさを感じている方に少しでも参考になれば嬉しいです。

前回の記事はこちら

そもそも「協働」とは

先月の中央審議会答申の中でも多く使われている「協働」という言葉。

令和3年1月26日 中央審議会
【急激に変化する時代の中で育むべき資質・能力】
一人一人の児童生徒が,自分のよさや可能性を認識するとともに,あらゆる他者を価値のある存在として尊重し,多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え,豊かな人生を切り拓き,持続可能な社会の創り手となることができるようにすることが必要。
「令和の日本型学校教育」の構築を目指して

「きょうどう」と言っても3つの言葉がありますね。改めて言葉の意味を調べてみました。

「共同」… 複数の人や団体が、同じ目的のために一緒に事を行ったり、同じ条件・資格でかかわったりすること。
「協同」…複数の人または団体が、力を合わせて物事を行うこと。
「協働」…同じ目的のために、対等の立場で協力して共に働くこと。

並べてみると「協働」がより個人を尊重し、同じ目的に向かって協力して物事を進めることであることがわかります。単に協力するだけではなく、ひとりひとりの個性を大切にしながら活動する。素敵ですね。

では、オンライン上で対等の立場で協力し共に働くために必要なことはなんでしょうか?

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オンライン上で協働するためにまずはツールに慣れる!

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これは初歩的なことなのですが、オンラインで行うためにはやはりまずはツールに慣れることが大事ですよね!今回のネット部活は活動全体を2つのtermに分けて取り組みました。

1term目は主にツール(zoom/Slack/google)に慣れコミュニケーションがとれること、オンラインの可能性を感じることに主眼をおき、2term目でマイクラを使用してオンライン上で協働しました。

生徒にとって安心・安全な場をつくる!

協働する前提として生徒にとって「安心・安全な場」であることが重要です。リアルの場でもそうですが、ただでさえ扱いに慣れてないPCを使用し画面越しに映る相手とコミュニケーションを取るとなると尚更です。

そこで1term目からチェックインを行い、「今の気分」を素直に伝えること、また「最近ワクワクしたこと」や「最近ショックだったこと」などもzoomのチャットを活用しながらシェアする時間を作りました。

「チェックイン」とは、ホテルや飛行機を利用する際に行う始めの手続きのようなものです。ワークショップや研修、会議など人が集まって何かを行う際、その場を始める前に手続きを行うことで気持ちを整え、その場に気持ちを向けることを促します。参加者一人ひとりが現在の自分の状態や、今の気持ちをその場にいる人に共有し理解してもらうことにより、心理的安全性を高める効果もあります。

彩橋中学校・与勝第二中学校を繋ぐネット部活では、回を重ねていくごとに会話が活発になり、共通の趣味の話題で語り合う姿が増えてきました。チェックインを毎回取り入れることで、ファシリテーターや生徒同士がそれぞれの状態を把握しながら、生徒の緊張を解すことに繋がったと感じています。津堅中学校は先生方も生徒の隣に座り、同じ目線で授業に参加して下さったことが「安心感」はもちろん「授業の楽しさ」を導いてくれたように思います。(Slackでの大喜利は白熱!笑。詳細は別記事で紹介します。)

オンライン上でのルールをみんなで作る!

本格的に協働に入る2termでは、自然体の自分でいられる環境作りが大切であることを再度確認し合い、まずは生徒にとって自分をさらけ出しやすいのはどんな場所かを考えました。その後「仲の良い友達といるとき」「家族といるとき」そのときの自分の状態を思い出しながら、マイクラを扱う上で楽しく協働し、学ぶためのグランドルールの作成を行いました。

「グランドルール」とは、より良い場(みんなが学び合える環境)にするために参加者全員で決めたルールのことです。緊張していると周りの反応や評価が気になり、自分らしくいることが難しくなります。この場でのルールを全員が意識することで、みんなの安心安全な場をつくることができます。
実際の「グランドルール」
・相手のことを思いやる
・みんなで協働して作業を進める
・マイクラをやったことあるひとは優しく教える
・マイクラでは名前が分かりません。困っている人がいたら助けましょう。

グランドルールの作成は新しいメンバーが入って来た際にネット部活やマイクラを使用する目的の説明や「協働」を再認識する上でもとても効果的だったと感じています。どのような作品を作るかを「グループに分かれて→ブレストして→決定する」ところまではコミュニケーションを取りながら順調に進んでも、いざ「マイクラ文化祭するぞー!」となると1人で黙々と作り込む作業になりがちな部分がありました。そのため、後半は常に「グランドルール」を振り返る時間を作るように工夫しました。

マイクラで協働するためには、自分が描いているイメージの共有をしなければ作業を進められません。チームで作品を作るために話し合わないといけない状況で「積極的に質問する」「自分のイメージを具体的に話す」「効率よく作業を進めるためにアイデアを出し合う」「それぞれの得意分野や取り組みたい分野を尊重して役割分担をする」といった様子が見られ、協働を意識するようになってからはコミュニケーションを取ることが短期間で一気に成長したように感じます。

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終わりに

直接は会ったことが無くともオンラインで「協働」するために、1term目ではオンライン授業が「安心・安全な場」であることを自然と意識できるような環境作りを、2term目では「グランドルール」を作成し、実際に手を動かしながらオンライン上でも協働をする空間を作ってきました。

実は今年度、新型コロナウイルスの影響で県外・海外のスタッフは沖縄に足に運ぶことができず生徒と直接会えていません。同じく4校(N中等部も含め)の生徒同士も1度も対面で会う機会を作ることができませんでした。それでもオンライン上でそれぞれが関係性を構築し、あとは2/22の成果発表会を残すのみというところまできています!来年度こそはリアルの場も作りたいという思いと、オフラインとオンラインのハイブリットで進めるとどうなるのか既にワクワクしております。

実際にマイクラを使っている様子や成果発表会の様子は後日たっぷりご紹介予定ですので何卒ゆたしくです!

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