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今から考える出産、復職後の働き方

以前、以下のツイートをしたらややバズり、多くの女性からリツイートや共感のリプライをいただいた。

このツイートに反応してくださった女性の多くは、きっともうちょっと仕事したかったけれども産休、育休と子育てに注力した方だったり、まだ出産はしていないものの、出産を経て復職した時以前のように働けないのではと不安を感じている方々、もしくは現状満足した働き方ができていない方なのではと思っている。

かく言う私もまだ子供はいないが、仮に出産したあと、出産前の今のようにプライベートと仕事のバランスを確保しながら仕事をするのは出来なくはないけど大変そうだなと思っているし、不安がないとは言えない。


産休育休中に仕事ができなくなるのは止むを得ないが、今回取り上げたい内容は出産した後のキャリアだ。復職した後も第二子妊娠、出産等で仕事に復帰できないブランクが最低でも2-3年は生じるが、出産を終えていざ復職することになった時、復職後もなかなか思うような働き方ができないワーママさんの声を耳にすることがあるから不安が募る。

私の周りのワーママさんを見ていると、復帰後以下のような状況で出産前のように仕事ができないのかなと推測している。1つは

①出産前と同じようにスキルアップやややり甲斐を持てる大きい仕事ができない(任せてもらえない)

妊娠する前は子供の送り迎えもなく自分の時間を確保できたので、残業もできるし融通が効いていた。だが、出産後フルタイム勤務を選択する方はなかなかいない。育児のため勤務形態を時短に変更する方が大半だ。

形式上フルタイム勤務時と比べて残業もできない。となると時間の融通が効かないことが起因で、復帰後は突発対応がない案件、短時間で運用できる案件、万が一突発休が発生しても他の人がカバーできる案件等を担当することになる。

その結果、妊娠前のような自分にとってチャレンジとなる仕事は任されず、マンネリ感ややりがいを感じられないことも少なくない。


一方、妊娠前のような責任ある仕事を任され、あるいは管理職として部下の育成や事業責任者を任い、キャリア志向女性の将来像となるようなバリバリ働くワーママさんもいる。

女性、しかも子育て中の女性が地位あるポジションでそういった仕事をしている姿は企業としても女性活躍推進に積極的であることが見て取れ、好感が持てる。だがその一方で、彼女たちはプライベートの時間も使い仕事をこなしているという話を聞く。なぜなら

②管理職や責任ある立場である程度大きい仕事を任されているが、時短勤務中に仕事が終わらず、時短と言いつつ夜中、早朝、夜、休日を返上して無償で仕事せざるを得ない

こういった状況なので、勤務時間外にも無償で仕事をしてなんとかまわしている。という背景が少なからずあるように思う。


あるべき働き方としては、当人が勤務時間内にこなせる量で、やりがいをもてるチャレンジングな仕事ができる現場の状況が整っていて、プライベート時間は家族や自分への時間として充てられるのがベスト。

しかし現実はこうした働き方ができている企業は多くない。部署やお客様状況にも寄るが、コンサル関連企業に勤める方は特に休日や夜遅く、子供が寝たあとの時間を使い仕事をしている気がする。


プライベートでパートナーや家族と協力しながら、また家事代行で育児家事を代行するというやり方は既に実践しているワーママさんも多いが、私が思うのは、変えるべきは職場環境の方で、ワーママに限らず職場自体に改善の余地がまだまだあるのではということ。


①②それぞれでワーママの時間の制約が共通事項として挙げられるが、そもそも残業や長時間労働ありきで仕事をせざるを得ない状況を改善できるのではないか。時短だろうがそうでなかろうが、まず残業や長時間労働を強いられる働き方自体を変えるべきで、時間制約のあるワーキングマザーだから任せられないというのは間違っている。

この職場の状況を解決するのは、D X推進、A I活用など近年話題に上がるワードが思いつく。

だがそもそもこれらに着手する前に

・本当に誰かがずっと現場にいなければいけない仕事なのか
・就業時間をずらすことはできないか
・無駄な会議や無駄な仕事はないか
・何か少しでも別の手段で代替できないか

と改めて考えたら生産性を向上できるようなヒントがあるかもしれない。


実際に私が前職でIT企業に勤めていたときの話だが、上述のような観点でプロジェクトの業務見直しを行い、チーム1人1人の業務の効率化と、今までの平日9時ー18時の固定勤務ではなくフレックス制に変更。その日その週の業務量や予定に応じて出退勤時間をアレンジできるような就業体制に切り替えた。

その結果、VBAによる作業自動化も導入しつつではあるがチーム全体で月120時間ほどの工数削減ができたので、本気で考えれば柔軟な働き方が出来る余地はあるのではないかと思う。

些細な事でもいいので、この仕事は複雑だな、もっと楽なやり方があるなと思うことを挙げてもらうよう職場の方々に依頼すると、意外とみんな日々思うことがあるようでつらつら書いてくれるのでオススメだ。

相談会議の場で1つずつ挙げてもらうのではなく、定例会などの場で口頭で背景を伝えた後まず一旦共用シートに書いてもらい、そのネタを元に会議を設けてすり合わせを始めるのが良い。

尚、注意点として勝手に始めると反感を買うことになり兼ねないので、チームの上長や場合によってはクライアントに相談し、了承を得た上で進めることは忘れないようにしていただきたい。


話を戻すと、当時7人チームだったので月120時間削減できたことで1人約17時間/月の余力が出る。

そうすると業務改善や新規案件対応など今まで時間がなくて着手できなかった仕事にも時間を使えるようになり、効率的な時間活用ができるようになった。

こうした取り組みは私だけでなく、チームや上司、時にはお客様の協力あってこそ実現できた。

影響範囲も大きい分労力を使う活動ではあるが、これによって生産性の向上や働きやすい環境が整備されていったので、組織だけでなくまずは現場レベルで変えていってみてほしい。



次に②について。既に裁量の大きい仕事を任されている一方、時短の範囲で仕事が終わらない問題。

裁量が大きい分、部下や下の世代に自分たちの業務を任せること、つまり権限委譲はまず必要であるものの、そもそも部下や後輩に引き継ぎする時間がないという方も多いと思う。

そのような状況下では、すき間時間にでも無理矢理時間を作るか、毎週●日の何時に引き継ぎをする、と定期スケジュールを入れて早々に引き継ぎをする時間を確保するのが荒療治だが手っ取り早い。

引き継ぎをずるずる後回しにすると何ヶ月も何年も状況が改善せず、引き継げない仕事の量が減らない限りワーママさんの忙しさは変わらないので、ついつい後回しにしてしまいがちだが優先的に着手してみてほしい。



先ほど述べた生産性向上と引き継ぎ作業を並行して進めていくと、少しずつ時間ができてくる。

そうなると次は部下、後輩の育成に取り掛かる必要がある。

権限委譲と同じ話になるが、自分ができる仕事を他の人ができてもらうように育成をしなければ、時間もなくて自分が新しい仕事にチャレンジできる時間も確保できないし、とは言え休日返上で働くライフスタイルを変えるのは難しい。時短勤務者でも納得できる働き方をするには生産性向上、権限委譲、育成の3つは外せない項目だ。これと並行してDX推進できると尚良い。


1日24時間。時間は増えないので、ない時間を作っていくしかない。特に育成は時間がかかるし、部下の特性や性格によって向き不向きもあればうまくいかないこともあって大変だ。

まだ子供のいない私だが、子供の世話もあるのに部下や後輩の育成もするというのは本当に大変そうだなと今から呆然とすることもある。ワーママでなくとも育成というのは骨の折れることなので、ここは地道にやりたいし、私も人材開発の仕事をしているので、外側からもできる限り育成の支援ができるようにこれからも発信やサポートを続けていきたい。


最後に、ワーママになると裁量ある仕事を任されない、プライベート返上で仕事をこなさなければならないという地獄のような未来は、現場の状況を少しずつ変えていくことで改善していくしかない。女性だって子育て中もまだまだ仕事を楽しみたい。やりがいを感じたい。業務時間外に仕事をせずにプライベートと仕事を両立したい。

出産するとしばらくは妊娠前のように働けないと諦めたくないので、私ももし子供ができたら、復職した後もチャレンジしながら時間内に働けるように今から下準備をしていきたいと思う。

こうした取り組みが、女性だけでなく男性の育休取得もしやすい環境へとつながっていけばもっと嬉しい。

地道に、一緒に職場から変えていきましょう。


ここまで読んでいただきありがとうございました。読んでいただいた方、いいなと思った方は是非ハートを押していただけると嬉しいです。

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@rocon723






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