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[要旨]

業を改善するには、短期的には、戦略や戦術を実践することが基本ですが、長期的には、経営理念や社是に向かって進むということをしなければ、会社の存在意義を高めるなど、本来の事業の目的を果たせなくなってしまいかねません。


[本文]

伊那食品工業の元社長で、現在は最高顧問の、塚越寛さんのご著書、「末広がりのいい会社をつくる―人も社会も幸せになる年輪経営」を拝読しました。同書で、塚越さんは、「how to doの前に、how to beが大切だ」(55ページ)と述べておられました。すなわち、成功するための戦略、戦術(how to do)は世の中にあふれているけれど、経営理念や社是(how to be)が会社に浸透していなければ、長期的にはよい会社にならない」ということです。

これも多くの方が容易に理解されると思います。短期的に業績を高めるための活動だけをしていては、会社の存在意義を高めるなど、本来の事業の目的を果たせなくなってしまうということでしょう。しかしながら、これを理解していながら、実践している経営者は、あまり多くないと思います。これは、事業の現場では、重要性よりも緊急性が優先されてしまうという傾向によることが、最も大きな原因だと思います。

そして、私が、今回、塚越さんの言葉を引き合いに出した理由は、強い会社というのは、緊急性にあらがうことができない会社は、競争力も低くなってしまうということを感じたからです。これは、よくある、「頭では理解できるけれど…」ということだと思うのですが、逆に言えば、事業改善の方法は存在しないということではなく、明確化しているということです。したがって、事業改善は、その方法を実践するかどうかということにかかっていることに尽きるということでもあります。

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