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[要旨]

DXは、GAFAなどが、顧客体験価値を高めることによって、事業を成功させた概念を指します。したがって、情報化武装をする時は、単に、情報技術を導入するだけでなく、CXが高まっているかどうかまでを、検討することが大切です。


[本文]

先日、中小企業診断士の神谷俊彦先生に、私の制作しているポッドキャスト番組にご出演いただき、神谷先生の新刊、「図解でわかるDXいちばん最初に読む本」の内容に基づいて、デジタルトランスフォーメーション(DX)についてお伺いしました。その中で、神谷先生からお教えいただいた、顧客体験価値(Customer Experience、CX)について、重要な概念だと感じましたので、ここでシェアしたいと思います。

まず、DXということば、最近、聴くようになりましたが、これは、2004年に、スウェーデンの研究者が、GAFAなどの巨大IT会社が、なぜ、成功したのかという要因を研究した結果として公表し、その概念をDXと呼ぶようになったものだそうです。すなわち、DXの指すものは、20年以上も前に、GAFAなどによって実践されており、それを、後から、DXと呼ぶようになったということです。

では、DXと、情報技術の活用の違いは何かというと、CXを実現させているということだそうです。例えば、Apple社は、iTunesというプラットフォームを使い、多くのユーザーが、いつでもどこでも音楽を聴くことができるようにするのと同時に、著作権者にも収入が得られる仕組みを実現しています。Amazon社も、ここで改めて述べるまでもありませんが、それまで、注文した本が届くまでに1か月ほどかかっていた出版業界の慣行を破り、翌日に、利用者の手もとに本が届くようにしました。

ここで、ポイントとなることは、情報技術は、単に、導入すればよいということではないということです。すなわち、情報技術で、どのように、CXを高めるかという、企画力が問われるということです。このような観点からは、私は、ユニクロやニトリも、DXを活用しているお手本の会社であると思っています。

これらの会社は、製造業や流通業という枠組みにとらわれず、DXを駆使した仕組みで事業を成功させている点で共通していると言えます。繰り返しになりますが、情報技術は、導入するだけでなく、CXを高めることができるかどうかが大切なので、これから、より一層の情報化武装を検討している経営者の方は、この視点も加えて、改めてご検討されることをお薦めします。

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