【読書感想文】米澤穂信／黒牢城

３カ月以上前に購入したものだったが、ようやく読み終わった。
他の方がAmazonレビューなどでおっしゃる通り、難しい単語が多かった。

歴史・政治・ミステリーのハイブリッドということで、読み応えのある作品。有岡城にて織田信長を裏切った荒木村重の視点で描かれている。
黒田官兵衛はすっかりダークなイメージになっている。大河ドラマ「軍師官兵衛」でも岡田くんが演じた後半のダークヒーローぶりはすごかった。（徳川家康・石田三成・黒田如水、秀吉死後の天下を狙う３人全員イヤなやつで描かれるというNHKにあるまじき展開。）「司馬遼太郎／播磨灘物語」ではどうなんだろう？そのうち読んでみたい。

荒木村重自身、信長の残虐な行い（一向宗の根絶やし、兵糧攻めなど）では人がついてこない、という判断をして裏切ったのだが、官兵衛からは「勝つことのみで家中をまとめて来られた」と一蹴されてしまう。

籠城は家中の団結力がないと苦しい。それは歴史が証明している。

官兵衛は牢の中から知略を用いて村重を陥れようとしたが、有岡城の結末を見て心を蝕まれ、如水となったのではないか。そんな歴史のロマンを感じさせる最後だった。
あまり本格ミステリーを読まないことから、こんなありきたりな感想しか出てこないが、「難しい本が読みたい！」という人には特におすすめ。

黒牢城