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多人種が住まう国

こんにちは、いとさんです。

アルゼンチンには、その昔ヨーロッパの色んな国から移民がやってきましたが、今でも他の南米の国々からたくさんの人がやって来るそうです。中でもボリビアやパラグアイからやってくる人が多いと聞きます。アルゼンチンは南米の中でも比較的治安が良いことや、誰でも公共の医療機関を無料で受診できたり、移民に対して寛大な姿勢であることが主な理由と考えられます。

ボリビアからやってきた人は、verdulería(八百屋)を営んでいることが多く、街中で八百屋を覗けば褐色肌の小柄な人達が、野菜を売っている姿をよく見かけます。ボリビアからやってきた人々が長年住み、一つのコロニーのようになっている町があります。そこではボリビアの伝統料理を振る舞うレストランがあったり、彼らの暮らしに密着した街並みになっていたので、アルゼンチンに居ながらボリビアにやって来た錯覚に陥ります。

アジアからやって来た人々もいます。中国からやって来た人は、スーパーマーケットとコンビニの中間のような規模の商店を営んでいます。そういった店のことをアルゼンチン人はchino(中国人、中国のという意)と呼びます。スーパーマーケットに比べ、値段設定が高いと言われることもありますが、ちょっとした物を買いに立ち寄るには便利で、更に祝日や休日ですらお店が開いていますから、アルゼンチン人の生活に欠かせないものになっています。アルゼンチンにも中華街あり、旅行者以外にも訪れる人が多いので休日になればアジアさながらの人混みができてとても賑わっています。

同じアジアの日本からやってきた人ももちろんいますが、私の住んでいる地域ではなかなか出会う機会がありません。たまたまブエノスアイレス市内のcerveceríaで出会った日系人のmozo”ウェイター”(アルゼンチンではcamareroと言わないそうです)の女の子は、おばあさんが沖縄にいるそうで、なるほど彼女の可愛らしいまあるい目は”うちなんちゅ“を感じました。2年間日本に留学したと言い、アルゼンチンで生まれ育ったスペイン語話者の彼女は、日本語を母国語とする人が、他言語を学ぶことがどれほど大変なことであるかを私の友人達にとくとくと語っていました。

アフリカにルーツを持つ人を見かけることもあり、アルゼンチンという国はいよいよ人種の博物館のようなところだなと思いました。ここでは異なる見た目の人々がお互いそれをさほど気にすることなく共存しています。アルゼンチンで発行されている雑誌をめくっていても、モデル達の顔つきは実に様々です。これが移民の国というものなのかと島国の娘は感銘を受けました。

日本に住んでいる時は映画やメディアのおかげでアメリカ合衆国がハイテクでパワフルで世界をリードしている存在であると認識させられてきましたけれど、意外とそれはほんの一握りだけで、後はここアルゼンチンとあまり変わりはないのではなかろうかと思えるようになってきました。アメリカ合衆国も移民の国だからです。カナダやオーストラリアも同じです。アルゼンチンと共通した何か、もしくは違う発展の仕方をした何かがあるかもしれないと思うと、これまであまり関心を持っていなかったのですけれど、訪れてみたいと思うようになりました。

移民の国には島国の娘には分かり得ないものがひょっとすると本当はあるのかも知れせん。全部を分かろうとも思っていませんけれど、正しく理解するには自分の目で見ることが大切だと思います。いつかそれぞれの文化やそこに生きる人達の息遣いを感じる旅をしたいです。

いとさん

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