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【人物解体新書】キャリアの拠り所となる成功体験。「仕事が人を育てる」は紛れもない事実だった。

㈱ログシーキャリアコンサルタント&広報担当の鈴木さくらです。

今回の【人物解体新書】では、『【人物解体新書】採用コンサルタントとしてRebornした僕。つまづいて、立ち上がって、辿り着いた“本当の仕事”のおもしろさ。』前編後編で取り上げた弊社採用支援事業部の活躍者、営業リーダーの大橋響(おおはしひびき)にフォーカスし、当人以外でもその活躍が再現できるように理論で解明していきます。

たとえば、やったこともない案件を振られたとき、自分の身の丈に合わなそうな大きな案件に着手しなければいけないとき、はたまたビッグチャンスに恵まれたとき・・・未知なる出来事を目の前にしたとき、あなただったらどんな反応を示しますか?


■キャリアの拠り所になる大切なもの

前回のインタビューで大橋はこんな風に振り返り、語っていました。

「この案件を通して採用コンサルタントという立場として、視野が広がりました。解決方法がこれまでと変わったので、いざそういうタイミングになった時に、自分がどう動いていったらいいのかとか、経験を通して気づけて自信につながりました」。

-採用コンサルとしてこの案件を通して得られたその経験が、自分を支えているということですか?

「はい、まさにその経験は成功体験と呼べるものだと思います。しかも最初からうまく進んだ成功体験ではなく、つまづきながら紆余曲折で進んだ成功体験。だからこそ、今後何かしらうまくいかないことが起きた時に自分の拠り所になりますよね。また次どこかでうまくいかなくても、諦めずに、愚直にやり続けられると思います」。

ここで語られている、「成功体験」。
実は、カナダの心理学者バンデューラが提唱した自己効力感において、この成功体験が大きく関わっていると言われています。


■ある行動を実行できると信じられる「自信」はどの程度ある?

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バンデューラは、「自分が行為の主体であると確信していること、自分の行為について自分がきちんと統制しているという信念、自分が外部からの要請にきちんと対応しているという確信」が行動の結果を左右する要因として取り上げました。これを自己効力感と呼び、結果の良し悪しを決める大切な要素として非常に重要視されています。

すなわち自己効力感とは、自分はある行動を実行できると信じられる「自信」の一種のこと。私たちが仕事や勉強に注力し、何らかの目標を達成するために欠かせないものですよね。

私たちが何か新しい仕事に取り組むという「行動」を決める際、実は、無意識にでも意識的にでも、自分自身で少なからず「予期」をしています。つまり、前もって推測・期待・覚悟などをして、予測をしているのですね。

その「予期」には大きく分けて以下2種類あって、
・結果予期=自分の行動がどのような結果をもたらすかということ
・効力予期=自分が適切な行動を上手くできるかどうかということ

人 ⇒⇒⇒⇒ 行動 ⇒⇒⇒⇒ 結果
効力予期    結果予期

このうちの効力予期を自己効力と呼んでいます。


■自己効力感を決める4つの影響要因

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バンデューラいわく、自己効力感は次の4つにもとづき、形成されています。

①遂行行動の達成
自分で必要な行動を実際に達成できたという経験のことで、いわゆる成功体験のこと。成功体験で高められた自己効力感は持続性が高く、高まった自己効力感は次の問題解決行動につながると考えられている。大きな成功体験を一気に目指すよりも小さな成功体験を積み重ねた方がよい。「以前もうまくいったから今回も大丈夫、きっとうまくいく」と自分で捉えられるようになる。

②代理経験
上手くできている第三者(モデル)の行動を観察することで、自分にもできそうだという効力予期を形成すること。いわゆる、モデリングという学習方法がこれにあたる。そのモデルとなる人物は自分とかけ離れている人よりも、何かしらの類似点を持っている人の行動の方が観察対象として適している場合が多い。

③言語的説得
第三者あるいは自分自身からの言葉がけを反復して用いることにより、自己効力が高まること。「あなたならできるから大丈夫」と繰り返し励まされたり、「私はできるから大丈夫」と自己暗示をかけることも自己効力感を高めるのに有効である。言語的説得を繰り返しされながら育った子どもは自己効力感が高い。

④情動喚起
生理的な状態によって効力予期が影響を受けること。たとえば、人前で緊張して大量の汗をかいたり震えたりする経験があると自己効力感が下がりやすく、次に人前で話す機会があったときにその感覚を思い出してしまい、効力感が下がることにつながる。自分自身で生理的な状態をコントロールすることも重要である。

これら4つの影響要因のなかで自己効力感に最も影響を与えるものは、「①遂行行動の達成」、すなわち成功体験。小さくてもこれまで「こういうことができた」や「(完璧ではなかったかもしれないけれど)ここまでは一人でできた」という成功体験を積み重ねてきた人ほど、自己信頼へとつながり、自信が育まれているのですね。


■成功体験が自己のキャリアを強く支えていく

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大橋は大型案件に携わった当初、つまづきの連続でした。多忙を言い訳にちゃんとお客様に向き合えておらず、また、上長に相談しようにも自らの考えや解を持てないくらい、すべてのことが後手後手に回っており、焦る毎日だったと言います。

ですが、

「この案件を通して採用コンサルタントという立場として、視野が広がりました。解決方法がこれまでと変わったので、いざそういうタイミングになった時に、自分がどう動いていったらいいのかとか、経験を通して気づけて自信につながりました」。

これまでの仕事観を大きく揺さぶられる経験を経て、成功体験を重ねることによって、今後未知なる機会に遭遇したとしても「自分がどう動いていったらいいのか」がわかるようになり、確実に自信が育まれました。

「まさにその経験は成功体験と呼べるものだと思います。しかも最初からうまく進んだ成功体験ではなく、つまづきながら紆余曲折で進んだ成功体験。だからこそ、今後何かしらうまくいかないことが起きた時に自分の拠り所になりますよね。また次どこかでうまくいかなくても、諦めずに、愚直にやり続けられると思います」。

「最初からうまく進んだ成功体験ではなく、つまづきながら紆余曲折で進んだ成功体験」ほど、自分自身を強く支えてくれるものはないでしょう。

自分自身の拠り所となる経験ができた案件に心から感謝している大橋の姿を見て、「仕事が人を育てる」という事実をまたひとつ検証することができました。

(おしまい)


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