徒然草をひもといて 4章 (36)135段、136段、続き
博学で、有職故実の識見はもとより、よろずのことに通じていると評判の、さる大納言入道、あるとき、宮中で 30歳ほど年の差ある参議左中将に出会って「あんたの聞くようなことは、どんなことでも答えて差し上げられんことはないよ」と言った。ところが、相手もさるもの「さあ、どんなもんでしょうかねぇ」大納言はこの生意気な返答にむっとしたか「なに、それなら、ひとつ論争しようじゃないか」と挑みかかった。参議のほうは落ち着き払ってかしこまり「ちゃんとした正規のことは、片はしも学んでおりませんので