ろか

感じる、考える、満たす、を大切に生きる┊ ライター┊(一財)生涯学習開発財団 認定プロ…

ろか

感じる、考える、満たす、を大切に生きる┊ ライター┊(一財)生涯学習開発財団 認定プロコーチ┊#シーライクス #ONDO #ライフログスクール5期生 #企画メシ 2022

最近の記事

大切なものを見失う瞬間

図書館のおはなし会に参加したその日のことです。 息子はじっとしていられなくてお部屋を出たり入ったり。終わったあともベビーカーに乗りたくなくてそっくり返って大騒ぎ。 そんなときに母親であるわたしの意識を支配するのは、息子の気持ちでもわたしの気持ちでもなく、周りからどう見られるかということ。 周囲に申し訳なさそうな顔をして、「ねぇお願い」と力づくで言うことを聞かせようとするわたしは、息子の目にはどう写っていたのでしょう。 せめて、息子と目をあわせてコミュニケーションが取る

    • なにもない道は、なんでもある道へ。

      朝から元気いっぱいの息子をつれてお散歩へ。 いつもは公園や自然がある場所を選んでいたけれど、その日は高架下のアスファルトとコンクリートに囲まれた道を選びました。なにもないから比較的すぐ通ることができるかな、なんて思ったりして。 ところが、息子と歩いてみると「なにもない道」なんてなかったのです。 アスファルトだけだと思っていた地面は、端の方は土や砂で、土いじりが好きな息子はそこからなかなか動きません。 フェンスの向こう側にいる小学生のお兄ちゃんお姉ちゃんとの交流もお手のも

      • しあわせと切なさの花、桜

        ここ数年、桜への執着が強くなっているように感じます。 すこし前までは、咲いている間に一度お花見に行くことができればそれでいいかなというくらいだったのに、今はできるだけ多く桜を瞳に写したい気持ちで足を運んでしまいます。 その理由を考えていたら、書き残しておきたくなったので記しておきます。 ひとつは桜の美しさを知ったこと。 数年前に転職した会社は、都内にしてはめずらしく駅から遠いオフィスで、なぜこんな場所にしているのだろうと不思議に思っていました。ところが半年後、春になっ

        • 書き続けるための工夫をあきらめない

          文章として書き記して、忘れないように留めておきたいことたちがたくさんある。なのにここの更新が捗らないのは、考えることが追いつかないから、でした。 エッセイを書くきっかけとなった『エッセイストのように生きる』で松浦弥太郎さんはエッセイを書くことの全体を10とすると、書くが3、その前の考えをめぐらせることが7くらいとおっしゃっています。 文章を出すからには、確かにそのくらいの思考を経て見つけたものについて書きたいと思っていましたし、実際にそうすることで最初題材として書こうと思

        大切なものを見失う瞬間

          寂しさを知る

          貸し切り状態だった遊び場にあらわれたすこし年上のお兄ちゃん。 楽しそうにかつ身軽にすべり台や遊具で遊ぶその姿を、息子はじーっと見つめていました。 お兄ちゃんが場所を変えればついていって、また見つめる。そこまではよくある光景だったのですが。 お兄ちゃんが帰るとき、息子はバイバイをしながらしばらくついていっていました。 お兄ちゃんもバイバイを何度も返してくれて、だいぶ距離があいてしまったころ、パッとこちらをふり返った息子が、とてもとても寂しそうだったのです。 泣き出しそ

          寂しさを知る

          突然おとずれる甘やかな時間

          実家滞在がはじまって数日。 息子の夜の寝かしつけに数時間がかかり心が重い日々が続いていました。 「睡眠時間がこんなに短くなったら体調や発育に影響が出るんじゃないか」「寝たあとにこんな時間を過ごしたかったのに」「明日もまたリズムが崩れてしまうのかな」 夜なかなか眠ってくれないというのは、わたしにとっては予想以上に心にのしかかることでした。 昼寝を短く切り上げさせてみたり、外で体を動かす時間を長くしてみたり、就寝前に電気をおとしてゆっくり過ごすようにしてみたり、さまざまな

          突然おとずれる甘やかな時間

          親友にうそをついたお話

          わたしにはなぜか美しい友人が多くいます。 容姿がととのっているいわゆる「美人」といわれる人たちです。彼女たちの美しさはその外見のみに由来するものではなく、清らかで芯が通っている内面も影響していると感じているのですが、そのお話はまたいつか。 その美しい友人のひとり、親友とも呼べるその子は中学一年生のときの同級生です。 彼女とは不思議なご縁があるようで、上京も留学も就職もすべてが同じタイミング・同じ地域でした。運命共同体だねと笑いあうのがわたしたちの定番の会話でした。 そ

          親友にうそをついたお話

          育児の不安は子によって拭われる

          「あっだめだよ!」 半年くらいはやく生まれたお友だちと遊んだある日。そのお母さんの声でふり返ると、息子が引っかかれてしまったようでした。 上にあげた手を押さえられたお友だちと、息子が見つめあっている状態。 息子が叩いたり威嚇するような行動をとったりするのではないか、と反射的に身を乗り出しました。最近すこし荒っぽさが目立っていたので。 けれど、息子は泣くでも大声を出すでもやり返すでもなく、黙ったままでした。えらい。本当にえらい。 泣くでも叩くでもなく、自分の中で消化し

          育児の不安は子によって拭われる

          わたしはすぐに忘れてしまう

          エッセイを書くということをはじめて数週間。 毎日のなかで心動いた瞬間をとらえる能力は、すこしあがったように思います。 心が動いた、と感じたらすぐにメモを取ることを大切に。それは書くきっかけとなった弥太郎さんのご著書やこれまでの経験から、はじめるときに意識しようと考えていたことでした。 電車でも、食事前でも、できる限りすぐにペンを取りノートに書きつける。 スマホを使わずアナログに書くことで、息子の前で記すことへの罪悪感もすくないですし、なんだかすこし本物みたい、なんて思

          わたしはすぐに忘れてしまう

          1歳息子のトライアンドエラー

          クリスマスにサンタさんが息子にくれた、ことばずかん。 ペンで本をタッチすると言葉を教えてくれたり、おうたをうたってくれたり、ゲームができたりする。 実はこれ、もらった直後は、本人がつかうにはいろんなむずかしさがあった。 ペンの電源が入れられない。 ペンが逆さま。 巻頭の説明ページをタッチしていて反応しない。 うまくペンの位置を定めらない。 などなど。 それがいまや、「あの本のあのページのあれが見たい」という気持ちで本を開き、ペンをおもちゃ箱から探し出し、スイッチを入れ、持

          1歳息子のトライアンドエラー

          誠実に

          冬の空気が陽の光であたためられていたその日、息子と公園に出かけました。 いつもどおり念入りに芝の点検をした息子は、今度はベンチにのぼりたいと主張しましたが、わたしは鼻水を出している様子が気になって帰りたい。結局息子に納得してもらうことはできず、騒いで主張する彼をかつぐようにして公園を出ました。 それはまるで漫画に描かれるような典型的行動で、母になる前はこんな風にしたくないと思っていたのにな、なんて考えていました。 そしてふと、息子に帰ろうという理由も伝えていなかったこと

          子育てで自分の好きが新たに見つかる

          リビングのベビーサークルの定位置に立てかけてある赤いお絵かきボード。わたしの母が孫である息子に贈ってくれたものです。 いつもと同じように息子と遊んでいた今朝、ふとボードが目にはいりました。息子の笑顔が見たくなったわたしは、よろこんでくれそうななにかを描こうとペンを持ちました。 昔から絵は苦手です。自由帳や手紙に描くようなイラスト的な絵も、美術の時間に筆で描くような絵も、うまく描けなくて、苦手意識があります。 そんなわたしが今朝絵を描こうと思った理由は、息子の笑顔のほかに

          子育てで自分の好きが新たに見つかる

          エッセイを書きます。

          わたしの人生を単調にしてきたのは、どうやらわたしのようです。 感情が揺さぶられることもすくないし、いろんなできごとが心に残らずすぐに記憶から抜け落ちてしまう。自分が人としてなにか欠けているのでは?と思うことも少なくありませんでした。 エッセイにまつわるすてきな本を読み、日々に取り入れたことで、この単調な人生は、自分の物事のとらえ方ゆえだったのだと気がついてしまいました。 その方が言うに、「エッセイとは『うれしい』『悲しい』と感情が揺れたことについて考えをめぐらせ、言葉に

          エッセイを書きます。

          濃密な時間をふやす

          「私の子だから大丈夫。そう言えるような自分になろう。」 この文章を読んだときに思ったのは、わたしは比較的こういう考えの持ち主であるということ。 でもなにかが引っかかる。 その違和感を流さずにすこし考えてみれば、今までいろんなことを学んできたにもかかわらず、その成果といえるものを示せない自分に不信感があるんだと気がつく。 成果を出せていない状態をまず変えないと自信が持てない。 そしてそのためにはいろんな言い訳を捨てて、やるしかない。 特に大きな言い訳は時間のなさ。 育児と

          濃密な時間をふやす

          君がくれる宝石(0歳10ヶ月/2023年11月)

          君への手紙先月歩くようになってから、立ちたい・歩きたい欲がとても強い君。家の中でもベビーサークルに入れられているのが嫌で、「出せ出せー!」と騒ぎます笑 特に今月は、支えなしでその場で自力で立ち上がることに一生懸命。前を見つめているけど意識はそこにないなとわかるような真剣な顔をして、まだむちむちな足に力を入れて、ググッと体を持ち上げる。 でもやっぱりそう簡単には立てなくて、すとんっと尻もちをつく。またすぐに体勢を整えて、何度も何度もできるまでずっと挑戦する。 その粘り強さ

          君がくれる宝石(0歳10ヶ月/2023年11月)

          君がくれる宝石(0歳7ヶ月/2023年8月)

          君への手紙君にとってはじめての夏。いろんなものを見てほしい、体験してほしいと思い、お出かけをした日々だった。 家族三人で一緒に行ったはじめての水族館、観覧車、ひまわり畑。君の瞳がしっかりと見たいものたちを追っていて、はじめてのものたちに興味津々な様子に、母は感動。 ついこの間まで、ぼーっと周りを見ていたのに、注意をひこうとしてもなかなか見てくれることはなかったのに。目を輝かせながらじーっと見ているその横顔を忘れたくないなと思ったよ。 君にはこの世界はどんなふうに見えてい

          君がくれる宝石(0歳7ヶ月/2023年8月)