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突然おとずれる甘やかな時間
実家滞在がはじまって数日。
息子の夜の寝かしつけに数時間がかかり心が重い日々が続いていました。
「睡眠時間がこんなに短くなったら体調や発育に影響が出るんじゃないか」「寝たあとにこんな時間を過ごしたかったのに」「明日もまたリズムが崩れてしまうのかな」
夜なかなか眠ってくれないというのは、わたしにとっては予想以上に心にのしかかることでした。
昼寝を短く切り上げさせてみたり、外で体を動かす時間を長くしてみたり、就寝前に電気をおとしてゆっくり過ごすようにしてみたり、さまざまな工夫はしていたのですが、効果はありませんでした。
そんな日々のなか、息子がすんなりとねむりにつくその日は唐突にやってきたのです。
その日唯一違ったのは、母であるわたしの心持ちでした。
これまで寝かしつけのときのわたしは「はやく寝てほしい」という気持ちや自分自身の眠気などが重なり、部屋をうろうろして遊びたがる息子にいらだち、しかめっ面でおふとんに引き戻すなんてことをしていました。
その日のわたしも睡眠不足で眠たく、さらに花粉が原因か体調もいまいちだったのですが、「息子に寄り添い、穏やかに過ごしてしあわせな気分で眠りについてもらう」ということを決心して、部屋へと向かいました。
部屋についたらいつもはすぐに横になってしまうわたしですが、その時は座った状態で息子が好きなように動くのを見守りました。息子はいつもどおり空気清浄機を触りにいったり、お布団と床を行ったり来たりしたりしていましたが、そのうちにすり寄ってきて、抱っこしてほしいようなそぶりを見せたり、にーっと笑ったり。だんだんと動きが少なくなり、20分も経たずに眠りに落ちていきました。
そのときの幸福感といったら。
息子の睡眠時間が確保され、わたしの自由時間も増える。そしてなにより息子がしあわせそうな溶けそうな笑顔で身体をわたしの膝のうえにあずけてくる甘やかな時間。あんなに完璧な夜はなかったと感じます。
その日うまくいったからといって、それが続くわけではないのが育児。でも、過去のそんな瞬間を糧に、未来のそんな瞬間を願って、母は毎日を試行錯誤しながら君と暮らしています。
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