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狐の湯、竜の背

 一番風呂を頂こうとすると先に狐が入っていた。

「どこから入った?」
「遅かったな」
「勝手に入ったな!」

「自分が一番と思ったのだろう」
「そうだ」
「他にライバルはいないと思ったか。わしのようなものは完全にノーマークだったのだろう。思い上がりだな」

 確かに狐の言う通り、そうした部分もあっただろう。反省の意味も込めながら、私は狐の背を流した。

「将棋はどうじゃ、強くなったか?」
「えっ?」

「相変わらず三間飛車か。振り飛車は苦労が多かろうに」

「お、おじいさん?」
「相変わらず鈍いのー」

 見覚えのある竜が、背中で微笑んだ。


評価値は-200振り出した三間飛車はメルヘン・ライク



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