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ギタリスト/音楽プロデューサー/Willow records代表/60,70'…

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ギタリスト/音楽プロデューサー/Willow records代表/60,70'sの名盤レビューや音楽について書かせていただきます。https://twitter.com/r_rob335

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ニューソウルの夜明け

60年代後半から70年台前半にかけて、ブラックミュージック界に起こったムーブメント「ニューソウル」について、書かせていただきました。 「そもそもニューソウルって何?」 「ディアンジェロとか?」ともよく言われますが、違います。それはネオソウルなのです……。 というわけで、あまりニューソウルという言葉が認知されていないようですので、時代背景などにも触れさせていただきました。 今回ご紹介する曲を含めたニューソウル期を代表する曲をまとめたプレイリストを作りましたので、是非こち

    • Off The Wall以前のマイケル・ジャクソン『Music & Me』

      Off The Wall以前のマイケルというと、ジャクソン5?と思われるかもしれませんが、マイケルのソロ作品は4タイトルほどリリースされています。そのどれもが素晴らしい作品。 特に好きなのが今回ご紹介する73年のソロ3作品目『Music&Me』。ギターを抱えてアンニュイな表情を見せるマイケル。サウンドもこのジャケットが物語るようにどこか切ないムードが漂っています。 当然この時期はジャクソン5も精力的に活動していて、マイケルのソロとどんな違いがあるかということになるかと思い

      • 68年〜71年のスティービー・ワンダーが最高に良い(その4)

        68〜71年のスティービーについて語ってきましたが、今回で最終回。71年発表の『Where I’m Coming From』をご紹介したいと思います。邦題は『青春の軌跡』。良いタイトルですね(笑) 前作に引き続き本作もスティービーによる完全プロデュース。そして何と言っても、全曲、スティービーとシリータ・ライトの共作というのが大きな特徴です。 前年から共同制作をしていたシリータですが、2人は1970年に結婚。しかし、1972年には離婚されているようです。 離婚後も音楽的パ

        • 68年〜71年のスティービー・ワンダーが最高に良い(その3)

          前回、前々回に引き続き、68年〜71年のスティービー・ワンダーが最高!ということでその続きを書きたいと思います。 今回ご紹介するのは1970年リリースの『Signed Sealed & Delivered』。今までの作品でも曲単位でのプロデュース、作曲に関わることはあったものの、このアルバムからスティービーはモータウンレコーズからプロデュース件を勝ち取り、完全セルフプロデュースをはじめます。 そしてもうひとつの出来事は、その後初めの奥さんとなるシリータ・ライトとの出逢い。

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        ニューソウルの夜明け

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          68年〜71年のスティービー・ワンダーが最高に良い(その2)

          前回より68年〜71年のスティービー・ワンダーのアルバムを取り上げていますが、今回はその続編です。 この時期のスティービーは、古き良き時代のモータウンサウンドと、スティービーのオリジナリティとが程よくバランスした非常に質の高い作品であると前回の記事に書かせていただきました。 第2回目は、69年に発表されたアルバム『My Cherie Amour』をご紹介したいと思います。 My Cherie Amour(1969) タイトル曲は言うまでもないですが、「Yester-Me

          68年〜71年のスティービー・ワンダーが最高に良い(その2)

          68年〜71年のスティービー・ワンダーが最高に良い(その1)

          スティービー・ワンダーというと、70年代のニューソウル3部作『Talking Book』、『Innervisons』、『First Finale』、そしてその後にリリースされた超大作『Key of Life』がまず上げられると思います。もちろん、もしまだこれらを聴いたことがない方がいたら、まずそちらを先に聴いてもらいたいのですが、それ以前のスティービーのアルバムも良いものがあるのに意外と聴かれていないのではないか、と思い、今回は特に素晴らしい68〜71年のアルバムに絞って4回

          68年〜71年のスティービー・ワンダーが最高に良い(その1)

          ロック・ポップスと影響し合うニューソウルアーティスト

          今回は60年代後半から始まるニューソウルシーンにおいて欠かすことのできない、白人アーティストとのつながりについて触れてみたいと思います。 白人のロック・ポップアーティストと、この当時の黒人アーティストとはお互いに影響し合う存在でした。当時、キャロル・キングはデビュー当時のダニー・ハサウェイのアルバムを音楽関係者に配って回っていたようです。 最も有名なところでは、キャロル・キングが作曲し、ジェームズ・テイラーが歌って全米No.1ヒットした「You’ve Got A Frie

          ロック・ポップスと影響し合うニューソウルアーティスト

          Roy AyersのDJイベント&サイン会に行ってまいりました。

          先週、ブルックリンパーラー新宿で行われたRoy AyersのDJイベント&サイン会に行ってきました。(2019.3.12執筆当時) MUROさんとRYUHEITHE MANさんの素晴らしいDJプレイに酔いしれながら、しっかりとRoy Ayersさんのサインまでゲットし、最高の一夜となりました。 レア・グルーヴの帝王として、そしてヒップ・ホップの多くのアーティストが彼の曲をサンプリングに使うなど、ミュージシャンからの熱いリスペクトが絶えないRoy Ayers。今回来日もして

          Roy AyersのDJイベント&サイン会に行ってまいりました。

          ニューソウルシーンを支えたギタリスト フィル・アップチャーチの名盤(その2)

          前回に引き続きフィル・アップチャーチがギターで参加している名盤を紹介ということで、今回はロニー・フォスター、ベン・シドランなどのジャズ系のアーティストとの共演曲、そしてリロイ・ハトソン への参加作品を取り上げています。 ニューソウルシーンを支えたギタリスト フィル・アップチャーチの名演(その2) 第1回目での紹介作品もそうでしたが、アップチャーチは非常にテリトリーが広いギタリストで、ジャズ、ソウル、そしてポップスなど、多様なジャンルのアーティストと共演しています。 演奏ス

          ニューソウルシーンを支えたギタリスト フィル・アップチャーチの名盤(その2)

          ニューソウルシーンを支えたギタリスト フィル・アップチャーチの名盤(その1)

          好きなミュージシャンの参加作品を追っていくことで、お気に入りの名作に出会えるということが多くありました。良いミュージシャンほどその作品における貢献度も高いわけで、自然と好きなサウンドに巡り会えるということだと思います。 今回ご紹介するフィル・アップチャーチも参加作品を聴きまくったミュージシャンの一人です。また、70年代ニューソウルを語る上で欠くことの出来ないギタリストでもあります。 以前このブログの他の記事でも度々名前をあげてきましたが、私がフィル・アップチャーチの名を初

          ニューソウルシーンを支えたギタリスト フィル・アップチャーチの名盤(その1)

          カートムレコーズ名盤(その3)ゴスペルグループ ヴォイシズ・オブ・イースト・ハーレムの魅力

          ニューヨークの貧困街、イーストハーレムの10代の女性を中心に、1969年に結成されたゴスペルグループ、ヴォイシズ・オブ・イースト・ハーレム。 なんといっても若さ溢れるパワフルな歌声と情熱的なハーモニーが魅力の彼女達。下のライブ動画はBBキング等が主催した、1972年にニューヨークの刑務所にて行われたライブ。全身から溢れ出るような歌声が感動的です。会場の熱気といい、物凄いエネルギーですね……。 そんな彼女ら、1972年までにElektraというレーベルから2枚のアルバムを出

          カートムレコーズ名盤(その3)ゴスペルグループ ヴォイシズ・オブ・イースト・ハーレムの魅力

          カートムレコーズ名盤(その2)ナチュラル・フォー編

          前回に引き続き、カートムレコーズの名盤ということで、今回はナチュラル・フォーというコーラスグループを紹介したいと思います。 当時はあまりセールス的には恵まれなかったようですが、90年代以降のレアグルーヴ・ムーブメントの中で再注目されるようになったグループ。音を聴くとなぜこれが当時売れなかったのか不思議でしょうがないと思えるほどの素晴らしいグループです。 リードシンガーのクリス・ジェームズを中心とした4人組で、デビュー当時はABC Recordsという別のレーベルに属してい

          カートムレコーズ名盤(その2)ナチュラル・フォー編

          カートムレコーズ名盤(その1)インプレッションズ編

          今回はレーベル特集ということで、カーティス・メイフィールドが設立したカートムレコーズを紹介したいと思います。 60〜70年代の音楽レーベルはそれぞれ独自のサウンドを持っているので、もし気に入ったアーティストが見つかれば、同じレーベルの他のアーティストの作品を聴いてみるのもお勧めです。 レーベル毎にお抱えのプロデューサー、アレンジャーそしてミュージシャンが所属して分業体制で音源を制作しているため、近い音楽性の作品が見つけられると思います。デトロイトのモータウンやメンフィスの

          カートムレコーズ名盤(その1)インプレッションズ編

          メロウソウルの魔術師 リロイ・ハトソン

          70年代ニューソウル・シーンにおいて欠かすことの出来ない存在、リロイ・ハトソン。 カーティス・メイフィールドが設立した「カートム・レコーズ」に在籍し、自身のアルバムを発表する傍ら、プロデューサー、アレンジャーとしても活躍したリロイ。また、カーティスが脱退したインプレッションズの2代目ボーカリストとしても活躍しており、カーティスの良き相棒的存在でもあります。 鋭いメッセージ性とストリートの雰囲気が漂うカーティスの楽曲に対し、リロイの作る楽曲は都会的でスタイリッシュなイメージ

          メロウソウルの魔術師 リロイ・ハトソン

          カーティス・メイフィールドの魅力

          前回、ニューソウルについて書かせていただきましたが、ニューソウル期に活躍したアーティストの中でも特に大好きな、カーティス・メイフィールドの魅力について取り上げてみたいと思います。 カーティスは、正直、スティービー・ワンダーやダニー・ハサウェイほど聴きやすくはないと思います。自分もソウルを聴き始めの頃は、取っつきにくさも感じてましたが、一度ハマるとやみつきになるような味わい深さがあるんです。 また、60年代後半から黒人差別に対する公民権運動が盛り上がりに対し、カーティスはオ

          カーティス・メイフィールドの魅力

          Spring Selection #01

          春に聴きたい曲ということで、セレクトさせてもらいました。今回は何か新しいことが始まる、そんなワクワクするような新しい時代の始まりにぴったりの選曲をしてみました。 Spotifyのプレイリストも作っているので、Spotifyされている方は是非、聴きながら読んでいただけたら嬉しいです。 1. What A Fool Believes / Doobie Brothers 1978年の名盤「Minute by Minute」より、ケニー・ロジャースとマイケル・マクドナルドの共

          Spring Selection #01