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映画せんにんの記録

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2023年8月の記事一覧

ジーンとアステア~「雨に唄えば」

ジーンとアステア~「雨に唄えば」

自分の映画ランキングNo.1の作品、1952年の「雨に唄えば」である。
上の画像はAIで作らせたものなのだが、ジーン・ケリーではなくなぜかアステアになってしまった。

これこそ映画史に残る有名なシーン。考えると、本人の演技もさることながら、この音響効果も秀逸である。

時代はサイレントからトーキーに移り変わる頃。その時代の映画産業のドタバタを描いているのだが、何といっても多くのダンスシーンが見どこ

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キューブリックらしからぬ~「アイズワイドシャット」

キューブリックらしからぬ~「アイズワイドシャット」

キューブリック監督ほどどれも話題作として送り出した映画監督はいないのではないだろうか。
博士の異常な愛情、2001年、時計仕掛け、フルメタルジャケット。
その割には、相対的に語られることが少ないのが遺作となった「アイズワイドシャット」である。1999年、劇場公開を待たずに監督はこの世を去っている。

この頃のニコール・キッドマンの美しさといったらもう。それだけで眼福ではあるが、普通の主婦感がまった

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”マリア”ではないナタリー・ウッドの真価~「理由なき反抗」「草原の輝き」

”マリア”ではないナタリー・ウッドの真価~「理由なき反抗」「草原の輝き」

先日、ジェームズ・ディーン主演の「理由なき反抗」を鑑賞したのだが、そのヒロイン役がナタリー・ウッドであることを、初めて知った。
ナタリーと言えば、「ウエストサイド物語」のマリアである。あの夢見がちでどこかあか抜けない感じの役どころだったが、本作ではだいぶ都会的でキラキラしている印象。同一人物だとはしばらく気づかなかったくらいだ。

「理由なき反抗」は、ジェームズ・ディーンの代表作ではあるのだが、正

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”スコセッシ以前”のスコセッシ作品~「アリスの恋」

”スコセッシ以前”のスコセッシ作品~「アリスの恋」

マーティン・スコセッシ監督が、「タクシードライバー」で”スコセッシ”になる前の作品がこちら。1974年公開「アリスの恋」

時代的に、アメリカンニューシネマなどが流行っていた時期。自身も次作「タクシードライバー」でその潮流での頂きに立つわけだが、本作もその萌芽が感じられなくもない。

主人公のアリスは、何をやっても思い通りにいかないシングルマザー。
健気にがんばるのだが、やんちゃな子どもに手を焼き

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