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海外ポスドク応募のスケジュール

こんにちは、茂木良平です。専門は人口学で、少子化についてデータを用いて研究してます。

前回の記事では、3つのポスドク:1)グラントポスドク、2)ポジションポスドク、3)プロジェクトポスドクのメリット・デメリットを紹介しました。今回は、その3つのポスドクに応募する際に考えておくべきスケジュールについてです。

僕は、2020年5月からバルセロナ自治大学の人口学研究センターで1年間ポスドクをしており、2021年5月からまた別の研究機関でポスドクすることが決まりました。そこで、海外でのポスドクハントについて、僕の個人的な体験をシェアしています。

PhD入学体験記やPhD課程での話は結構見ますが、ポスドク事情の話ってなかなかないと思うので(ましてヨーロッパPhD→ヨーロッパポスドクは)、みなさんの今後の何かに役立てば嬉しいです。

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1.グラントポスドク

平均締め切り:7月〜9月
締め切り前に必要なこと
・受け入れて欲しい研究機関や研究者にコンタクトを取り、受け入れの許可をもらう
・グラント申請に必要な書類・情報を受け入れ研究機関からもらう
・アプリケーションを完成させる(一行で書いてるけど、めっちゃ時間かかります!)
・受け入れ研究者はもちろん、できるだけ多くの人にアプリケーションを読んでもらう
・ネイティブチェックを行う
推奨開始日:締め切りの半年以上前

グラント申請にはとにかく時間がかかります。余裕を持ったスケジュールを組むことを勧めます!

僕が見つけた限り、若手研究者が応募できるグラントの締め切りは7月〜9月が多いです。

前回の記事でも書いたように、グラントに応募する際に、所属予定の研究機関(受け入れ研究機関)を記入しなければなりません。さらにアプリケーション作成時に、その研究機関からの何らかのサポートが必要になることが多いです。例えば、受け入れますよ、というレターを書いてもらったり、また、その研究所があなたの提案する研究になぜベストかを説明するために研究機関の具体的な情報を教えてもらったりする必要があります。

ですので、締め切りの少なくとも数ヶ月前には自分が希望する研究所に連絡し、受け入れが可能かどうかなど交渉し始める必要があります。僕の場合は、念には念をということで締め切りの8ヶ月前にファーストコンタクトを取りました。

グラントによっては、大学や研究所独自の締め切りを設けていることもあります。ですので、もし受けたいグラントが決まっているなら、なるべく早くコンタクトを取るといいです。

若手研究者が応募できるグラントのリストはこちら。

ヨーロッパ・北米・オーストラリアの36個のグラント情報をまとめています。

2.ポジションポスドク

平均締め切り:7月〜12月?
締め切り前に必要なこと
・応募に必要な書類を揃える
推奨開始日:募集開始してから

ポジションポスドクは、9月以降にポツポツ出始めた印象です。アメリカのポストも10、11月頃から出始めました。1のグラント申請に比べて必要な書類が少ない&短いのと、そもそも募集があるかわからないので、募集されてから準備し始めるのでいいと思います。

さらに、ここで必要な書類は、何かしらのグラントに応募していれば既に手元にあるものばかりなので、特別時間がかかることもないはずです。1に時間をかければかけるほど、2、3への応募時に楽になります。またどこのポストでも似たような書類が必要なため、使い回しもできます。

3.プロジェクトポスドク

平均締め切り:10月〜11月
締め切り前に必要なこと
・応募に必要な書類を揃える
推奨開始日:募集開始してから

ヨーロッパにおいて、プロジェクトポスドクの多くはERCグラントを獲得したPIが募集しているものだと思います。ERCグラントは9月に結果が出るので、それ以降募集が始まり、締め切りが10月中頃から11月初めという感じです。それぞれの分野で、ミッド・シニアキャリアが応募する大きなグラントがあるでしょうから、そのグラントの結果発表月を知っておくといいかもしれません。

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通常の研究業務に加えて、ポスドクポストを探し、書類を準備し、応募するという流れを日々行うのは正直結構タフでした。僕の場合、グラントに応募するまでの半年間、通常の研究業務は多分3分の1から半分くらい減っちゃったように思います。ですので、そこら辺も考慮に入れて通常の研究の計画もしておくといいかと思います!

もしこんなことが知りたい等あれば記事へのコメント、あるいはTwitter(@rmogi_jpn)で教えてください!

こんな感じで海外ポスドクポストについての情報をシェアしていくので、もしご興味あれば、noteのフォローお願いします。シェアも大歓迎です。

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