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#3-1 リフレクションは色んな事を繋げた方が価値を生む:【教員インタビュー:青山雄太先生 #1】

みなさんこんにちは。リフレクションメソッドラボラトリー事務局です。リフレクションメソッドラボラトリー(以下RML)では「MAWARUリフレクション」というプロジェクトを行っています。

MAWARUリフレクションは、「リフレクションによる個人の気づきが周囲に循環し、社会を変える」をテーマに、教育にリフレクションを取り入れる活動を2016年から続けているプロジェクトです。(プロジェクトHPがありますのでぜひご覧ください。)
本記事では、MAWARUリフレクションで新しく始めた「教員インタビュー」の記事をお届けします。教育現場で、先生がどのようなことを考えているのか、とても面白い内容になっていると思いますので、ぜひご一読ください。
第3回の先生は、神奈川県でオルタナティブスクールの先生をされている青山雄太さんのインタビューです!いつものようにPodcastも用意していますので、ラジオ代わりにもぜひ聴いてみてくださいね。

それではどうぞ!

VOL.3 青山雄太(あおやま ゆうた)さん

青山雄太(あおやま ゆうた)。15年間、公立小学校教諭を務めたのち、2020年に神奈川県のオルタナティブスクール、ヒミツキチ森学園(一般社団法人PLAUFUL)にてグループリーダー(担任)に就任。「自分のどまんなかで生きる」「幸せな働き方を広め、軽やかに先生する人を全国に増やす」「家族、仲間、出会う人の未来と可能性を信じ、win-winをつくる」をビジョンに、幅広く活動中。月10万回以上読まれているブログ「あお先生の教育らぼ」を運営する他、先生向け講座の講師やファシリテーター、現職の先生やオルタナティブスクールのカリキュラム等のコンサルなど、コミュニティを作り教育関係者の手助けをしている。

自己紹介・及びリフレクションとの出会い

神奈川県葉山市にありますオルタナティブスクールのヒミツキチ森学園に勤めています。務めている会社は、一般社団法人 PLAYFULで、その中でグループリーダー(担任のような役割)をさせて頂いています。
私は、元々、横浜市の小学校教員を15年勤め、2020年からヒミツキチ森学園を仲間と一緒に立ち上げました。ブログ(あお先生の教育ラボ)を4、5年前からはじめて、今でも月に8万回から9万回ほど読まれています。そのブログから、ヒミツキチで働くことにつながったり、12月23日に発売される書籍「先生が知っておきたい仕事のデザイン」のお話をいただいたり、いろんな繋がりや深まりを感じます。いろんなことに興味があり、最近は、ヨガインストラクターの資格をとったり、横浜をつなげる30人という活動をしたり、全国のオルタナティブスクールをまわり、記事を書いたりといろんな活動をしています。

生井:青山先生の活動を聞いていて、とてもワクワクします。本日は、そんな活動の中、リフクレクションを中心にお話いただきたいと思います。それでは、まずリフレクションとの出会いについてお話いただきたく思います。

リフレクションとの出会いについて

リフレクションとの出会いは、岩瀬直樹先生の本がきっかけです。 
岩瀬先生の本からリフレクションというものがあるんだと知ったことがはじまりです。もともと、手書きでノートに書くことが好きで、初任者のときから、日々起こったことに対して、どう打ち手を考えるかということを書き記していました。また、上條晴夫先生とも仲良くさせて頂いていて、横浜の教員仲間と一緒に一年間リフレクションの伴走をしてもらったこともあります。コルトハーヘンさんの本に影響を受け、本質的な諸相への気付きがなんなのかわからなかったのですが、上條先生のお話から自分の中の一番を選ぶこと、それを研ぎ澄ますことなのではないかと教えて頂きました。
上條先生と仲間たちと一年間がっつりと取り組んだことは、リフレクションに本格的に向き合った時期だったと思います。

リフレクションを通した自分自身の変化

生井:青山先生は、現在いろんな活動をされていますが、上條先生とのリフレクションの経験が新しい活動をすることに対して、影響を与えていたりしますか?

そうですね。私は、もともと、新しいことをすることが苦手でした。リフレクションをがっつりやる時期あたりから、やってみて、考えてと試行錯誤することが定着してきたと思います。また、答えが見えているものには魅力を感じなくなってきました。教員生活最後の1、2年は、まだやったことのないことで、どれだけできるかということに試行錯誤していた気がします。そういったことの積み重ねが今の活動にいきている気がします。

山下:上條先生との一年間のやり取りの中で、大きな変化があったと思うのですが、一番大きな変化はどんなことですか?

上條先生とのリフレクションを通して、違う見方ができるようになりました。これまでのリフレクションでは、自分の中で全て完結してしまっていたと思います。例えば、子供たちのトラブルがあった。対応して結果はこうだった。次はこうしてみたい。と書いていて、あまり自分の次の行動に生かしきれていなかったと思います。すぐに答えが思いつくというのは、これまでの自分の経験から思いつくことで、それを書いていたとしても意味がないことだと感じました。
経験した後のリフレクションでは、一番のところを掘り下げてみると、深く考えることができるようになり、違う見方が見えてくることがありました。更には、その違う見え方、考え方を楽しめるようになりました。

生井:上條先生との経験だけでなく、それ以降で、印象に残っているエピソードはありますか?

学年の先生方とのリフレクション

これは、全ての方々に当てはまるかどうかわからないですが、2019年教員最後の年、2年生をはじめて担任することになったのですが、学年でリフレクションをする取り組みを行いました。
この年、私は学年主任ではなく、はじめて学年主任をされる7、8年目の方と、2年目の若手の方と3人で学年を組みました。
どうにもこうにも大変な学年で、上手くいかないことが多々あり、私も教員生活はじめて、「教室に人を呼んでください。」と言うほどでした。
そこで、私もどうにかできないかと毎日リフレクションをしていたのですが、ある時、同じ時間をかけるのなら、学年と先生方とリフレクションできないかと考えました。 
早速、学年の先生方に提案し、了承をいただいて取り組みをはじめました。

やったことはシンプルです。7分間ひたすら自分のことを話してもらうということでした。上條先生から学んだことをいかし、取り組みました。

  1. その日、起こったエピソードで自分の中の一番を話すこと

  2. そのエピソードの背景を話すこと

  3. 自分が考えていることを話すこと

ルールとして、7分間話している間、周りの人は、ひたすら聞くことに徹し、質問はOKだけど、自分の話はしないという制約を設けました。また、出張がある日や成績の時期はやらないなど、柔軟に取り組みました。
やってみると、お互いのことを深く知ることができ、お互い悩んでいることも共有できて、学年間の横のつながりが強くなりました。また、若手の教員は、通常先輩の先生方になかなかその日のふとしたことを話せない中、このような機会を設けることで、いろんなことが話せるので、若手の先生が生き生きと働き始めました。それに伴って、子供同士のトラブルも減っていきました。
リフレクションを一人でやるのもいいですが、いろんなことを繋げたほうが価値をうむという実感に繋がり、今の経験にとてもいきています。

生井:ありがとうございます。ご自身のリフレクションの実践から、それが周りに広がり、学年の先生方の雰囲気や子供たちの様子も変化していく、循環して良くなっていく様子がお話を聞いて伝わりました。

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本記事はここまでです。更新は毎週木曜日です。
第2回目もお楽しみに!

【青山先生インタビューの記事】
# 3 -1 青山先生インタビュー1(本記事)
# 3 -2 青山先生インタビュー2
# 3 -3 青山先生インタビュー3
# 3 -4 青山先生インタビュー4

インタビュアー 生井・山下
執筆:山下


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