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孫とじぃじの奮闘記【6】

〜壊してはいけないもの〜

この画像の真相

2番目の孫のユウキが
先日、プレゼントした
飛行機のオモチャを壊した

見ての通り部品が外れている

破損部分をよく見ると
ねじ切ったような断面だった

決して落として壊れたのではない

私は床に腰をおろし
ユウキを私の元へ呼んだ

どうしてこうなったか
理由を聞きたかった
ねじ切ったのなら
必ず理由があるからだ

じぃじ『どうしてこうなったの?』
ユウキ『こわれたの』
じぃじ『何をしたら壊れたの?』
ユウキ『ユウキがひっぱったの』
じぃじ『なんで引っ張ったの?』
ユウキ『こわしてみたかったの』

理由は簡単だった
なるほど そう『好奇心』

コレを引っ張ったらどうなるか?
壊したら元に戻せるのか?
元に戻せなかったら大人は
どんなふうに怒るのか?

これを知りたいのだ
叱られると分かっていても
好奇心が圧倒的に勝利する
我々も通った懐かしき道

だが 私は叱った

オモチャを壊した事だけではない
伝えなければならない事が
もうひとつだけあるから

『ユウキが作った折り紙を
 ネェネが破ったらユウキは
 どんな気持ちになる?』

このひとことで
ユウキは情景を想像したのだろう

涙を瞳を潤ませ
小刻みに震えながら
顔を小さく左右に振る

『い…いやだ…』

自分がなぜ 叱られているか
自分は本当は何を壊したかを

私が伝えたかった
壊してはいけないものは

『贈った人の想い』

相手が私や親ならば良い
しかし 兄弟や友達や
先生や先輩や後輩や上司や
好きな人や恋人や結婚相手
挙げればキリがない

話が飛躍しすぎ?
そんなことはない

ユウキが成長するにつれて
人間関係の裾野は広がり
いずれ社会に出るだろう
心を許せる友にも出逢うだろう
好きな人もできるだろう

その時では遅いのだ

私も2〜3歳の頃に
同じような状況で叱られた

三十数年たって骨身に染みるとは
思ってもいなかった

それからも 父と母と弟と
祖父と祖母から教わった

相手の想いの大切さを

だから身に染みて分かるのだ
今を逃したら手遅れになる事を

だから 伝えたかった

ユウキからすれば全て好奇心
その身をもって知ろうとしている
子供の成長過程において
ごくごく当然のこと

だからこれからも壊すだろう
それでいいんだ
そんな事は問題じゃない

それでも忘れるな
壊してはいけないものがある

お前の人生も
それらで溢れているのだから

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