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25年のブランクを経て【1】

先日、実家から車で14分の所にある
武道具を専門に扱う店に立ち寄った。

目的は『柔道着』

42歳、厄年。
何故、今さら柔道?
そう思われる方もいらっしゃるだろう。

理由はいたってシンプル。

『これからも強く在りたい』

そもそも 中学時代は柔道部。
本当は陸上部に入る予定だった。
しかし友人が柔道部の見学に
ついて来てくれと頼まれ
付き添ってみたものの
友人と先輩達の半ば強引な勧誘に
根負けし入部することに。
細身で低身長ながら
スピードとパワーを武器に
2年生の時に初段を取り黒帯。
恥ずかしながら一応、キャプテン。
弟がいるので強い兄で
いたかったのも動機のひとつ。

高校時代は町道場で趣味程度。
友達と遊んでばかりで
二段は取らずじまい。

専門学校時代はクラスメイトに
誘われたサッカー部でキーパー。

社会人になり、35歳で同僚に
誘われたガチのソフトボールは
現在も2番打者としてレギュラー。
守備は下手だが俊足巧打。
通算打率の5割超えは
野球経験のない私にすれば
小さな小さな自慢である。
またもや、二段は取らずじまい。

まがりなりにも黒帯とはいえ
私の中で初段は『仮免』に等しい。

だからこそ 心のどこかで
『二段』を取りたいという火は
くすぶっていたように思う。

それにしても寄る年波とは
困ったものである。
身体と感覚が、冷めた夫婦のように
少しずつ距離が空いてゆくのが分かる。
つまり、イメージした通りに
身体は動いてくれないのだ。
現在、トレーニングは続けており
日々、身体と感覚に向き合い
微調整を繰り返すものの
うまく噛み合わないジレンマに
さいなまれている昨今である。

世間の40代と比べれば
はるかに身体能力は高いのだが
子供3人に孫3人を抱え
互いの両親の介護や
妻の老後の介護を考えると
今のままでは乗り切れないように感じる。

そして
いつまでも強い 父親
いつまでも強い じぃじ
そうあり続けるには
身も心も『強く在りたい』

改めて そう実感し
心身ともに磨き直したいのだ。
その上で二段も獲る所存。

現役時代の柔道着に袖を通すも
あの頃とは骨格も変わっており
小さくなっていた。
それ故、新しい柔道着を
購入しようと思い立った。

道場の見学もお願いした。
新しい柔道着と帯には刺繍も入り
来週には手元に届くだろう。
25年のブランクを経て
真新しい柔道着に袖を通す。

そう あと少しで
己を磨き直す準備は万全となる。

今さら 小さいオッサンが
今さら 柔道を始める。
今さら これからも強く在りたい。

ただの自己満足だろう。
だが 私の原動力は
いつだって家族なのだ。

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