私の考える、信頼できる臨床心理士・公認心理師

私の考える、信頼できる臨床心理士・公認心理師

松本良平

精神科専門医から見た、というより、私が考える、信頼できる臨床心理士・公認心理師、と記載するのがフェアだと思います。

ですので、あくまで、私の見解ですが、私の精神科医仲間とも共有しているモノサシであることも、ご理解の上、お読みいただければと思います。

既に、資格は取得されているので、心理学的知識は水準に達しているとします。もちろん、求めれば限(きり)がないので。

私の中での明確に出来る要件は

① 技法にこだわらない(=特定のアプローチにこだわらない)
② エビデンスのあるアプローチを重視(①とのバランスが求められる)
③ 精神疾患の理解を使用と、学習する姿勢がある
④ 薬物療法(投薬治療)に理解がある

といったところです。

①②は心理療法のスキルと姿勢について、クライアント中心のアプローチがとれるかどうかを見極めています。一方で、心理療法も医療行為に準ずる、近しい位置づけになる以上、エビデンスのあるアプローチを積極的に取り入れる事は、必須要件と考えています。また、オンラインカウンセリングやSNSカウンセリングであっても、その限界と効用を知りながら採用していく柔軟性も欲しいところです。

③ですが、実は、臨床心理士・公認心理師のカリキュラムの中で、「精神疾患(発達障害を除く)とその治療」は概ね、カリキュラムの4~5%しか割かれていません。ですので、現代の診断体系や薬物療法(投薬治療)に対する知識は殆ど身につけないまま、資格取得が可能なカリキュラムになっているわけです。
 また、臨床心理士・公認心理師の約半数が、常勤職につけていないという現状があります。精神科病院とメンタルクリニックでは、患者層も病像もかなり異なる事が多いので、それぞれでの勤務経験がないと、精神疾患への理解や対応力は身に尽きませんが、現実的に両者を十分に経験している臨床心理士・公認心理師は少ないのではないでしょうか。
 この点に関しては、各臨床心理士・公認心理師が、自分の経験の偏りに対して、自覚的であれば、それで良いと、私は考えています。

④ 薬物療法は、心理療法よりエビデンスの強度が高いものが多いという事実がある以上、薬物療法に対して理解する姿勢がないと、投薬治療を続けている方、これから投薬治療が必要となる方のサポートが行えないのは明白です。

ただし、医学や心理学における科学論文に基づく科学的エビデンスとは、多くの場合、多くの人々のデータを統計解析して得たものが多いです。したがって、あくまで、平均的には、とか標準的には、○○が有効とか、□□が望ましい、などといえますが、実際の患者/クライアントは、必ずしも平均的・標準的とも限りませんし、より複雑な背景を持っている事も稀ではありません。

私自身、自戒も込めてですが、しっかりとした知識と経験を踏まえて、目の前のクライアントとの二人三脚の中から、学び続ける姿勢があることが、一番の素養だと思います。

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松本良平
精神科専門医、医学博士 精神科病院院長・医療法人理事長等歴任 株式会社313代表取締役 オンラインカウンセリングサービス「マイシェルパ」を提供 https://my-sherpa.jp/