カウンセリングって、どんなもの?

よく聞かれるのですが、カウンセリングを一言で表現したり、定義することは、中々に難しいものです。

例えば「カウンセリングとは心理的な問題やストレス、不安、悩み、人間関係の問題などについて、専門家であるカウンセラーとの対話を通じて解決策を見つけるプロセスです」ともいえるでしょう。

でも、この説明も、カウンセリングの一側面にしか焦点を当てていないと思います。


そもそも、人生や日々の生活で、困ったことや問題などに直面したときに、私たちが取り得る選択肢にはどんなものが挙げられるのでしょうか。
対応は下記のように分類できるのではないかと思います。

① 解決する(解決策を見出す、積極策)。
② 時間とともに、解決するのを待つ(問題が消失するなど)。
③ 棚上げする(早急な解決を目指さない、いつか解決できるかも)。
④ 逃げる(逃げるが勝ち)。
⑤ 忘れる(バリエーションが結構ある)。
⑥ シェアすることで、和らげる。

カウンセリングでは、この①から⑥の全てを取り扱います。
相談者が抱えている悩みや困難を一緒に共有し、どの方向で、その悩みや困難へと対処するのか、と考えていきます。解決のために、具体的に、適切なアクションを提案することもあるでしょう。
カウンセラーは多くの人々の悩みに寄り添った経験がありますので、様々な選択肢を、温かく冷静に一緒に検討するお手伝いが出来ます。
また、その中で、心身の不調や苦痛に対しては、心理療法の技法も駆使して、改善や緩和のためのサポートを行います。
そして、どんなケースでも「⑥シェアすることで、和らげる」ことは出来るのです。

というわけで、カウンセリングの最も大切な役割は「シェアすることで和らげる」ということにあると思います。

では、相談相手が誰でも良いかというと、現実は難しいです。
例えば、仕事を辞めたいとか、学校に行きたくないとかで悩んでいるときに家族や友人に相談できていますか?
身近な人に必ずしも、心情をオープンにすることは、必ずしも容易ではないです。相手が受け止めてくれるのかどうか、どう思われるのか、といった不安や恐怖心が生じることは稀ではないでしょう。

そして、勇気をもって話をしても、相談相手に時間的・精神的余裕がない時も、多々あります。「もう少し、まとめて話をしてほしい」と言われてしまうこともあります。そもそも悩んでいるときは、混乱していたりするので、簡潔にまとまりよく話せないものです。でも、そう言われてしまうと、もう、それ以上話せなくなってしまいます。

また、相談を受けた側も、皆さんの悩みを軽減しようと、何がしかのアドバイスをしてくれます。ただし、その時に、多くは自分自身の道徳観、社会通念などに則って、アドバイスします。これを、モラル・ジャッジメントと言います。
自分が至らないのは重々わかっていて相談しているのだから、そこを、「〇〇すべき」「××するな」と言われてしまうと、それ以上進みません。
「一般的には、△△するものだ」と言われても、それが出来ないから、困っているわけです。

最後に、相談を受けた相手も、相談内容を自分の中だけに留めておくのは、中々に難しいケースが多いです。「人の口に戸は立てられぬ」というように、必ずしも悪意なく、私たちは相談を受けた事を周囲に話してしまいます。結果として、守られるべきプライバシーが侵害されます。

したがって、
Ⅰ. きちんとあなたの話を聞くためだけの時間を確保して、
Ⅱ. モラルジャッジメントをせずに、
Ⅲ. プライバシーを守る、
そんなことが出来るのは、職業的プロフェッショナルなカウンセラーに限定されるのではないでしょうか。

法的な守秘義務を有する精神科専門医や臨床心理士/公認心理師となるまでには長い道のりを要します。その道程を考慮すると、失職するリスクを背負ってまで、皆様からの相談内容を口外することはないでしょう。一方で、カウンセラーの資格が、通信教育や数カ月程度の講座で取得できるものであったりすれば、守秘義務についても、どうしても、軽くなりえる、と考えておくべきでしょう。

信頼できる人を探して話すこと、は長い人生において必ず必要となります。
そして、その時に「職業的プロフェッショナルなカウンセラーに話す」という選択肢を、誰もが身近に持てるように、マイシェルパを運営していきます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?