見出し画像

シニアタイムズ第12話、死ぬ前に伝えておきたいこと

70歳を過ぎると、いつお迎えがくるかは神様しかわからない、
と思うと、今まで、遠慮して伝えていなかったことを、
人生の先輩として伝えておく、それもミッションかと思えるようになった。

4歳の孫と今年の夏一緒に作った粘土作品 2023

子育てもそのひとつで。
我が家でも、長男は二人の男の子、長女は二人の女の子の子育ての真っ最中である。それぞれの育て方がある、と思って、私たちとしては「見ざる聞かざる言わざる」と決めていたが、この頃になって、伝えるべきことは伝えておいた方がいいかな、と思うようになった。

振り返れば、私たちも若い頃、自分たちの子育てに両親は口出し無用という
態度でいたように思う。今思えば若気の至り。子育ての先輩にもっと聞いておけばよかったと思うことがいっぱいあった。

子供が命に関わるような危険なことをしようとした時以外は、両親は一緒に叱らない。いつもは、お父さんが叱っている時はお母さんは静観し、お母さんが叱っている時はお父さんが静観する。こうすることで子供は心の逃げ道を探すことができ、素直になれる。ついつい、2対1の力学で叱ってしまうことがあるけれど、これは子供にとっては逆効果。泣き声で親への抗議を大きくするだけでしかない。

「泣かないで、言葉でいってごらん。」と大人。
「言葉にできないから、泣いてるんじゃん」と子供。

ましてや、学校に上がる前の子供は、自分の思いを言葉で語ることなどできるはずがない。親はついついわかっていると思いがちであるが、生まれて数年しか経っていない子供が、大人のように、自分の思いを言葉にすることなどできない。

「孫を甘やかすのが仕事だから」といつも言っていた私たちの両親は、
「どんなに私たちが甘やかして愛しても、子供には親の愛が一番だから」と念を押した。大人の忙しいは子供に通じない。子供は子供時代に欲しい愛情があり、だからこそ、泣き叫んで、親たちを振り向かさせようとする。
今、しかない子供時代、居心地のよいあたたかな時間にしてやれるのは
親しかいないのだ。それは甘やかすこととはちょっと違う。

私も子育て時代は毎日忙しく働きながらも、一生懸命子供との時間を作ってきたつもりだったけれど、今思えば、もっとやっておけばよかったと思う。

子供と向き合う時間は、その子のなかで愛として育ち、
子供に向けた笑顔は、その子の笑顔のお手本になり、
子供にかけた声は、その子の人格となる。

老婆心ながら、子育て真っ最中の親たちに、伝えたい。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?