押せないインターフォン(恋模様2年1組#11)
出席番号4番 江森カイト
「相田は、まだ出てこないのか」
先輩の声に、僕は足を止めた。先輩は月に数回だけ、大学からコーチとしてやってくる。
「えぇ、なんだか体調が悪いみたいで」
「そうか。残念だな、あいつも結構いい線いってたんだけどな」
あの日、僕は相田を傷つけた。ファミレスでの僕の言葉が、相田の何かを壊してしまったのは確かだ。
「気にすることないんじゃないの?」
リカは、そういっていつも僕を慰めてくれる。
「それより、今度のテニスの練習試合、カイトの高